超音波厚さ計によるパイプや管の肉厚測定は、長いパイプの両端以外の箇所でも測定できるため、パイプ製造工場の検査担当者やエンドユーザーにとって有用です。工場では、パイプの肉厚測定を非破壊で行い、公差の範囲外にあるものを検出できます。押出パイプの同心度は連続的かつ自動的に監視可能で、パイプを切断する必要も、製造工程を中断する必要もありません。同様に、管の薄い肉厚を正確に測定する必要がある場合でも、超音波により全長にわたる非破壊での厚さ測定が可能です。
金属パイプや管の肉厚測定用の超音波機器
手動による厚さ測定の場合、超音波厚さ計39DL PLUS™および 45MG(一振動子ソフトウェアオプション付き)は、校正精度±0.025 mm(±0.001インチ)で、ほとんどの金属パイプや管の肉厚を瞬時に読み取り、デジタル表示します。これらの厚さ計を適切な探触子とともに使用すると、肉厚0.50~50 mm(0.020~2インチ)の範囲で、ほとんどの金属パイプや管を測定できます。またこれらの精密厚さ計は、遅延材付き探触子とともに使用すると、±0.005 mm(0.0002インチ)の校正精度で厚さ測定が可能です。
管の直径が5 mm(0.200インチ)未満である場合は、39DL PLUSまたは45MG(一振動子ソフトウェアオプション付き)厚さ計を水浸型探触子とともに使用することをお勧めします。水浸型探触子を使用する超音波厚さ測定においては、RBS-1バブラーシステムが便利なツールです。
金属パイプまたは管の内側または外側の表面がひどく腐食している場合の肉厚測定には、オリンパスの39DL PLUSまたは45MGを二振動子型探触子とともに使用します。腐食測定の詳細については、このアプリケーションノートをご覧ください。
厚さ0.203 mm(0.008インチ)未満の薄肉金属パイプには、72DL PLUS™高周波数厚さ計が推奨されます。高速測定が可能な72DL PLUS厚さ計は、波形更新速度が60 Hz、測定速度は最大2 kHzとなっています。大型のフルカラータッチスクリーンを備え、さまざまな角度から楽に見ることができます。また、最新の接続性と統合のためのWi-Fi®とBluetooth®に対応しています。
下の画像は、72DL PLUS厚さ計をM2104(125 MHz)探触子とともに使用して、薄い鋼板(0.0015インチ、0.0381 mm)を測定した場合の波形例を示しています。
72DL PLUS厚さ計をM2104(125 MHz)探触子とともに使用して、薄い鋼板(0.0015インチ、0.0381 mm)を測定