オリンパスのDamien Blondel氏は先日、International WEEE and Battery Recycling Virtual Conferenceに参加しました。電子機器と電池のリサイクル業界におけるトレンド、洞察、ベストプラクティスについて議論するために、世界中から業界の専門家が集うイベントです。
Damienは、電子機器と電池のリサイクルにおいて、ポータブル蛍光X線分析(pXRF)が広範な材料の化学組成をその場で素早く簡単に取得する強力な手法である理由について論じました。 プレゼンテーションを見逃した方や要約が必要な方のために、この記事では内容のハイライトと知識をシェアしていきます。
電子機器と電池の金属リサイクルにポータブルXRFを使用する利点
ポータブルXRFは、電気・電子機器廃棄物(WEEE)および電池のリサイクルに多用途に使用できるツールで、以下のような用途があります。
- 電池用金属の判定と定量化
- RoHS規制に準拠した検査
- 電子機器に含まれる貴金属の検査
電池用金属リサイクルにおけるXRFの各用途について見ていきましょう。
電池用金属の判定と定量化
pXRF分析計では、主な電池商品における以下の元素濃度が提供されます。
- コバルト(Co)
- ニッケル(Ni)
- マンガン(Mn)
- 銅(Cu)
- アルミニウム(Al)
- レアアース元素(REE)
当社のVanta™ハンドヘルドXRF分析計をはじめとするpXRF装置は、ラボ検査数を減らせるほか、抽出、製錬、精錬プロセスの最適化に役立ちます。 pXRF分析計ではリチウム(Li)を測定できませんが、当社のBTX™ IIIやTERRA™ IIなどのポータブルX線回析(pXRD)装置は、pXRFを補完してリチウムを分析できるほか、電池用金属のリサイクルや探査で必要なその他の主要な材料も測定可能です。
RoHS検査:有毒金属のスクリーニング
pXRF分析計は、電子機器など多くの消費者向け製品に含まれる有毒金属をスクリーニングすることもでき、RoHS規制への準拠に対応します。
VantaハンドヘルドXRF分析計による有毒金属のスクリーニング
例えば、Vanta分析計では以下のスクリーニングが可能です。
- 鉛(Pb)
- カドミウム(Cd)
- ヒ素(As)
- 水銀(Hg)
- クロム(Cr)
- その他の有毒金属
ポータブルXRF分析計は、合理的なテストプログラム(RTP)、つまり製品に適用される規制に準拠するように開発する公式テストプランの実施に最適なツールです。 RTPは、以下に対する要件を満たすのに役立ちます。
- 鉛フリーの基板、ケーブル、コネクター、プリント基板、金属素子、はんだ
- RoHS規制準拠
Vanta分析計はRoHSの合否結果を表示するように設定できます
電子機器に含まれる貴金属の検査
さらに、pXRF分析計は回路基板、コネクター、ケーブルの材料に含まれる貴金属や価値の高い金属を測定できます。 これには以下の金属が含まれます。
- 金(Au)
- プラチナ(Pt)
- パラジウム(Pd)
- 銀(Ag)
- 銅(Cu)
Vanta分析計を使用した貴金属検査
Vanta分析計は、貴金属の精錬プロセスの最適化と、ラボ検査数の削減に役立ちます。 例えば、下の図に示すように、金の分析結果が分析計上ですぐに確認できます。
金めっきの可能性がある場合はVanta分析計にアラートが示されます
VantaハンドヘルドXRF分析計は14カラットの金を迅速かつ効率的に判定します
VantaハンドヘルドXRF分析計が電池用金属リサイクルに最適な理由
総じて、VantaハンドヘルドXRF分析計は、電子機器や電池のリサイクルにおいて幅広い用途で使用できます。例えば、RoHSなどの規制の適用、貴金属検査、電池用鉱物検査があります。
迅速な化学組成結果の表示に加えて、Vanta分析計の設計は以下の点で電池用金属に最適なツールになっています。
- 所有コストの低さ:過酷な環境下での検査に耐えられるよう堅牢に作られています。 また、メンテナンスが最小限で済むので、アップタイムを最大化できます。
- ユーザーの生産性を向上させる設計:最新の接続性とデータ転送機能によって、検査結果のレポートプロセスが容易です。
- 正確な化学組成分析:オリンパス独自のAxon Technology™処理によって、元素の検出限界(LOD)が低く、信頼性の高い結果を得るために繰り返し検査を行えます。
VantaハンドヘルドXRFの詳細ページで、生産性の向上と投資の早期回収をどのように実現できるかについてご覧ください。
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