アプリケーション
自動車の内燃機関であるガソリンエンジンとディーゼルエンジンには燃料はフューエルインジェクターから注入されます。ポンプによって燃料が高圧でフューエルインジェクターへ送られ、ECUから信号がフューエルインジェクターへ送信されます。そしてその信号をもとにインジェクター内のニードル上下動機構が、インジェクター内でノズル孔と呼ばれる燃料噴射口をふさいでいるニードルを上方向に移動させて、適量な燃料が注入される時間だけノズル孔を開放し燃料を燃焼室に噴射します。
フューエルインジェクターは一般に直径2cm程度の細管の中にニードルとニードルを電気信号で上下させる機構が内蔵されている非常に精密な構造をしています。さらに先端には数10um~100um強の口径の微小なノズル孔が複数開いていて、燃料噴射の際には、エンジン燃焼室に燃料を均一に噴射できるようになっています。もし、このノズル孔に異物が詰まると噴射される燃料の量が均一でなくなり、エンジンが不完全燃焼を起こす可能性があります。また、フューエルインジェクター内のニードル上下機構が金属異物により破損する危険性もあります。このため、フューエルインジェクター製造工程において加工による切粉などが残留しないように、洗浄は非常に重要なプロセスの一つです。
図:ディーゼルインジェクター
この洗浄度の評価の一つとして、顕微鏡で捉えた微小異物を粒子としてカウントし、クラス分類の結果を基に分析する「顕微鏡法」の必要性が高まっています。この手法はすでに各種の工業規格で、検査条件やクラス分類の方法が明示されており、検出粒子の数等によって工程管理が行えます。
オリンパスのソリューション
オリンパスコンタミネーション解析システムCIX100による解析。
商品の特徴
①光学性能で最も重要な収差のバラつきの少ないオリンパスUIS2対物レンズを採用しています。したがって、微小な金属コンタミネーションでも確実に画像取得することができます。
②オリンパス独自の光学技術により、1度のスキャニングで金属・非金属の粒子を検出します。従来の装置では2回のスキャニングが必要でした。CIX100は素早いスピードで検査結果をご提供することができます。
③CIX100は専用のハードウェアとソフトウェアを統合した一体型のシステムです。したがって、個々の機体によるデータの差がなく、高い再現性で安定した検査結果をご提供いたします。
④コンタミネーション検査を規定した工業規格に沿った検査結果をレポート出力することができます。また、お客様独自の規格も設定することが可能です。さらに、過去に検査したデータの検索も簡単に行う事ができるので、自社製品納入先からの検査データの要請にも素早く回答することができます。
コンタミネーション解析事例