このアプリケーションノートでは、プラスチックパイプの肉厚を測定する方法について説明します。プラスチック製のパイプとチューブを測定するための推奨される超音波厚さ計と手順を見ていきましょう。
プラスチックパイプの肉厚測定
プラスチックパイプの製造業では、製品仕様を満たすために、肉厚が円周方向に均一であることを確認する必要があります。厚みが薄すぎると使用中に損傷する恐れがあり、逆に厚すぎればコストと樹脂の無駄遣いになります。超音波計測は肉厚を迅速に測定できる信頼性の高い手法であり、パイプの内径(ID)へのアクセスや切断を必要としません。必要であれば、パイプの設置後であっても厚みを測定することができます。
プラスチックパイプ測定に使用する超音波機器
プラスチックのパイプやチューブの厚さ測定には、45MG(一振動子ソフトウェア付き)や39DL PLUSなどの超音波厚さ計が最適です。測定対象であるパイプやチューブの直径と肉厚に応じて、各種探触子から使用するものを選択します。
一般的なサイズのプラスチックパイプの場合、厚みが0.5~25 mm(0.020~1インチ)程度のポリエチレンまたはPVCパイプにはM112(10 MHz)探触子を使用し、厚みが25 mm(1インチ)を超えるパイプにはM1036(2.25 MHz)探触子を使用します。具体的な推奨内容については、当社までお問い合わせください。
直径が非常に小さなチューブ(直径3 mm/0.125インチ程度未満)の場合は、高周波数厚さ計72DL PLUSの情報を参照してください。 小径チューブと高温状態で使用されるパイプについては特別な注意が必要です。以下のアプリケーションノートを参照してください。
プラスチックパイプの肉厚の超音波測定手順
プラスチックパイプの肉厚測定は、超音波厚さ計の一般的な用途の1つです。通常は、単純なパルスエコー検査を行います。この検査では、パルスを発射してから返ってくるまでの往復に要する時間を計測し、測定対象材料の音速をプラスして、厚みを計算します。
他の超音波検査と同じように、測定対象の材料と同じ材質の試料に対して、前述の単純な手順で音速を校正する必要があります。校正が終了したら、液体カプラントを測定箇所に1滴垂らしてから探触子を表面に接触させ、測定値を読み取るだけです。測定値の取得にはわずか数秒しかかからず、厚さ計のデータロガーに記録して、文書化と解析に使用できます。
プラスチックパイプの肉厚測定やその他の超音波検査アプリケーションの詳細は、お近くのEvidentにお問い合わせください。