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洞见博客

ポータブルXRF分析計で効率的なPMI検査を行うための5つの簡単なヒント

作者  -
XRF PMI検査

PMI検査(材料検証)は、金属や合金の化学組成を確認するために行う非破壊検査(NDT)手法です。

一般的なPMI検査方法はポータブル蛍光X線(pXRF)分析です。合金の製造および設置現場で迅速に材料判定を取得できるためです。 pXRF分析計はPMI分析計または合金分析計とよばれたりします。

当社のVanta™ ハンドヘルドXRFなどのpXRF分析計を正しくセットアップすれば、オペレーターは重要な構成材について、情報に基づく迅速な判断を行うために必要な答えを手にすることができます。 効率的なPMI検査のためにVanta分析計を準備する際の5つのヒントをご紹介します。

  1. XRF分析計のウィンドウの状態を確認。

    金属試料を検査する前に、分析計のウィンドウについて簡単な品質チェックを行います。 以下を確認します。

    • 正しいウィンドウが取り付けられていますか? Vanta XRF分析計には、モデルやX線管の種類に応じて異なるウィンドウが付属しています。
    • 傷はありませんか? ウィンドウに傷やき裂の兆候はありませんか? 穴が見える場合は、きれいなウィンドウを取り付けてください。
    • 清潔ですか? ウィンドウが汚れている場合は、アルコールかウェットティッシュで拭いて埃や汚れを取り除いてください。

    XRF分析計のウィンドウ

  2. 合金品種判定の設定を構成。

    合金品種判定の設定は、分析計の画面に表示される合金判定結果を制御します。 品種判定の工場出荷時設定は多用途に使用できますが、特定のアプリケーション用に構成できます。 PMI検査における品種判定の設定では、以下に示す10-2-2方式をお勧めします。

    • Show match No(表示マッチング数値):< 10
    • nSigma:2
    • No of matches(マッチング件数):2

    pXRFを使用した合金品種判定

    PMI検査に推奨される品種判定の設定

    品種判定の設定(10-2-2)によって、品種判定と業界規格のバランスを適切に取りながら、よくある規格外材料の結果を取得することもできます。

    [QuickSort]グレードライブラリーと[Residuals (Tramp)](残留元素(トランプ))ライブラリーを使用していることを確認してください。 [QuickSort]グレードライブラリーには、一般的に流通している合金品種が500種以上含まれているため、品種の区別を最大限にした高速品種判定が可能になります。 品種に関する追加情報を表示するグレードメッセージはオプションです。

    合金品種判定の設定についての詳細は、以下のチュートリアルビデオをご覧ください。

  3. 表示設定を確認。

    [Method Display](表示設定)では、画面に表示する情報を指定できます。

    PMI検査の場合、化学分析結果と不確かさを表示するために[Show chemistry]と[Show uncertainty]を選択します。 検出限界より低い元素を表示するための[Show estimated LOD](LOD予測値の表示)はオプションです。 このオプションを選択すると、測定時に特定の元素が特定のしきい値を超えて検出されない場合の判別に大いに役立ちます。

    [Display nSigma](nSigmaの表示)は、品種判定や分析結果に何も影響しません。 画面に表示させる不確かさの範囲に応じて、1、2、3のいずれかを選択できます。 [Display nSigma]は1か2を選択するのが一般的ですが、Vanta分析計の精度は非常に高いので、どれを選択しても大きな違いはありません。

    pXRFの[Method Display]設定

    PMI検査に推奨される[Method Display]設定

    表示設定についての詳細は、以下のチュートリアルビデオをご覧ください。

  4. 合金分析の測定時間を最適にする。

    効率的なPMI検査のために、必要な合金判定結果の取得にかける測定時間をできるだけ短く設定します。 設定するには、合金分析の高速判定法であるSmartSortを選択します。

    アルミニウムなどの多くの合金には、より長い時間の第2ビーム検査での検出が必要な軽元素(マグネシウムから硫黄)が含まれます。 しかし多くの場合、合金品種の判定に軽元素分析は必要ありません。 SmartSortでは、材料に基づいて測定時間の長さが自動的に調整されるため、ユーザーの生産性とスループットが向上します。 簡単に参照できる例を以下に示します。

    合金分析計の測定時間

    PMI検査に推奨される測定時間

    SmartSortについての詳細は、以下のチュートリアルビデオをご覧ください。

  5. コリメーターがオフになっていることを確認。

    コリメーターは、試料の狭い領域を検査するようにX線ビームの範囲を狭めます。 この機能によって、溶接部など特定領域の化学組成を判定し、周辺材料を判定から除外できます。 最大精度で高速判定を行う必要がないかぎり、コリメーターはオフにします。

    XRFコリメーター

    コリメーターをオフにすると検査領域が拡大

XRF分析計を使用したPMI検査の重要性

合金材料の取り違えは、パイプ、バルブ、溶接部、その他の重要インフラの構成材損傷につながる恐れがあります。 XRF分析計を使用すれば、検査員が重要な場所で正しい合金の使用を迅速に判定できるため、大惨事や計画外のメンテナンス作業を防げます。 VantaハンドヘルドXRF分析計なら合金判定や化学分析結果を数秒で表示でき、品質管理と安全性順守に役立ちます。

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お問い合わせ
分析機器シニアプロダクトマネージャー

Michael Hullは、Evidentの分析機器部門のシニアプロダクトマネージャーです。蛍光X線分析計のユーザーが各々に合うソリューションを見つけられるように日々サポートを行っています。ノートルダム大学で無機化学の博士号を取得し、現在は、X線分析法を活用した構造特性解析、化学組成特定、解析同定に取り組んでいます。Evidentに入社する以前はノースウェスト・ミズーリ州立大学で教鞭をとっており、現在もライス大学とコロラド鉱山大学で客員研究員を務めています。

八月 3, 2021
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