当社のDSX1000デジタルマイクロスコープが、デザインの優秀さを表すグローバルシンボルであるiF Design Award 2022を受賞したことをお知らせできて嬉しく思います。このマイクロスコープは、幅広い検査ワークフローに対応する、使いやすいコントロールが認められました。
2019年にリリースされて以来、DSX1000デジタルマイクロスコープは研究開発(R&D)や品質管理(QA)部門のたくさんの解析業務に導入されています。お客様に好評なのは、操作の簡単さ(特にチルト機能)、マクロ-ミクロイメージング(複数の顕微鏡が必要なくなる)、さまざまなサンプルに対応する多用途性です。
このDSX1000システムの設計と検査効率の向上方法について、開発に携わった製品リーダーの細野翔大さんにお話を伺いました。
Q:DSX1000デジタルマイクロスコープの設計コンセプトについて教えてください。
細野:お客様の声に耳を傾け、抱えている問題を分析し、お客様のニーズに合うソリューションを徹底的に研究しました。解析作業のために、お客様は用途に応じて複数の顕微鏡を購入しなければなりませんでした。その結果、使い方の習得に何時間も費やしたり、装置を置くためのスペースを探したりする必要がありました。さらに、ユーザーの経験レベルによって解析時間や結果に違いがありました。これらの課題に対する解決策を製品設計に盛り込みました。
Q:これらの課題に対処するためにどのようにマイクロスコープを設計しましたか?
細野:主な目標は、経験レベルに関係なく誰でも解析作業にシステムを使えるように、簡単な操作を実現することでした。特に3つの領域に注力しました。
1. チルト機能
解析作業では、欠陥を見つけるためにサンプルをあらゆる方向から観察する必要があります。誰でも簡単にチルト観察を実行してサンプルをさまざまな角度から見られるように、直感的な操作が最優先でした。設計に取り入れたハンドルがフレームを傾けるためのものとすぐに分かり、片手でたやすくチルトコントロールできます。
フレームを傾けてさまざまな角度からサンプルを観察
2. スライド式ノーズピース
このシステムは、さまざまなサンプルを観察するために倍率を切り替える必要がある解析用に設計されています。倍率は1つの動作ですぐに切り替えられます。対物レンズをスライド式ノーズピースにスライドするだけです。位置決めのクリック機構を内蔵し、レンズを交換するときに倍率や視野情報も自動的に更新されます。この設計により、観察対象を見失わずに倍率を切り替えられます。
レンズをスライドして瞬時に倍率を切り替え
3. 6つの観察方法に対応するコンパクトなズームヘッド
6つの観察機能を内蔵したDSX1000デジタルマイクロスコープは、各種サンプルの細部や欠陥を表示するために複数の観察方法が必要な解析アプリケーション向けに設計されています。すべての観察方法は電気制御されているため、コンソールのボタンを押すだけで簡単に切り替えられます。
コンソールのボタンを押すだけで観察方法を簡単に切り替え可能
通常の電気制御では、モーターや制御盤などたくさんの部品を取り付ける必要があります。取り付ける部品が増えると、機器のサイズと質量が増えます。重さが増すほど、チルト時にフレームが重くなります。このことは、人間工学的なチルト機能を設計する際の課題でした。ズームヘッドのレイアウトを刷新してコンパクトな設計に作り上げ、フレームのチルトに必要な力を軽減しました。
6つの観察機能が内蔵されたコンパクトなズームヘッド
iF Design Awardについて
1953年にドイツで設立されたiF Design Awardは、世界で最も名誉あるデザイン賞の1つです。iFロゴは優れたデザインに付けられ、消費者とデザイン団体に同様に向けた品質の証です。国際的なデザインの専門家で構成される独立審査団が集まり、対象審査基準に基づいて受賞デザインを決定します。
受賞したデジタルマイクロスコープの詳細
DSX1000デジタルマイクロスコープの受賞デザインの詳細をオンラインでご覧ください。さらに、このシステムで高速かつ正確な不具合解析を実現する方法について、当社のブログDSX1000デジタルマイクロスコープの5つの特長をご覧ください。