シームレスな校正、スループットの向上、使いやすさの改善
全自動顕微鏡システムを使用するとどんな利点があるのでしょうか? 当然のご質問です。様々な自動化されたオプションをご覧になっていただき、そのご質問にお答えいたしましょう。
まず、全体的、複合的な利点をご説明します。 すべての構成部品を完全に自動化することで、イメージングソフトウェアによる校正がシームレスに行えるようになります。 フォーカス調整や被写体間の移動はソフトウェアが制御してくれるため、倍率を変えても常に合焦した状態が続きます。 また、被写体間のXYシフトも自動的に行います。 これにより、被写体を切り替えても、常に興味の対象が視野の中心に来ます。 ソフトウェアにより、XYの物理的な位置が自動的に移動されるわけです さらに、イメージング・ソフトウェアにより、選択された画像処理方式や対物レンズを考慮に入れた、ピーク性能の値が設定されます。
このように、多くの画像処理手法が自動化されるため、スループットが増大します。システムの設定もソフトウェアが自動的に行ってくれるため、オペレータのスキルも低くて済むと同時に、シンプルなインターフェースですべての作業がカバーできるのです。 このため、オペレータのスキルが異なっていても、画像や測定の再現性が向上します。 技術者レベルのインターフェースを必要とするオペレータにはアクセス権を付与することで高度な機能にアクセスできるように、また経験の浅いオペレータには簡素化されたインターフェースを使用するように設定することも可能です。
全自動顕微鏡では顕微鏡の制御や通信なども改善され、観察法(明視野、暗視野、微分干渉)、対物レンズの選択、照明条件、絞り制御などの顕微鏡機能をより正確に制御できます。 ソフトウェアまたはハンドスイッチで制御されている、強化された機能の数々は、以下のような利点をもたらします。
- 画像の取得時に、どの対物レンズが使用されたかについてソフトウェアが把握しているので、校正の精度が保証されます。
- 観察法をソフトウェアで選択するため、顕微鏡構成の設定が簡素化されます。 これにより、事前に定義されている観察条件に合わせて、すべての顕微器用機能を自動的に設定できます。 例: 暗視野条件では、暗視野ミラータレットをセットし、ランプの輝度を最強に設定し、絞りを開放して、暗視野対物レンズに切り替えるだけではなく、フォーカス調整も行うよう設定します。
- イメージング・ソフトウェア(OLYMPUS Stream™)を使って、取得した画像から顕微鏡の値を読み込むことができます。 これにより、画像を取得したときとまったく同じ構成に顕微鏡を設定することができます。
- 使いやすさも改善され、倍率や観察法を変更するために顕微鏡に手を伸ばす必要がなくなりました。
- 対物レンズや観察法を変更するのに試料の上に手を伸ばす必要がないため、試料の清浄性も向上します。
自動顕微鏡の構成は次のようになります。
全自動顕微鏡フレーム
- 電動XYステージ(Prior、LUDL、Marzhauser)
- 電動Z(フォーカス)
- 電動アドオンフォーカスドライブ(顕微鏡フレームに組み込まれていない場合)
- ステージコントローラ(外部コントロールボックスまたは内部PCカード)
- XY制御(およびフォーカス制御)用ジョイスティック
- 自動画像取得用デジタルカメラ
- 制御ソフトウェア
電動XYステージには以下の利点があります。
- MIA(マルチイメージアラインメント)を実行できます。 大きな視野外画像をスティッチングによって取得できます。
- 戻り検査用にロケーションポイントを設定して保存できます。 これはウェハー、半導体ダイ、回路などの検査ポイントとして頻繁に使用されます。
- 電動制御機能により、すべてのステージ動作やソフトウェアの値をジョイスティックで制御できる、非常に使いやすいデザインとなっています。 試料を移動するのにステージの下や横に手を伸ばす必要はありません。
電動Z(フォーカス)には以下の操作上の利点があります。
- EFI(拡張フォーカス調整)を実行できます。 複数のZフォーカスイメージを取得して、被写界深度全域で合焦したイメージを生成できます。 奥行きや高さのある試料に理想的です。
- フォーカスマップ。 XY方向にスティッチングする場合、この機能によって試料のフォーカスズレを補正し、ソフトウェアが試料の合焦状態を保ちつつ、広い範囲をスティッチできます。
- フォーカス調整を自動化したため、合焦つまみに手を伸ばす必要がなくなり、より使いやすくなりました。 これはソフトウェア制御に任せるか、またはジョイスティックで行うことができます。