デジタルマイクロスコープによる多彩な観察方法
プリント基板
1. アプリケーション
電子デバイスの小型化に伴い、プリント基板上のスルーホールの密度も増え、縮小化技術が向上しています。同時にそのスルーホールの品質が重要視されています。基板に微細なスルーホールを開けた際に、加工で融けた樹脂(スミア)が残る場合があり、このスミアが残った状態でメッキしてしまうと内層銅箔と導通せず断線と同じ状態になってしまいます。このため、メッキ前にスミアの有無の確認を行うことが求められています。また、メッキ後でもホールの中に異物が付着していると、そこで電気抵抗に変化が生じショートを起こす可能性もあるため、ホール内の異物の有無を確認することも重要です。
2. オリンパスのソリューション
スルーホールの内壁の異物は様々な高さ位置に付着しているため、上下にピントを動かして観察する必要があります。オリンパスのオプトデジタルマイクロスコープDSXの拡張焦点機能は、高画質な光学顕微鏡の見えを保ちつつ高さ方向に焦点移動することで、全面にフォーカスの合った画像を自動合成できるので、ホール内の異物の有無を明確に確認できます。明視野、暗視野、ミックス(明視野+暗視野)、微分干渉、偏光の多彩な観察方法を搭載しており、メニューから試料の観察にもっとも適した観察法がワンクリックで簡単に切り替えられ、従来の顕微鏡では欠かせなかった複雑な設定や調整は不要です。また、スルーホールの内壁の様子は落射照明だけでは暗くて見づらいですが、透過照明をつけることで格段に異物の確認がしやすくなり、落射と透過照明を併用することで基板表面とホール内壁の様子が同時に観察できます。
画像
(1) 目的に合わせた様々な観察方法
明視野 | ミックス(明視野+暗視野) | 微分干渉 |
(2) 透過照明を併用したスミア観察