オリンパスのハンドヘルド蛍光X線分析計(XRF)DELTAシリーズが地球化学における現場分析の新しい用途で活用され始めています。探査、採鉱などの特定用途を目的としてカスタム製造されたDELTAの特長は、強力な4W X線管と、特定用途向けに最適化されたアノードおよびシリコンドリフト検出器を組み合わせたことにあります。この組み合わせが、最短の分析時間で最も優れた検出限界(LOD)を達成します。DELTAは、ウランとトリウムの両元素に対して2~4ppmの実効検出限界(LOD)を示します。ウラン探査で遭遇する地殻中の平均ウラン存在量が同レベル、またはそれ以下(典型値:2~4ppm U)であることから、DELTAはこの分野で比類ない性能を発揮します。 DELTAの3ビーム土壌分析モードは30種類を超える検体へアクセスする能力を備え、調査対象である堆積形態の地球化学的特徴が必要とする個々の分析条件にも自在に対応できる柔軟性を備えた強力な測定モードです。探査の対象が石灰質層、燐灰岩、あるいは不整関連型のウラン鉱床でも、DELTAは目的に合わせて効果的なパスファインダー元素セット(P、V、Ni、As、Mo、卑金属)を用いてセットアップすることができます。また、2ビーム鉱山分析モードを併用すれば軽元素分析も可能になります。このような多用途性が付加されることにより、全岩を対象とする岩石地球化学や変質岩の集合体のほか、標準的なMiningモードには属さない元素群(Mg、Al、Si、P、S、K、Ca)をも分析の対象に含めることができます。 |
地球化学的特徴のまとめ | |
堆積形態 | 地球化学的特徴 |
不整関連型 | Nl, Pb, Co, As, B, Mo |
砂岩 | Mo, Se, Ti, S, Fe |
複合角礫岩(IOCG) | Fe, Cu, Au, Ag, Ba, F & REE |
石英-中礫堆積 | Ti, Au, Ag, REE, Fe, S, PGE, Ni, Co |
石灰質層(表層) | V |
燐灰岩 | P, F |
その他のウラン堆積形態:鉱脈、貫入、火山・カルデラ、交代鉱床、崩壊角礫岩管、褐炭・黒色頁岩 | |
表提供: ioGlobal Geochemistry Workshop - Oct 2008 |