医療用チューブ外観
アプリケーション
医療用チューブは、輸液セットや輸血セット、人の血液や体液を搬送する医療機器など幅広く医療の場面で使用されています。
医療用チューブは人体に直接入る、または出る液体が流動する回路となるため、その品質には非常に高いレベルが要求されます。品質管理項目は物理的、または化学的に多くの項目がありますが、その中に非粘着性と気泡の付着の低減、透明性の確保という項目が存在します。薬品や血液がチューブ内壁に残留しない非粘着性を確保するためにはチューブ内壁はできるだけ滑らかである必要があります。また、気泡がチューブ内で発生することを防ぐにはあるレベルの粗さがあると有効ですが、それはチューブの透明性を損なわないレベルでなくてはなりません。
これらチューブへの品質要求を満足させるためにはチューブ内壁に適正な粗さを形成する必要があります。
そして、形成した粗さレベルが設計値通りかを実際に測定して定量化することが品質管理上重要となります。しかし、医療用チューブは内側に特殊なコーティングを施しているタイプや内径が小さいタイプもあり、これらの特徴は粗さ測定には技術的なハードルとなります。
オリンパスのソリューション
オリンパス3D測定レーザー顕微鏡による粗さ測定
商品の特徴
- レーザースキャニング方式による非接触での粗さ測定のため、特殊なコーティングを施して傷がつきやすいチューブでも傷をつけることがありません。したがって、傷により粗さデータが不正確になることがありません。
- 曲面の曲がり具合が大きくて、従来測定が困難だった内径の小さいチューブの内壁の粗さも、当社のレーザー顕微鏡専用長作動距離対物レンズを使用することにより、曲面を捉えて測定が可能となりました。
- 面で粗さを測定しますので、チューブの内壁に特異的なピークが存在していた場合、それを見逃すことなく形状データを取得することができます。
- 3Dデータを平面方向に貼り合わせることができる機能により、広い範囲にわたって粗さデータを取得することができます。
- 粗さを数値データとして取得するだけでなく、カラー画像、レーザー画像、高さ画像という3種類の画像データも取得し表示しますので、測定者は数値データを画像としての質感を確認することができます。
画像
医療用チューブ内壁粗さ測定例