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複合材検査用のBondMaster 600は、ポータブルで使いやすく、操作性、耐久性に優れた小型・軽量の探傷器です。マルチモード・ボンドテスト用のソフトウェアと新たなデジタル回路設計の組み合わせにより、常に高品質な信号を取得することができます。
ユーザーインターフェースは、使いやすいノブ操作やシンプルなメニュー構成、効率的なダイレクトアクセスキーを装備しており、複合材のハニカム部、金属同士の結合部、積層複合材など、あらゆる検査において素早く簡単に探傷作業が行えるように設計されています。BondMaster 600の高性能なユーザーインターフェースと簡易化されたワークフローにより、ユーザーは経験レベルにかかわらず、探傷からデータ保存、レポート作成までスムーズに行うことができます。
BondMaster 600では、輝度、鮮明度、解像度に優れた5.7インチのVGAディスプレイを採用しており、フルスクリーンモードも装備しています。フルスクリーンモードはダイレクトキーにより簡単にオン・オフが可能で、使用しているディスプレイモードや検査モードにかかわらず、いつでもアクセス可能です。
BondMaster 600は、ピッチキャッチRF、ピッチキャッチインパルス、ピッチキャッチスイープ、レゾナンス、メカニカルインピーダンス解析(MIA)を含む、標準的なさまざまな検査法に対応しています。
ポータブル、小型・軽量、堅牢設計人間工学に基づいて設計されたBondMaster 600は、操作性に優れ、各機能へのアクセスが簡単です。またハンドストラップにより、探傷器をしっかりとホールドすることができます。 |
堅牢設計のBondMaster 600は、さまざまな検査環境に対応可能で過酷な検査条件下でも高い性能を発揮します。防塵・防水性能規格P66相当の設計で、装置を落下等の衝撃から守るハイフリクション・バンパーや角度調整が可能なスタンドを装備しています。またバッテリーによる長時間の駆動が可能です。
主な特長
BondMaster 600には、複合材におけるボンドテストの多様なニーズに対応するため2種類のモデルがあります。ベーシックモデルのB600にはピッチキャッチの全ての機能が搭載されており、マルチモードモデルのB600Mには全てのボンドテスト検査機能が搭載されています。ベーシックからマルチモードへ、リモートでアップグレードすることができます。
両モデル共に、既存のオリンパスBondMaster用プローブ(PowerLink機能が搭載されたものも含む)と互換性があります。他メーカーのプローブを接続するためのアダプターケーブルもオプションとして購入することができます。
アプリケーション | 推奨方法 |
複合材ハニカムのスキン材とハニカム部分の剥離 | ピッチキャッチ(RFまたはインパルス) |
テーパー構造または寸法・形状が一定ではない複合材ハニカムのスキン材とハニカム部分の剥離 | ピッチキャッチ(スイープ) |
複合材ハニカムのスキン材とハニカム部分におけるより小さい剥離 | MIA |
複合材ハニカムの修理済みエリアの判定 | MIA |
複合材における層間剥離の検知 | レゾナンス |
金属同士の結合部の検査 | レゾナンス |
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BondMaster 600の最大の利点の一つは、使いやすいユーザーインターフェースです。BondMaster 600の分かりやすいインターフェースは、従来の基本機能に加えて、アプリケーション選択(事前設定)メニュー、全ての設定を直接変更可能な画面、信号をフリーズモードで止めた状態のままで校正する機能など、新しい機能が追加されています。BondMaster 600のユーザーインターフェースは、15カ国語に対応しています。
アプリケーション選択メニューは、事前にデフォルト設定で定義され、短時間で信号校正が可能 | 迅速な編集を可能にするため、「全設定スクリーン表示」では全てのパラメーターを同時に表示可能 |
BondMaster 600はダイレクトアクセスキーを備えているため、ゲイン、フルスクリーンモード、ディスプレイモード(RUN)など、頻繁に使うパラメーターをすぐに調整することができます。信号は8種類の明るく読み取りやすいカラーで表示され、屋内はもとより、明るい屋外や暗い場所でもはっきりと読み取り可能です。
BondMaster 600は、オンボードファイルプレビュー機能を搭載しており、検査工程を始めから終わりまで効率的に進めるために役立ちます。内蔵メモリーは最大500ファイルまで保存可能です。
ワークフローは複数のシンプルなステップによって構成されています。検査中に結果を保存し、保存したファイルをソフトウェアのBondMaster PCビューワーにダウンロードすることができます。また、ファイルをコンピューターに移動後、PDF形式のレポートとしてエクスポートすることができます。
1. 保存 | 2. ダウンロード | 3. レポート |
検査中の信号を記録することができる「保存」キー | USBケーブル経由で検査結果をBondMaster PCビューワーにダウンロード | クリック一つでレポート作成が可能 |
ボンドテストの検査中、ピッチキャッチプローブはたわみ板波と圧縮波を生成し、検査部位を通過する時にプローブの送受信間の信号の振幅と位相の変化を測定し、表裏面の剥離検出を行います。それにより、表面と裏面の両方における剥離を検知します。BondMaster 600は、RF(一定周波数の波形)、インパルス(エンベロップフィルターを使った従来からある波形表示)、またはスイープ(指定した範囲で周波数をスイープさせた波形)の3つのピッチキャッチモードを搭載しています。 BondMaster 600のピッチキャッチメニューは、校正と検査の時に最も頻繁に調整されるパラメーターにすぐにアクセスすることが可能です。リアルタイムで表示される測定値により信号の振幅や位相が瞬時に分かるため、きずなどの欠陥も容易に判別できます。新しいオートゲートモードは、RFまたはインパルス信号に基づいて最適なゲートを自動的に検知するため、人的なエラーを低減し生産性の最大化にも繋がります。 |
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手順書作成のための新しい周波数トラッキングツールBondMaster 600のピッチキャッチスイープモードでは、信号品質の改善だけでなく新しいスペクトル表示も行うことができます。この新しいビューは、振幅と位相を周波数範囲と相対的にリアルタイムで表示します。二つの新しい周波数マーカー(周波数トラッキング)により、二つの特定の周波数を観察してアプリケーションに最適なパラメーターを選択できます。このツールは、新しいアプリケーションや手順書を作成する際に有効です。 |
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金属同士の接着部と積層複合材の検査ボンドテストを行う際、レゾナンスモードは検査対象部位中の伝播波/定在波の振幅と位相の変化を測定します。レゾナンスプローブは狭帯域の接触型探触子であり、探触子のインピーダンスの変化はBondMaster 600のX-Yビューに表示されます。 レゾナンスモードは、層間剥離を検知するシンプルで信頼性のある方法です。多くの場合、層間剥離の深さは信号の位相角の変化から想定できます。BondMaster 600のレゾナンスモードが簡単に操作できる主な理由は、積層複合材と金属同士の剥離の各アプリケーション用に、工場出荷時にパラメーターが事前設定されているためです。 |
| 最適なインターフェースで容易な校正BondMaster 600のレゾナンスモードの校正は、最小限のボタン操作で行えるよう簡易化されています。まず、シングルステップ校正メニューからプローブの最適動作周波数が選択され、次にBondMaster 600の効率的なインターフェースと、信号がフリーズモードで止まった状態で校正可能な機能により、迅速かつシンプルになりました。いったん校正が終了した後、改良された信号基準と基準ドットシステムにより、検査中にディスプレイ上の重要な信号を簡単にトラッキングできるようになります。さらに、柔軟性の高い基準ポイントシステムは、各ポイントを記録することなく校正を微調整することができます。 |
校正メニューは、最適な動作周波数を自動的に選択 | BondMaster 600の改良された基準ドットシステム |
ボンドテストのメカニカルインピーダンス解析(MIA)法は、材料のメカニカルインピーダンス、すなわち弾性を測定します。MIAプローブは、固定の可聴周波数を発し、 材料の弾性の変化はBondMaster 600のX-Yビューにおける信号の振幅と位相の変化として表示されます。 MIAで使用されるプローブの先端部とBondMaster 600の高性能電子部品との組み合わせにより、複合材ハニカムの微小な剥離の検知が他の手法より簡単になりました。さらに、BondMaster 600で拡大されたMIAの周波数範囲(2kHzから50kHz)は、裏面の剥離においても効果を発揮します。 BondMaster 600にはMIA校正ガイド機能が備えられ、複合材ハニカムにおけるより小さい、そして他の手法では見つけにくい欠陥を検知するために、最適な周波数を選択できるよう設定されています。 |
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BondMaster 600は、信号の振幅や位相をリアルタイムで表示し、新しいSCAN ビューにより常時プローブの振幅と位相をモニターできるため、小さな剥離の検知をサポートします。
航空機の方向舵または機体における修理済みエリアを特定することは、特に塗装されている場合には困難です。 例えばサーモグラフィーのような特定の検査法を使うと、修理済みエリアにより結果が不正確になりますが、 MIAモードはこの問題を解決することができます。 修理済みエリアは他の部分よりも硬くなる傾向にあるため、メカニカルインピーダンスでは、修理箇所を問題の無いエリアや剥離箇所と比較することができます。 BondMaster 600のMIA法を使うと、X-YビューのMIA信号を簡単に位相分析することにより、修理済みエリアが特定できます。 |
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外形寸法(W x H x D) | 236 x 167 x 70mm |
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質量 | 1.70kg(リチウムイオン電池を含む) |
規格および法規制 | MIL規格810G、CE、WEEE、FCC(米国)、IC(カナダ)、RoHS(中国)、RCM(オーストラリア、ニュージーランド)、KCC(韓国) |
電源要件 | ACメイン:100V AC〜120V AC、200V AC〜240V AC、50Hz〜60Hz |
入力/出力 | USB2.0(周辺機器用ポート)x1、標準VGAアナログ出力ポートx1、アナログ出力用15ピンI/Oポート(オス)x1、アラーム出力x3 |
使用温度 | –10°C〜50°C |
保管温度 | –10°C〜50°C(バッテリー搭載時)、または-20°C〜+70°C(バッテリー無し) |
防塵・防水性能 | 防塵・防水性能規格IP66相当の設計 |
バッテリー・タイプ | 充電式リチウムイオン・バッテリーx1、または単三アルカリ乾電池x1(電池収容ケース入り) |
バッテリー寿命 | 8〜9時間 |
ディスプレイサイズ(W x H、対角) | 117.4 x 88.7mm、146.3mm |
ディスプレイタイプ | フルVGA(640×480ピクセル)半透過型カラーLCD(液晶ディスプレイ) |
ディスプレイモード | ノーマル/フルスクリーン切替可能、表示色パターン:8種類、スクリーンモード切換え用のRUNキー |
グリッドおよび表示ツール | 5グリッドから選択可能、十字基準線(X−Yビューのみ) |
PCソフトウェア | BondMaster PCソフトウェア(BondMaster 600基本キットに搭載、保存ファイルの表示とレポートの印刷対応) |
メモリー容量 | 500ファイルにユーザーが選択可能なオンボードプレビューを格納 |
対応言語 | 日本語、英語、スペイン語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、中国語、ロシア語、ポルトガル語、ポーランド語、オランダ語、チェコ語、ハンガリー語、スウェーデン語、ノルウェー語 |
アプリケーション | 全モードにおいて素早く簡単に設定をするためのアプリケーション選択メニュー |
リアルタイムの測定値 | リアルタイム測定値として、信号特性リストの中から2種類までの測定値の表示を選択可能(選択されたモードによりリストは異なる) |
対応プローブタイプ | ピッチキャッチ、メカニカルインピーダンス解析(MIA-B600Mのみ)、共振プローブ(B600Mのみ)、探傷器はBondMaster PowerLink およびPowerLinkではないプローブ、また他社のメインプローブやアクセサリーと互換性有り |
プローブコネクター | 11ピンFischer |
ゲイン* | 0dB〜100dB(0.1dBまたは1dB単位) |
回転範囲* | 0°〜359.9°(0.1°または1°単位) |
スキャンビュー* | 0.520秒〜40秒で可変 |
ローパスフィルター* | 6Hz〜300Hz |
プローブドライブ | LOW、MEDIUM、HIGH、ユーザーにより調整可能な設定 |
可変パーシスタンス* | 0.1秒〜10秒 |
可変表示消去* | 0.1秒〜60秒 |
アラームタイプ* | 同時アラームx3、選択肢:ボックス(長方形)、極性(円)、セクター(パイ)、スキャン(時間ベース)、スペクトル(周波数応答) |
基準ドット* | 最高25種のユーザー定義のドットレコーディング |
ピッチキャッチモード | 選択可能なモード選択肢:RF(トーンバースト)、インパルス(エンベロップ)、スイープ(周波数スイープ) |
ピッチキャッチ仕様(全B600モデル):周波数範囲 | 1kHz〜50kHz(RF、インパルス)、または1kHz〜100kHz(スイープ) |
ピッチキャッチ仕様(全B600モデル):ゲイン | 0dB〜70dB、0.1または1dB単位 |
ピッチキャッチ仕様(全B600モデル):ゲート | 10μs〜7920μs、10μs単位で調整可能、新しいAuto Gateモードは最大振幅を自動検知 |
ピッチキャッチ仕様(全B600モデル):周波数トラッキング* | スイープから生成された2つの特定の周波数を監視するための、最大2つまでの調整可能なマーカー |
メカニカルインピーダンス解析(MIA)仕様(B600Mのみ):校正ガイド機能 | 「BAD PART」「GOOD PART」判定に基づき、アプリケーションに最適な周波数を選定するための校正メニュー |
メカニカルインピーダンス解析(MIA)仕様(B600Mのみ):周波数範囲 | 2kHz〜50kHz |
メカニカルインピーダンス解析(MIA)仕様(B600Mのみ):校正ガイド機能 | プローブ応答に基づき、最適な周波数を選定するための校正メニュー |
メカニカルインピーダンス解析(MIA)仕様(B600Mのみ):周波数範囲 | 1kHz〜500kHz |
*より詳細な仕様一覧をご希望の場合は、BondMaster 600のユーザーズマニュアルを当社ウェブサイトよりダウンロードしてご確認ください。
BondMaster 600の構成は以下の通りです。
モデル: ベーシック、マルチモード(M)
電源コード: 11種類以上の電源コードモデル(DCチャージャー用)
キーパッドおよび簡易操作ラベル: 日本語、英語、国際記号(アイコン)、中国語
スタートガイド(印刷マニュアル): 9カ国語以上の言語対応
全てのBondMaster 600モデルに含まれる付属品*: BondMaster 600本体と工場出荷時にインストール済みのハンドストラップ、スタートガイド、校正証明書、ハードケース、DCチャージャーおよび電源コード、リチウムイオン電池、単三電池トレー、USB通信ケーブル、microSDメモリーカードとアダプター、ピッチキャッチおよびMIAプローブケーブル、BondMaster PCソフトウェア、ユーザーズマニュアル収録ディスク
*標準付属品はご使用の国または地域により異なることがあります。詳しくは、お近くのオリンパスまでお問い合わせください。
BondMaster 600Mモデルのみに含まれる付属品:共振プローブケーブル
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