背景
口腔内で通常の歯根と同様に固定される歯科用インプラントは、表面に何らかの加工をすることによって適正な粗さを持ち、生体との癒着が進みやすくなりより強固に固定されます。一般的に歯科用インプラントの表面にはブラスト処理、酸処理、酸化処理、機械研磨処理などを組み合わせることによって、微細な凹凸が形成されます。
ブラスト処理は、鋳造物内面の酸化膜を除去し、合着や接着力を向上させる目的で行われるもっとも一般的な方法です。酸処理は、ブラスト処理により発生したブラスト材を洗浄する目的でも使われます。酸化処理は、表面を削るブラスト処理や酸処理とは異なり、チタン表面に酸化チタンを積層することで表面に凹凸を作る方法です。機械研磨処理は、歯科用インプラントが臨床応用され始めた当初から用いられている方法ですが、現在ではネック部のみこの処理を施している事が多いです。さらに表面をフッ素コーティングする事により骨伝導と石灰化がひきおこされ、治癒が早まるといわれています。
理想的な表面粗さは10~1μmと言われており、日本では共焦点レーザー顕微鏡で測定することが、工業標準として求められています。
オリンパスのソリューション
共焦点レーザー顕微鏡LEXTは、より高い分解能とトレーサブルな精度保証で、より正確な粗さ測定結果を提供します。特にネジ溝の粗さ測定には、ピント面からレンズ面までの距離が長い長作動対物レンズを用いることが可能です。
商品の特徴
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OLS5000を用いて測定した歯科用インプラントの表面粗さ |