オリンパスのアプリケーションエンジニアリングチームは、当社製品に対するお客様固有の用途や興味深い用途の開発およびトラブルシューティングに従事しています。 今回から始まるブログシリーズでは、チームのメンバーをご紹介します。一人目はディロン・マクドウェル氏です。 ディロンは、元素組成測定の非破壊手法である蛍光X線分析(XRF)を専門とする、アプリケーションサイエンティストです。
Q:オリンパスでのアプリケーションサイエンティストの役割は何ですか?
ディロン:アプリケーションサイエンティストの役割は、日によって異なります。 ある日はお客様の新しいアプリケーションのトラブルシューティングを行い、次の日は新しい装置の機能テストを実施し、その次の日は製造チームが校正プロセスの更新を新たにリリースするのを手伝います。 毎日新しい課題が舞い込んでくるので、退屈なことはまずありません。
こちらのビデオで、ディロンがVanta™ XRF分析計での新規ユーザープロファイルの作成方法を説明する様子をご覧ください。
Q:これまでの経歴と、XRFの仕事に落ち着いた経緯をご教唆ください?
ディロン:私はノースイースタン大学で物理学の理学士と機械工学の理学修士を取得しています。 オリンパスの前には、Nanomagnetism Research Groupでリサーチアシスタントを務めていました。窒化ガリウムナノワイヤなどの各種ナノ材料を対象として、磁気的・光学的特性を研究しました。 研究の大半は、材料の特性解析に集中し、XRFやX線回析(XRD)など数種類の分光法を使用しました。
ノースイースタン大で物理学を学んでいたとき、運よく共同研究プログラムに参加し、さまざまな民間企業や研究グループの活動を実体験できました。 材料測定や特性解析の最新テクノロジーを使う作業が最高に面白いとわかり、この分野に進むことにしました。
Q:オリンパスではどのプロジェクトに関わっていますか?
ディロン:数社の作業工程にXRFを導入するお手伝いをしてきました。多くの場合、お客様固有のニーズと材料に応じて、カスタム校正を開発しています。 オリンパスの社内プロジェクトにも加わって、工場出荷時校正の改善など、既存の様式や方法を改良しています。
Q:XRFテクノロジーについてほとんど知られていない面白い事実は何ですか?
ディロン:XRF装置に使用する検出器は零下まで冷却する必要がありますが、当社のハンドヘルドシステムも例外ではありません。 旧式のラボベースシステムでは、大型の液体窒素システムを使用してこれを行っていましたが、当社のハンドヘルド装置では、低電力の内蔵熱電冷却器が同じ機能を果たしています。 過酷な屋外環境でも、冷却液を使用せずに検出器を零下に保つことができるのです。
Q:お気に入りの特殊用途はありますか?
ディロン:物理オタクの私だからお話するのかもしれませんが、エンドユーザーさんが、実験的な核融合炉のラインに使用している断熱タイルの金属付着物をモニタリングすることを望んだケースがありました。 運転中にさまざまな金属がタイルに付着し、原子炉内に高温プラズマを封じ込めるための磁場に悪影響を与える可能性があります。 そのため、ポータブルXRFを使用して、タイルを定期的にモニタリングし、交換が必要になるほど金属量が多くなるタイミングを確認することを要望されたのです。 とても魅力的な仕事でした。
Q:仕事のどういうところが好きですか?
ディロン:いろいろな産業についてたくさんのことを学びました。 お客様のニーズにぴったりのXRFTにするため、それまで知らなかった産業について調査・学習して、それぞれのお客様が直面している課題を学ぶようになりました。 どれだけ多様な企業が仕事をしているか多くの視点が得られ、普段当たり前に思っているさまざまな製品を生み出している労力に感謝するようになりました。
お休みの日は何をして過ごしていますか?
ディロン:小さい頃アウトドアの遊びをよくしたので、時間があれば旅行やキャンプやハイキングをしています。 それにゲームをするのが大好きなんです。ボードゲーム、カードゲーム、ビデオゲームといったあらゆる種類のね。ありがたいことに、家族や友人も喜んで付き合ってくれます。 私と婚約者は料理とお菓子作りも大好きですよ。 (彼女の方が断然上手ですけどね)
Q:XRFユーザーに何か使用上のヒントはありますか?
ディロン:ユーザーの皆さんにお伝えできるアドバイスは、検査計画を作ることです。目標を理解し、目標を最適に達成する装置と検査方法を計画するのです。 XRFは今までになく使いやすくなっていますが、スイッチを入れる前に正しい検査計画を用いないと、失敗する可能性があります。 測定結果の品質は、検査方法の品質に正比例します。