個別の発信振動子と受信振動子が組み込まれている二振動子型探触子は通常、腐食検査や鋳造品内のポロシティ検出、粗い表面や高温環境での検査に使用します。 二振動子型探触子の一般的な校正手順は、セクション4.2で説明した直接接触型探触子の2ステップ校正と基本的には同じですが、以下の点に注意が必要です。
1. 二振動子型探触子で作業するときは、探傷器のパルサーを「Dual(二振動子)」モードに設定します。
2. 厚さ測定に二振動子型探触子を使用する場合は、底面エコーの前縁が画面の縦方向の線の近くに表示されるよう、通常はゲインを非常に高く設定します。 二振動子型探触子によりマルチサイクルエコーが生成されるからです。 ゲートは、エコーピークではなく前縁を読み取るように設定する必要があります。
ピーク測定(信頼性が低い可能性がある)。 | 前縁測定(推奨)。 |
3. 二振動子型の特性はV字形のビーム路程であり、標準的な探傷器にはV‑パス補正ソフトウェアが付属していないため、薄い材料の厚さ測定では直線性がみられない場合があります。 特定の設定でこの現象が発生する度合いは、さまざまな厚さの標準試験片を確認することで判断できます。
4. 二振動子型探触子のゼロ補正値は、探触子が高温になるにつれて増加します。 試験体の温度が校正温度を大幅に上回る場合、より高い作業温度でゼロ点校正を再度行う必要があります。