Carbon-In-Leach(CIL)およびCarbon-In-Pulp(CIP)回路は、鉱石から金(Au)を抽出する金のシアン化法であり、金を水溶性錯体に変換させます。活性炭は、シアン化で抽出されたパルプまたは溶液から金を吸着させるために、回収工程の一部として使用されます。そして活性炭が電解採取回路を通過する際に金を取り去り、それを精錬して金の延べ棒を製造します。金を最大限に回収するためには、活性炭内の金の含有量をモニタリングすることが欠かせません。
Gekko SystemsはEvidentと協力して、当社が有する蛍光X線(XRF)と統合の経験を活用し、リアルタイムの金回路在庫に最初に重点を置いて、Carbon Scout装置で活性炭の多元素分析を行えるようにしました。
Carbon Scoutは単独で動作する地表サンプリングシステムであり、CIL/CIP回路のスラリー試料の炭素濃度、多元素分析、pH、溶存酸素(DO)、密度を測定することで、炭素移動の自動化を可能にします。金鉱経営者は各タンクのパルプ内の活性炭分布(パルプ1リットルあたり活性炭±0.5グラムの精度)を判別できるので、処理プラントの効率化と、可溶性金の損失の低減につながります。Carbon Scoutは、CIL/CIP回路における炭素密度測定の精度、規則性、一貫性を改善します。
自動炭素管理とポータブルXRFの組み合わせ
Carbon Scoutには、ハンドヘルドXRF分析計Vanta™ Mシリーズを組み込めるようになりました。Vantaシリーズは、鉱業で広く使用されている最先端のポータブルXRF(pXRF)装置シリーズです。過酷な条件でも優れた信頼性と再現性を発揮することで知られるVanta pXRF分析計なら、試料が固体か液体かに関係なく、30種を超える元素の痕跡レベルからパーセントレベルまで、ミネラルサイクル全体にわたり正確な化学分析結果が得られます。以下のグラフは、Vanta pXRF分析計を組み込んだCarbon Scoutのデータと、分析ラボの測定結果を比較したものです。
以下のグラフは、各地の採鉱現場および認証標準物質の活性炭に含まれる金(Au)について、Vanta pXRFデータとラボの測定結果を比較したものです。これは、ラボとpXRFの測定結果に優れた相関と正確性があることを示しています。活性炭内の金の吸着傾向をモニタリングするVanta分析計の能力が、選鉱判断とラボ作業に役立つことも示しています。
活性炭に吸着した金のリアルタイムモニタリング
Vanta Mシリーズ分析計が持つスピード、正確さ、精度によって、Carbon Scoutは採鉱現場で各タンクの活性炭に吸着した金の量をリアルタイムでモニタリングできます。現場管理者はライブデータを使用して、各タンクに求められる金吸着量の最大値を超えていないことを確認し、必要に応じて活性炭を移動・除去することができます。さらに、月末の金回路在庫を確認する前に、データから生産実績と目標に到達可能かどうかが明確にわかります。
データを活用して日々の金生産量計算を確認することで、生産チームは鉱石ブレンド、処理量、計画外の操業停止についてより確実に判断できます。
Carbon ScoutとVanta Mシリーズ分析計のハードウェアとソフトウェアが一体化したため、この価値あるデータすべてを金鉱工程管理システムにシームレスに合理化できます。このカスタム統合が実現したのは、当社の自動検査ソリューションチームのおかげです。
鉱業におけるXRFと自動炭素管理の詳細は、Carbon Scoutのページと当社の鉱業と地球化学用ポータブルXRFの資料をご覧ください。