点光源を観察すると、無収差光学系では結像位置で光束が1点に集中(集光)するのに対して、収差のある光学系では光束が集光せず、広がりが生じます。
この時の点像の様子(点像強度分布)を図1に示します。
図1:像面での集光の様子(点像強度分布)
無収差光学系の像面での集光割合(エアリーディスク内に集まる光の強度)を100%とした時の、収差のある光学系での集光割合の比率を「ストレールレシオ(ストレール比:Strehl Ratio)」といいます。グラフにすると図2のようになりSR値が高い光学系のほうが、無収差の光学系に近いものになります。
図2:ストレールレシオ(ストレール比)
一般にストレールレシオの80%が回折限界と呼ばれ、これ以下では対物レンズとして満足できる性能を有しているとは言えません。95%を超えると通常観察において無収差レンズと遜色ない性能を有すると言えます。
注:実際の光学性能評価はレーザー干渉計を使用するため、単波長での評価となります。
弊社では特に記載がない場合、ストレールレシオの測定値はe-line(544nm)での値となります。