従来の光学顕微鏡は、検査を迅速かつ正確に行うという面で欠点がありました。 オリンパスの高性能デジタルマイクロスコープDSX1000には最新の機能が搭載されており、解析のワークフローの改善に大きく貢献します。
DSX1000デジタルマイクロスコープが高速かつ正確な不具合解析を実現するための5つの特徴を見ていきましょう。
1. オールインワンシステムでワークスペースをコンパクトに
ほとんどの現場ではワークスペースが限られています。 検査者が使うテーブルはさまざまな解析機器や検査装置が設置されており、作業する場所がほとんどないという光景がよく見られます。
不具合解析において、従来の顕微鏡を使用する場合、あたりづけには低倍率の実体顕微鏡、詳細解析には高倍率の顕微鏡の使い分けが必要でした。 2台の顕微鏡を使用している場合は、試料の移動と観察場所の探し直し、また、ピント合わせをやり直す必要があるため、時間がかかるだけでなく、ワークスペースも2倍必要になるという問題がありました。
DSX1000デジタルマイクロスコープは、20倍~7000倍の広範囲の観察倍率を実現しているため、あたりづけと詳細解析が1台完了でき、ワークスペースも大幅に削減できます。 また、対物レンズの交換、設定や調整が簡単にできるため、解析業務スピードが上がるとともに、人間工学に基づいた快適な検査が可能です。
2. 独自の光学技術による高解像度画像の取得
DSX1000デジタルマイクロスコープは、オリンパス独自のUIS2対物レンズの能力を最大限に活用しています。 最大0.95の開口数(NA)を持つ対物レンズにより、高解像度の画像を得ることができます。 また、色収差を極めて高いレベルで補正しているため、試料の細部までありのままの鮮明な画像を提供します。
3. 長作動距離対物レンズにより試料との衝突リスクを低減
電子基板や機械加工部品など、表面の高さが不規則なサンプルを観察・解析しなければならないケースはよくあります。 このようなサンプルを従来の対物レンズで行う場合、試料とレンズの距離が短く、誤ってレンズと衝突する恐れがありました。
衝突した場合、サンプルと対物レンズの両方が損傷して大きな損害が出る可能性があります。 また、衝突によりワークフローのスピードが低減してしまいます。 更に、交換する対物レンズが手元になければ、新しいレンズを入手するまで作業が中断されてしまうことになります。
DSX1000の長作動距離対物レンズでは、レンズとサンプルの間に十分な距離を確保できるため、衝突リスクを最小限に抑えることができます。 これにより、リスクを気にすることなく、作業に集中できるため検査を予定どおり完了することができます。
4. さまざまな観察方法でサンプルを詳細に解析可能
多くの顕微鏡では、観察方法は1つか2つに限定されます。 そのためサンプルの見え方が制限されてしまいます。
DSX1000デジタルマイクロスコープは、6種類の観察方法でさまざまな種類のサンプルを観察することが可能です。 コンソールのボタンを押すことにより、明視野、暗視野、偏光、MIX、偏射、または微分干渉の観察からサンプルに最適な観察条件を選択することができます。
また、ワンクリックで観察方法の変更とレンズ交換が可能なため、検査時間が大幅に短縮されます。
5. 信頼できる保証された測定結果を提供
航空機、自動車、精密機器、医療機器などの製造業では、サンプルを正確に測定、分析して安全性を立証する必要があります。 しかし、ほとんどのデジタルマイクロスコープメーカーは、製品の精度を保証することができません。
その点、DSX1000デジタルマイクロスコープは違います。 オリンパスは、DSX1000デジタルマイクロスコープの「正確さ」と「繰り返し性」を、すべての倍率について保証しています。*
DSX1000デジタルマイクロスコープは、高精度測定機にも搭載されているテレセントリック光学系を採用し、測定結果のばらつきを低減し、安定した測定を実現しています。 また、オリンパスは技術者を派遣して、お客様の作業環境に設置されたマイクロスコープを校正することも可能です。 更に、最良の性能を保証するため、お客様ご自身でも実施可能な使いやすいオートキャリブレーションチェック機能が搭載されています。
お客様は検査結果の精度に自信を持ってワークフローを合理化し、より短い時間で解析業務を行うことができます。
まとめ
DSX1000デジタルマイクロスコープは、使いやすさとさまざまな自動化機能により、初心者でも熟練のオペレーターでもサンプルを素早く正確に検査、解析することが可能です。 また、デジタルマイクロスコープをオリンパスの画像解析ソフトウェア(Stream)と組み合わせることで、解析業務のワークフローの革新と更なる作業効率向上に貢献します。
*XYの精度保証には、当社サービス技術者による校正作業が必要となります。