正極 (右) 負極(左)
アプリケーション
リチウムイオン電池は正極と負極の間をリチウムイオンが移動する事で放電や充電が行われます。従来はパソコン、携帯端末、デジカメなどに主に使われていましたが、現在電気容量の大きなタイプが、EV駆動用として需要が急速に伸びています。
電極の製造工程の概要は以下のとおりです。
- 集電体と呼ばれる金属箔シートにスラリ状の電極材を塗布する。
- 電極材が乾燥した後、シートをプレスする。
- スリッター、カッターでシートを規定の大きさに切断する。
切断されたシート上の電極材は、セパレーターとの密着性を確保するために適切な表面粗さが必要です。そのために粗さ測定装置を使用した表面粗さ測定が必要となります。
現在、さまざまな方式の表面粗さ測定装置が存在しています。しかし、電極の粗さ測定に関しては、正確なデータを取得できる測定装置は限定されると考えられます。
接触式粗さ計はタッチプローブで電極表面をキズつける危険性があり、干渉計では黒色の電極が光を吸収してしまい、計測できない危険性があります。
オリンパスのソリューション
3D測定レーザー顕微鏡LEXTによる測定
- レーザー顕微鏡専用の光学系を採用しており、視野中心のみならず周辺部まで正確なデータを取得することができます。
- 非接触での粗さ測定なので、電極にキズをつける事がありません。そのため、キズによるデータの誤差の発生の危険性がありません。
- 電極材のように黒色で、光の反射率が非常に低いサンプルでも微量な反射光をとらえてデータを取得することができます。
- 各種データを平面方向に貼り合わせることができ、広い範囲で面粗さデータが取得できます。
画像
正極の粗さ測定例
負極の粗さ測定例
オリンパスLEXTは粗さ測定において、ただ粗さデータを表示するだけでなく、レーザー顕微鏡による3D画像や高さ情報を擬似カラーで表示した画像、光学顕微鏡によるリアルカラー画像も同時に表示することができます。これにより検査者は粗さ数値の確認と同時にその数値は電極表面のどのような状態を示すデータなのか、画像も観察することによって、実際の電極の質感も認識することができます。