エンドツーエンドの製造品質管理に関する9つのコツ

作者 Damien Blondel - 2020年 5月 22日

最終製品のエンドツーエンド品質を確保していますか？ミッションクリティカルな用途では、材料の仕入れから製造、最終組立てまで、サプライチェーンにおけるすべての段階で、高い品質基準を維持することが重要です。品質プロセスを改善できる技術の一つが、ハンドヘルド蛍光X線分析計（XRF）です。

このブログでは、QA/QCにハンドヘルド蛍光X線分析計を用いる利点と、エンドツーエンドの製造品質管理に蛍光X線分析を用いる際のコツについて説明します。

製造QA/QCにハンドヘルド蛍光X線分析計を用いる利点

ハンドヘルド蛍光X線分析計は、金属組成を確認するためのものです。元素分析と合金種判別を正確に行うことができます。ハンドヘルド蛍光X線分析計は、シート、ロッド、チューブ、バー、ワイヤ、粉末、最終製品など、さまざまな材料の検査に使用することができ、材料検証に有用なツールです。他にも下記の利点があります。

最小限のサンプル前処理：合金を検査する際に、ほとんどの場合、サンプル前処理は不要か最小限で済みます。
非破壊：ハンドヘルド蛍光X線分析計は、検査対象の金属合金に傷跡を残しません。
簡単操作：分析計を配置してトリガーを引くだけで、一般的な合金グレードの検査結果が瞬時に表示されます。
高速分析：一般的な合金グレードの判定であれば、ほんの1～2秒でただちに結果がわかります。
ポータブル：ハンドヘルド蛍光X線分析計は、軽量で持ち運びができるため、施設のどこででも使用可能です。

QA/QCや材料検証にハンドヘルド蛍光X線分析計を用いる利点は以上です。次は、分析計を最大限に活用するためのコツについて説明します。

エンドツーエンドの製造品質管理に蛍光X線分析計を用いる9つの方法

Vanta™蛍光X線分析計を使用して、全工程で品質管理を確保する方法をいくつか紹介します。

1. 材料検証が施設のどこででも一日中実施可能

Vantaハンドヘルド蛍光X線分析計は、落下試験やIP規格に適合し、製造環境で高い耐久力を発揮し長時間の稼働が可能であるため、材料の品質をすばやく判断し、高い生産性を一日中保つことができます。

2. 使いやすいソフトウェアで操作の訓練時間を短縮

Vanta分析計のシンプルなユーザーインターフェースにより、スマートフォンのような操作性で簡単に扱うことができます。この分析計は、カスタマイズ可能な操作手順と、わかりやすい合格/不合格結果により、操作が覚えやすく使用しやすくなっているため、ヒューマンエラーのリスクが軽減されます。

Vanta分析計のUIはスマートフォンに似ているため、ユーザーのトレーニング時間が短縮され、生産性が向上します。

3. 用途に合わせてグレードライブラリーをカスタマイズ

編集可能なグレードライブラリーに600を超える個別のグレードを用意しているため、グレードのマッチングが簡単です。グレードのマッチングが簡単になるように、残留トランプライブラリーは業界標準に基づいています。

4. SmartSortで検査の高スループットを確保

SmartSortが必要に応じて検査範囲を軽元素（マグネシウム、アルミニウム、シリコンなど）まで自動的に拡張するため、不必要に長い検査を行わずに済みます。

SmartSortで検査時間を短縮

5. スナップショットを撮影

検査材料の写真記録を保存しアーカイブすると、視認性やレポートの向上に役立ちます。

検査材料の視覚記録を保存するには、Vanta分析計のカメラでクイックスナップショットを撮影してください。

6. コリメータで領域を隔離

分析計のオプションのコリメータは、背後の材料から小さな特徴物を隔離するのに役立ち、小さなコンポーネントや溶接部を検査する際に便利です。

7. パノラマカメラをバーコードスキャナーとして使用

Vanta分析計のオプションのパノラマカメラをバーコードスキャナーとして使用すると、埋め込まれた情報が検査メモに自動的に入力されます。

8. 無線接続で簡単にデータを管理

オプションの無線機能を活用すると、XRFデータがERPシステムにシームレスに統合され、購買仕様書に記載の性能を発揮することができます。 Olympus Scientific Cloud™（OSC）に接続して、データを簡単に共有できるよう設計された無料や有料のアプリにアクセスすることも可能です。

9. 搭載されているレポート作成機能を用いて、記録保持と履歴管理を効率化

搭載されているPDFレポート作成機能を用いると、GPSデータ、画像、XRF検査情報をレポートにきっちりとまとめることができます。レポートを簡単に参照でき、日時スタンプや操作者のメモなどを見つけることができます。

Vanta分析計に搭載されている便利なPDFレポート作成機能を用いると、現場で記録保持や履歴管理を効率化できます。

エンドツーエンド品質の重要性

品質が向上すると、より良い製品、コストの削減、顧客満足度の向上につながります。蛍光X線分析計の強力な機能を活用することで、工程におけるすべての段階で高い品質基準を維持できます。ハンドヘルド蛍光X線分析計で品質プログラムを改善する方法については、「製造QA/QC用Vanta分析計」のリソースをご覧ください。