赤外域(IR)専用対物レンズが、近IRデジタルイメージングに対するターンキーソリューションを提供します
マイクロエレクトロニクスの標準的な欠陥分析プロトコルには、最終製品の機械的完全性を維持したまま、非破壊的にシリコンを透過して回路パターンを検査する能力が要求されます。近IRスペクトラムにおける顕微鏡イメージングなどの非破壊的技術であれば、厚さ650 μmまでのシリコンを透過して直接検査を行うことができます。アプリケーションの例として、製品内のショート(熱損傷跡や圧力指標など)、ボンディングアライメント(細かくボンディングされた回路間のアライメントマークの分析)、電気試験後の検査(各種欠陥)、チップ損傷(材料内欠陥や不純物など)の検査が挙げられます。
多くの欠陥分析および研究開発ラボによる欠陥の測定、レポート作成、および画像アーカイビングには、デジタルソリューションが要求されます。このアプリケーション特有の性質のため、自然に得られるコントラストが極めて低く、画像分析ソフトウェアで最適化しなければなりません。照明の不均一さによって口径食や周辺光量低下が生じるため、ライブビューや取得した画像からデジタル的に除去しなければなりません。サンプルを上から照明するには落射型顕微鏡が理想的ですが、透過光IRはサンプルの下から光を当ててシリコンを透過させることにより、高いコントラストを得るように設計されています。
このため、透過光はパターンアライメントや認識マークをシリコン越しに検査する際に特に有効です。
完全なデジタル近赤外システム
当社の赤外域専用対物レンズUIS2シリーズは、近赤外領域デジタルイメージングに対するターンキーソリューションを提供します。最新世代の赤外域専用対物レンズUIS2シリーズは、近赤外域スペクトラムの透過率が向上し、特定のシリコン厚さにセットする補正環(20x、50x、100x対物レンズ)を備えているため、透過率と性能が最大限に強化されています。オリンパスのXM10-IRデジタルカメラは、2/3インチCCDセンサーにより広い視野を維持したまま1100 nmまでの近赤外域全域で高コントラスト画像を提供します。OLYMPUS Stream画像解析ソフトウェアは、XM10-IRカメラを完全に制御してシェーディング補正を行い、他のIRイメージングソリューションとは異なり、視野全体にわたって最大限に画像を均一化しています。
さらに、ユーザーはライブ画像と取り込んだ赤外域画像のいずれにおいても、画像コントラストを簡単に最大化することができます。OLYMPUS Streamソフトウェアは、画像視野内のどこでも正確な測定を行い、レポートを作成し、画像と関連データをアーカイブする能力も提供します。
シリコンを透過した高画質イメージングおよび検査に理想的な、当社のデジタル近赤外ソリューションの構成は以下のとおりです。
- 正立IR複合顕微鏡(BXシリーズ)またはIRウエハー検査専用複合顕微鏡(MXシリーズ)(MXシリーズのIR顕微鏡は落射型照明と透過型照明による同時赤外観察が可能)
- UIS2-IR対物レンズ
- XM10-IR高感度1.4 MP CCDデジタルFirewireカメラ
- OLYMPUS Stream画像解析ソフトウェア
すぐに結果を取得できます
当社のターンキーデジタル近赤外システムは、シリコン下方からの高画質画像の取得、正確な測定の実施、説得力のあるレポートの作成、および画像のアーカイブを、全て最終製品を傷つけずに実施する能力を提供します。さらに、デジタル近赤外センサーを利用することにより、硫化鉛管アナログカメラ特有の画像の遅れや残像が排除されています。この完全なソリューションはユーザーフレンドリーな設計になっているため、顕微鏡やイメージングについて基礎程度の知識しかないオペレーターでも、使い始めたときからすぐに結果を得ることができます。
各種UIS2-IR対物レンズ、BX2M-IR正立複合顕微鏡、XM10-IRデジタルカメラ、およびOLYMPUS Streamソフトウェアを使って取得した画像。
10x UIS2-IR対物レンズ |
20x UIS2-IR対物レンズ |
50x UIS2-IR対物レンズ |
100x UIS2-IR対物レンズ |