1. アプリケーション
ブレーキキャリパーはブレーキピストンを内蔵し、ブレーキローターに押し付ける役割を果たします(図1)。ピストンの動きがブレーキの正確な動作を実現します。このためブレーキキャリパー内部は完全なクリーン度が保たれており、ディスクブレーキの磨耗によって発生するコンタミが入り込むことを防ぐために、ピストン部は完全に密封されています。製造工程においても加工による切粉などが残留しないように、洗浄は非常に重要なプロセスの一つです。
図1.ブレーキキャリパー
この洗浄度の評価の一つとして、粒子個数を評価することが求められています。洗浄後の部品から超音波洗浄などで汚染物を抽出し、この抽出液をメンブレンフィルターと呼ばれるフィルターでろ過した後、顕微鏡とデジタルカメラで観察しながら、画像処理で抽出された粒子の個数を管理します。この管理方法はISOやDINでも規定されています。
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図2.粒子抽出プロセス
2. オリンパスによるソリューション
オリンパスのコンタミネーション解析システムCIX100は、顕微鏡と電動XYステージ、デジタルカメラ、ソフトウェアの組み合わせにより、メンブレンフィルター全面を自動でスキャンします。その後、ISOで決められた方法に則り、高速かつ正確に粒子のカウントを行うことが可能です。また、偏光顕微鏡観察方法を使用することによって、金属異物とそれ以外の異物を切り分けて管理することもできます。測定後は、簡単にMSワードベースのレポートを作成することができます(図3,4)。
図3.顕微鏡による異物判別画像処理 | 図4.レポート |