航空宇宙産業では、翼パネルやレドームなど、多くの構造部品がガラス繊維と先進複合材料で作られており、厚さを正確にコントロールする必要があります。 複合材料の多くは、従来の材料よりも頑丈かつ軽量です。 典型的な先進複合材料は、カーボンファイバー(グラファイトファイバー)とエポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、またはポリイミド樹脂を組み合わせて作られます。
航空宇宙産業の検査では、厚さ計を使用することで、翼、胴体、ダクト、パネル、ファンブレードなどの部品の厚さをその場で部品を破壊することなく検査できます。 超音波による厚さ計測を製造中または取り付け後に行うことで、肉厚が適切であることを確認できます。
注:複合材料には、異方性の程度が異なり、音速がばらつく特性があります。 検査対象の複合材料を入念に調べて、音速が十分に均一で、必要な測定精度が得られることを確認してください。
機器
航空宇宙産業の検査担当者は、超音波厚さ計またはMagna-Mike™ホール効果厚さ計を使用することで、複合材料の厚さを測定できます。
航空宇宙用途で使用される複合材料の厚さは、ほとんどが1.25~20 mm(0.050~0.750インチ)であり、一般的には38DL PLUS™または45MG(一振動子ソフトウェアを搭載)のハンドヘルド超音波厚さ計と探触子(通常はM106、2.25 MHzの接触型探触子)を使用して測定できます。 散乱の大きな複合材料や、約20 mm(0.750インチ)より厚い複合材料の場合は、HP(高浸透性)ソフトウェアオプションと低周波探触子を備えた厚さ計が必要になることがあります。 測定が困難なケースでは、作業者がその場で設定パラメーターを調整できるように、波形表示による監視が推奨されます。 3 mm(0.125インチ)より薄い複合材料の肉厚を測定する場合は、M202などの遅延材付き探触子も推奨されることがあります。
72DL PLUS™超音波厚さ計も、複合材料の厚さ測定に便利なツールの1つです。 大きなタッチスクリーン、高速測定、接続オプションの多さが特徴です。 72DL PLUSの高周波モデルは最大125 MHzの探触子に対応しており、航空宇宙産業で使用される複合材料のコーティングを測定する際に最適です。
製造環境と同様に、試験片の両面にアクセスしてプローブとターゲットボールをセットできる場合は、Magna-Mike 8600ホール効果厚さ計を使用することもできます。 Magna-Mike厚さ計には、測定の際にカプラントが不要で、音速のばらつきに影響されないという利点があります。 適切なプローブとターゲットを使用すれば、最大25.4 mm(1.00インチ)まで測定できます。