風力エネルギー産業向けの超音波探傷(UT)ソリューションの性能を最適にするために、風力タービンブレード検査の課題に対処する特殊なプローブ、ウェッジ、およびスキャナーが、当社の専門スタッフにより開発されました。
風力ブレードの場合、検査対象が時間のかかるサイズであることに加えて、材料の音響減衰が高いという問題もあります。例えば、厚い複合材(ガラス繊維または炭素繊維強化材料)やエポキシ系接着剤といった材料です。
当社はこれらの問題に対するソリューションを刷新し、信頼性と性能の高い風力ブレード向けフェーズドアレイ(PA)検査および従来型UT検査に関して、幅広い機器オプションを風力ブレードメーカーやエネルギーサービス企業向けに提供しています。
RollerFORM™ XLスキャナーで検査範囲を拡大
当社の風力ブレード向けPA検査ソリューションに最も新しく加わったのは、RollerFORM XLスキャナーです。 標準型RollerFORMスキャナーの人気機能をすべて備えながら、ホイールの幅が広く、PAプローブの振動素子数が倍になっています。
RollerFORM XLプローブには、128素子が1 mm(0.04インチ)の ピッチで並んでいます。 素子の超音波ビームを多重化することで、128 mm(5インチ)という 広いビーム範囲を実現します。 標準型RollerFORMスキャナーの2.5倍広いビーム範囲によって、大型部品のスキャン時にスキャナーを動かす回数を減らせます。
風力ブレード検査を容易にする専用設計
音響減衰が高く特大サイズの試験体を高速スキャンできるように設計されたRollerFORM XLスキャナーは、さまざまな方法で風力ブレード検査を容易にします。
- ポロシティの定量化、層間剥離のサイズ測定、接着剥離のモニタリングを実施する際の欠陥検出率(POD)とデータ解釈を向上
広い検査範囲とOmniScan™ X3探傷器に表示される複数ビューを組み合わせることによって、試験体の状態を完全に理解できるようになります。 - 厚さ2~40 mm(0.08~1.6インチ)の複合材の欠陥と層間剥離を 検出
13 mm(0.51インチ)と大きなエレベーションを持つ低周波数(1 MHz)プローブによって、 スパーキャップやせん断ウェブ接合に使用されるガラス繊維強化複合材やエポキシ樹脂など、厚みのある減衰材料に対するビーム浸透が向上します。 - 2Dマッピングが容易
試験体の2Dマッピングを実施する際に、一体型エンコーダーとハンドル上の便利なボタンによって、OmniScan X3探傷器でのデータ収集の開始とスキャナー位置のインデックスをリモートで行えます。 - カプラント供給システムが不要
画期的なタイヤ材料のおかげで、音響インピーダンスが内部の液体の音響インピーダンスと一致するため、試験体内を通る音響エネルギーが最適になります。 タイヤ材が透明なので、バブルトラップを使用した気泡の除去も簡単です。 - 生産性と快適さが向上
握りやすいハンドル、ボタンとレーザーガイドによる配置、滑らかな回転動作など、人間工学に配慮した使いやすいスキャナー設計になっています。 オペレーターはより長く高速で作業できます。 - セットアップ、持ち運び、保管が簡単
プローブ、遅延材、エンコーダーが一体化したRollerFORM XLスキャナーは、コンパクトに設計されたPAスキャンソリューションなので、必要な場所ですぐに使用できます。 バッテリー駆動式のOmniScan X3探傷器と組み合わせれば、持ち運びできる強力な超音波フェーズドアレイ検査(PAUT)ソリューションになります。
デモのお申し込み
ここに挙げた特長に興味を持たれたら、次はRollerFORM XLスキャナーを実際にご覧ください。 お近くのOlympus販売代理店にご連絡いただければ、スキャナーの使いやすさと効率性を体験できるデモンストレーションの機会をセッティングいたします。
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