オイルサンプルの微粒子検査は、プラント設備の腐食と摩耗の防止に役立ちます。この方法は、オイルとガスのパイプラインの品質管理検査にも使用することができます。オリンパスの自動顕微鏡検査システムCIX100は、物質と液体の品質の信頼性向上のために、他のいかなる方法よりも詳細に、産業規格に従って微粒子のイメージングと測定を行う、使いやすい微粒子検査ワークフローを提供します。
液体サンプルの汚染についての全体像を得るには、自動顕微鏡粒子分析が適切な選択肢です。オリンパスの自動粒子分析システムCIX100(図1)は、サンプルへの異物混入に関して必要な全ての情報を取得するための、迅速かつ詳細な信頼性の高い方法で、これにより、製造とメンテナンスの両面において、より良好な意思決定ができるようになります。CIX100による検査ワークフローは単純で、まず粒子が混入した液体サンプルをフィルター膜でろ過します。次に検査官がフィルター膜を顕微鏡にセットし、自動化されたイメージングと粒子分析を開始します。この顕微鏡は5 μmまでの粒子を検出します。これは、実体顕微鏡システムが検出できる大きさの10分の1です。顕微鏡が搭載している独自の偏光照明により、1回のシングルスキャンで反射粒子と無反射粒子の両方を検出することが可能です。これは、イメージングと分析を、従来の照明よりも著しく速く完了できることを意味します(図2)。次に、直感的に使用できるソフトウェアが、容易で迅速な、カスタマイズされた報告書作成のために、自動的に結果を要約します。顕微鏡に基づく分析が代替技術を上回る大きな利点を提供できる2つのアプリケーション分野が、パイプ製造における品質管理(QC)と、工業プラントで油圧系統と潤滑に使用されているオイルの検査です。 | 図2:オリンパス独自の照明方法は、光のスペクトルの一部を偏光させて反射粒子を検出することで個別に走査する必要をなくし、検査をスピードアップさせます |
メンテナンス:オイル検査
油圧系統、変圧器およびギアボックスの効率的な動作は、オイルに依存しています。しかし、酸化と摩擦はどちらも粒子を形成させることがあり、これにより腐食、効率低下および部品の破損が生じることがあります。オイルサンプルの定期検査は、オイルの交換時期を知ることによって損傷を防止するのに役立ちます(図3)。CIX100を使ってサンプルろ過後のフィルター膜をイメージングすることにより、最も詳細なサンプル情報を確実に取得することができます。CIX100は、オイルの酸化によって形成される、場合によっては透明な混入物(スラッジやワニスなど)を表示します。この検出の信頼性の高さによって、関連する石油産業およびガス産業の規格(ISO4406、ISO4407、DIN51455およびSAE AS4059)に検査が完全に準拠していることが確保されます。さらに、オイルサンプルに対して自動化された閾値設定は、検査が迅速に行われ、実施において大がかりな訓練を行う必要がないことを意味します。
製造:パイプラインQC
要約
顕微鏡は、混入物を定量化するために手作業で粒子を数えていた時代から進歩を遂げています。最新の自動顕微鏡システムは高精度で粒子を特定して測定できるため、検査官はレーザーに基づく粒子計数装置では特定できない、信頼性の高い情報を引き出すことができるようになりました。石油・ガスおよび電力産業では、製造とメンテナンスにオリンパスの自動顕微鏡CIX100を使用して、様々な粒子を検出することができます。ワークフローが簡素で直感的に使えるということは、データ収集、レビューおよび報告書作成を迅速かつ簡単に行えることを意味し、その結果、検査官は検査の速度と効率を維持しつつ精度を最大化できるようになります。