ある構成部品や組み立て部品の製造メーカーが、SS304ステンレス鋼管を供給業者に注文しました。 そのチューブを1800個に切断して機械加工し、大きな部品組み立て品に溶接しました。 その後まもなく、管理者が非破壊検査(NDT)時に溶接部の亀裂を検出したことを明らかにしました。 現行の製造について、原因が判明するまで品質管理上の一時停止が速やかに指示されました。 調査では、溶接ガス、溶接ワイヤ、溶接機の設定が、標準作業手順書(SOP)に照らしてチェックされました。 しかし、その後の溶接部検査でもなお亀裂が見られました。 次の手順として、QCマネージャーが原材料の仕入れ鋼管の材料証明書をチェックすることを提案しました。 当然ながら、証明書には鋼管が注文通りSS304であることが明示されていました。 システム内のその他のチェックでも、解決策は見つかりませんでした。
QCマネージャーは悩みました。 何か見落としはなかったのか。 結局のところ、鋼管がSS304であるということは検証されていませんでした。 材料受入れ時に蛍光X線分析などの手法で検査していれば、受け取った材料が実際にはSS303だということがわかったはずです。これは硫黄の含有量が明らかに異なる品種であり、機械加工しやすいものの溶接時に高温割れしやすい性質があります。 鋼管の受け入れ時に、材料証明書と一致することを確認していれば、このような事態は防げたでしょう。 それを怠ったがために、この製造メーカーは貴重な時間を原因究明に割くはめになり、製造途中の使えない材料を抱えたままになっています。 とはいえ、出荷前に問題を見つけられたのは幸運でした。 構成部品の使用中に不具合が起きていたら、問題はさらに深刻になっていたことでしょう。
もしこの製造メーカーが受け入れ材料の100%検証プログラムを採用していたら、誤った材料を加工するリスクは事実上なくなっていました。 製造工程中に誤った材料が見つかるのはなぜでしょうか。 材料の輸送時には常に混同のリスクがあります。工場内、仕入れ業者やサービスセンター内、加工業者の倉庫内、その他あらゆる加工工程中のどこでも可能性があります。 材料証明書の誤り、マーキングの誤り、不十分なトレーサビリティーがリスクを高めます。 正しく、間違のない材料検証をすべての段階で行うことが重要です。 一般的な検証ツールの1つが蛍光X線分析計です。 オリンパスのVanta分析計は、製造工程のあらゆる段階で材料が何であるかを検証できます。 迅速さと耐久性を兼ね備えたVanta分析計は、数秒で正確な合金判定を表示する一方で、産業環境下での連続使用に耐えられます。 オプションのワイヤレス機能を使用すれば、機器をOlympus Scientific Cloudに接続できます。 | Vanta分析計は正しい答えを得るのに役立ちます。 |