ブレーキパッドの表面検査事例
自動車の基本機能は「走る」「曲がる」「止まる」の3つだといわれています。そのうちの「止まる」機能で一番大きな役割を果たすのがブレーキシステムです。ブレーキシステム内で車輪と一緒に回転するディスクローターをブレーキパッドが挟み込むことで減速し、停止します。ブレーキパッドの表面は、20種類以上の材料を混ぜ合わせたもので形成されており、この配合がブレーキの制動力や耐熱安定性、音、熱の発生などの基本性能に大きく影響します。このためパッドの表面を観察し、材料の混ざり具合など確認を行うことが求められます。観察はさまざまな観察方法が対応可能なデジタルマイクロスコープで行うケースが増えています。観察方法は標準で以下の方法があります。 ①明視野観察(BF)、②暗視野観察(DF)、③微分干渉観察(DIC)、④MIX(明視野/暗視野同時)観察、⑤偏光観察(PO) このなかで材料の配合状態が一番わかりやすい観察方法を選択します。しかし、材料の種類によってはどの観察方法が最適なのかすぐに判断できない場合もあります。従来、デジタルマイクロスコープの機種によっては、全部の観察方法を1つずつチェックする必要がありました。また、観察方法を変更するたびに対物レンズを交換する機種もあり、検査者にとって手間のかかる作業であるうえ、観察位置とフォーカス調整を再度行う必要がありました。 |
デジタルマイクロスコープDSX1000シリーズで解決できること
①観察画像を選択するだけで観察方法が切り替えできるマルチプレビュー機能
DSX1000シリーズはスピーディーかつスムーズな解析業務を可能にする多機能型コンソールを標準で搭載しています。コンソールのボタンのワンプッシュ、またはGUI上でワンクリックするだけで、すべての観察方法がモニター上にサムネイル表示されます。その中から、最適な画像を選択することができ、検査時間の大幅な短縮が期待できます。ブレーキパッドの表面観察においても、解析に一番適した画像を簡単に選択することが出来ます。
②1種類の対物レンズですべての観察方法が可能
DSX1000シリーズは1種類の対物レンズですべての観察方法が実現できるため、観察方向を切り替えるたびに対物レンズを交換する必要がありません。ブレーキパッドを検査する際も、対物レンズを変更することなく各種の観察画像を確認することができるため、検査の効率的につながります。
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従来機の画像はレンズの解像力が低く、材料毎の色調の詳細な違いが判りませんが、DSX1000シリーズであれば材料の配合状態を細かく観察することができます。