油田やガス田の調査・開発において、地質を調査するために泥水検層は欠かせません。泥水検層(坑井検層とも呼ぶ)とは、掘削中に地表に上がってきた岩石片を調べることによって、掘削孔内で見つかった地質学的形成の詳細な記録を作成するプロセスです。
掘削中にさまざまな深さで採取された岩石片を分析すると、泥水検層技師がその領域の油田・ガス田の分布を理解するのに役立ちます。この情報を掘削プロセスに伝え、開発効率を上げます。
岩石片の分析はラボではなく現場で行えば、リアルタイムで掘削方向を最適化できます。地質調査と泥水検層の現場分析に使用できるテクノロジーの1つが、ハンドヘルド蛍光X線(ハンドヘルドXRF(HHXRF)、ポータブルXRF(pXRF)とも言う)です。
簡単に言うと、ハンドヘルドXRF分析では、試料の化学元素に関する定性化および定量化情報が得られます。この分析は地質調査、鉱業、金属産業で広く使用されています。
石油およびガスの探査
技師たちは地質調査と泥水検層にハンドヘルドXRFを使用して、岩石片に含まれる元素に関する情報を得るとともに、元素結合の特徴から岩質を特定します。
岩石の組み合わせを使用すると、洞察に満ちた分析から、岩層(岩石の層)の判別、石油やガスの存在の識別、領域内の層状態の評価が可能になります。
地質調査と泥水検層におけるハンドヘルドXRFとラボ分析
ハンドヘルドXRF分析計は、岩石片とコア試料の分析に関して、精度と使いやすさの両方を備えています。従来のラボ分析と比べると、ハンドヘルドXRFには以下の利点があります。
- リアルタイムの測定結果による現場での分析と検査
- 試料に対する要件が少ない容易な試料調製
- 迅速な化学検査結果により短くなった分析時間
- 面倒で複雑な校正やメンテナンスのない所有コストの低さ
PDC掘削、空気掘削、その他の最新式掘削法が広く適用される岩石片の泥水検層において、採取された岩石片はさらに破砕されています。こういった状況は、分析のために試料を現場から持ち出さなければならない従来の検査方法にとって、大きな困難となります。このような場合にハンドヘルドXRF分析計を使用すると、現場ですぐに信頼性の高い結果が得られ、複雑な試料調製の必要もありません。
油田・ガス田の調査:ケーススタディ
以前、当社の技術者が中国の陝西省と甘粛省の境界域に拠点を置くお客様を訪ね、Vanta™ ハンドヘルドXRF分析計(VCAモデル)を使用して試料を分析・検査しました。泥岩、砂岩、岩漿岩、変成岩など、さまざまな岩質の岩石片試料を検査しました。検査では、岩石片試料に含まれるアルミニウム(Al)、シリコン(Si)、鉄(Fe)、カルシウム(Ca)といった微量元素が分析されました。
岩石片試料の分析および検査プロセス
岩石片試料のハンドヘルドXRF分析
VantaハンドヘルドXRF分析とラボ分析により測定されたAl、Si、Fe、Ca含有量の比較
地質調査と泥水検層のポータブル分析ツール
地質調査と泥水検層において、当社のVantaハンドヘルドXRF分析計にはいくつかの利点があります。
- Vantaシリーズ分析計ではAxon™テクノロジーが採用されているため、どの分析計も高スループット、低分解能、低い検出限界(LOD)、結果の優れた再現性を実現
- 各分析計は現場の条件に合わせて設計されているため、IP55またはIP54定格の防塵防水性能と、軍用規格(MIL-STD-810G)の落下試験で求められる耐久性を備え、-10 °C~50 °C(14 °F~122 °F)の広い温度範囲内で動作
- 簡単なトレーニングで操作可能
地質調査、泥水検層、その他の現場用途におけるポータブルXRFの詳細については、当社にお問い合わせください。
関連コンテンツ
鉱物探査・掘削用ハンドヘルド蛍光X線分析計:リバースサーキュレーション/回転式エアーブラストとダイヤモンドコア
地質調査向けの堅実なポータブル蛍光X線分析プログラムの計画:開始に向けた9つの無料ビデオチュートリアル
水銀汚染された石油・ガス資産の解析向けポータブル蛍光X線分析計
お問い合わせ