発売以来、PRECiV™ ソフトウェアは製造工程におけるイメージング・測定ソリューションとして急速に信頼を集めています。最新版であるPRECiVバージョン1.2には、QC、研究開発、検査部門における検査のスピードと効率、製品評価、測定ワークフローを改善する、強力な機能が加わっています。
PRECiVイメージングプラットフォームを試すべき9つの理由は以下のとおりです。
1. ガイド付きワークフローにより直感的に操作できるユーザーインターフェース
PRECiVユーザーインターフェースはシンプルで使いやすく、検査プロセスを通して順を追ってガイドしてくれます。最も一般的な材料科学や工業用途のワークフロー向けに設計されており、大きく明確に表記されたボタン操作で、画像取得から規格に準拠した測定、レポート作成、データ共有へと導きます。自動エッジ検出や補助線などの2D計測機能に加え、オプションのAIによる画像解析、事前設定された「マテリアルソリューション」などのツールによって、複雑な作業が効率化されます。
PRECiVソフトウェアの機能にはナビゲーションタブから簡単にアクセスでき、ワークフローステップに沿って、短時間のトレーニングで高度なツールを利用できるようになります。初めてご使用になる場合は、詳細設定を非表示にしてインターフェースをすっきり整えることができます。操作に慣れたユーザー向けには、詳細ボタンを押すことで利用可能なすべての機能にアクセスできるように設定可能です。また、ホーム画面をカスタマイズして、最も頻繁に使用する機能のみを表示することも可能です。
2. 多用途で高性能な画像最適化
PRECiVソフトウェアには、ライブ観察中やデータ収集後の画像解析時に使用できる、画像処理ツールがいくつも用意されており、検査能力と検出可能性を高めます。
高解像度デジタルイメージング
PRECiVソフトウェアの安定した色再現性と解像度は、工業検査に必要な高品質画像を提供します。真のデジタル顕微鏡ソリューションにより高解像度画像が得られ、接眼レンズを使用せずに画面上だけで観察を行えます。
ライブHDRイメージング
ライブHDR(High Dynamic Range)イメージング、デジタルレチクル、フォーカスエイド、オプションのビデオ記録、タイムラプス撮影など、ライブ画像を最適化する便利なツールもあります。同一画像内に非常に明るい部分と暗い部分が混在するような撮影困難な条件下でも、HDRイメージングによって画像コントラストを向上させることができます。このモードは、PRECiVソフトウェアに対応するすべてのカメラで使用でき、専用のカメラにはライブモードが搭載されています。
5つのコントラスト強化オプション
高度な画像解析を強化する、複数のコントラストオプションをご利用できます。
- 明視野観察
- 暗視野観察
- 偏光観察
- 微分干渉観察
- MIX観察
MIX観察では、環状のLEDで1つ以上の四分円を一定時間照らす指向性暗視野照明と、明視野、蛍光、または偏光照明を組み合わせることで、従来の顕微鏡では見えない欠陥を浮かび上がらせ、隆起した表面とくぼみを区別できます。
赤外光(IR)イメージング
品質管理や研究部門向けの基本ツールとして、赤外光(IR)イメージングモードもご用意しています。IRモードでは、製造の最終段階でパッケージされた製品のシリコン層内部を、非破壊で検査できます。モノクロカメラ専用のシェーディング補正モードもあります。
3. 自動化とマクロによる顕微鏡能力の拡張
以下に示す対応コンポーネントをPRECiVソフトウェアで制御することで、検査を自動化できます。
- 当社の工業用および材料科学用の手動・半自動顕微鏡、電動X、Y、Z機器、レボルバーのすべて
- 当社の顕微鏡用デジタルカメラ
- 他社製Zフォーカスドライブおよび電動ステージ
専用のユーザーインターフェースにより、電動ステージやフォーカスドライブを効率的に制御し、タイムラプス画像、動画、3Dスタックを取得できます。以下に直接アクセス可能です。
- 電動ステージをフル制御するための画像マップ機能
- 編集可能なステージ座標ダイアログ
- 位置リストとステージアライメント
- パノラマ/複数位置、またはその他のモード間の簡単切り替え
- 3点またはフォーカスマップ法を使用したサンプルの傾き自動補正機能付きのフォーカスモード
4. パノラマ、EFI、3Dイメージングによる視野の拡張
拡張焦点画像(EFI)機能では、手動および電動ユニットでピント位置をずらしながら複数の画像を取り込むことで、全焦点画像取得が可能です。手動モードでパノラマ機能を使用すれば、サンプル全体に対してステージを手動または自動で動かすことにより、顕微鏡の視野より大きな画像を取得できます。
PRECiV 1.2では、手動の顕微鏡ステージであっても、両手を顕微鏡に添えたままインスタントEFIとパノラマ機能を組み合わせることができます。フレームインジケータにより、リアルタイムでパノラマ画像の取得状態を確認しながら、効率的にパノラマ画像を取得できます。電動ユニットを使用すれば、このようなパノラマ画像とEFI画像の同時取得が完全に自動化されます。
3Dソリューション
3Dイメージング機能では、高さマッピング機能を使用したコード化および電動によるZ制御を行い、3次元サンプルの高さ形状を計測できます。
5. 使いやすく高度な計測ツール
ライブ画像または記録画像に対し、精密な再現性の高い2D計測を実行します。シンプルなユーザーインターフェースとパワフルな機能(自動エッジ検出など)が組み合わさり、ポイント間の距離の確実な計測が簡単に行えます。
そのほかにも便利な計測機能があります。
- エッジ検出による円計測
- マジックワンドによる自動形状抽出機能
- 複雑な形状の計測を容易にする補助線*
- 計測した点や線を使用しての計測を行うオブジェクトリンク
- 計測結果はワークブックに出力でき、Excelへのエクスポートも簡単
マクロで繰り返しの作業を自動化
PRECiV™ のマクロマネジャーは、撮影・測定前の画像処理・解析といった一連の繰り返し操作を自動化し、ワークフローを簡易化します。単純なマクロを記録・再生できる一方で、ニューラルネットワークを用いた画像処理やバッチ処理など、幅広いコマンドを記録することもできます。
6. TruAI™ ディープラーニングテクノロジーにより複雑な画像解析も簡単に
デジタルイメージング用途では、対象物の検出と、サイズ分布の計測が最も重要です。PRECiVソフトウェアは、エッジ検出や円滑化などに使用できる各種の強力なフィルターなど、検査の課題を解決するためのさまざまなツールを備えています。例えばカウントと計測ソリューションは、高度なしきい値設定方法により、背景から対象物(粒子やキズなど)を確実に検出します。
複雑な画像解析タスクを容易にするため、TruAIテクノロジーは、従来のアルゴリズムを超えた画像解析を提供します。ニューラルネットワークを画像セグメンテーションに使用すると、サンプルの形状を分離できますが、これは純粋に分析的なソリューションでは処理できません。学習データを測定したい画像に適用することで、より検出安定性の高い解析が可能になります。TruAIテクノロジーはマテリアルソリューションやカウントと計測ソリューションと併用することもでき、パフォーマンス、多用途性、自動化機能が向上します。
7. 材料組織学向けワークフロー
PRECiVマテリアルソリューションを使用すれば、材料科学解析を合理化し、再現性と信頼性の高い解析結果を取得できます。多数のワークフローオプションの中から選べます。
- 粒度解析
- 鉄鋼や合金の非金属介在物含有率
- 鋳鉄の黒鉛球状化の評価
- 合金や焼結材料のフェーズ分析
- その他多数
製造工程の前後どちらでも、材料の品質と評価専用のワークフローにさまざまなオプションを追加できます。画像取得から国際規格(ISO、ASTM、JIS、DINを含む)に準拠したレポート作成まで、順を追ったガイドが得られます。
8. カスタマイズされたXYZ電動ステージソリューション
XYZ電動ステージ用に開発された、PRECiVソリューションにおける追加機能のいくつかを以下に示します。
マクロ-ミクロ
全体画像から構造を検出し、その輪郭をスキャン領域に変換して、高倍率での撮影やその他の処理を行います。
ウエハーナビゲーション
ウエハー上の撮影ポイントを指定し、さまざまな画像取得ポイントにナビゲートします。サンプルを再配置し、3点アライメントを適用して、ウエハーのチップ座標によりナビゲートできます。
ステージを用いた測定
電動またはコード化されたステージからの座標が読み取られ、個々の長さ測定の開始点と終了点を設定します。2D計測の結果にはX、Y、Z位置が含まれます。
9. 検査ニーズと予算に合わせて拡張可能
特定の検査ニーズに合わせた4つのソフトウェアパッケージが用意されています。
PRECiV Capture
エントリーレベルのパッケージであるPRECiV Captureは、デジタル画像取得と基本的な2D計測が必要なユーザー向けです。材料受け入れ検査などの用途向けに、既存の顕微鏡をデジタルワークステーションへと変えることができます。
PRECiV Core
画像を重視するQAラボや検査部門向けのPRECiV Coreは、コストと機能のバランスに優れ、拡張焦点画像(EFI)と計測結果のエクスポートの機能が含まれます。
PRECiV Pro
すべての機能を備えたPRECiV Proは、最もパワフルでさまざまな用途に活用できます。QA/QC、不具合解析のほか、サンプルや製造ロットを検証するための解析レポート作成や計測に必要なツールがそろっています。
PRECiV Desktop
このPRECiVソフトウェアの効率化されたバージョンでは、顕微鏡から離れた場所で高品質なレポート作成や定量的な画像処理を行えます。カメラと画像取得のコントロール機能はありませんが、利用可能な計測・解析機能はすべてそろっています。
社内のさまざまな部署で、必要なソフトウェアレベルのライセンスを購入できます。もちろん、新たなタスクが現れるたびにアップグレード可能です。各パッケージに含まれる機能の詳細な比較は、当社ウェブサイトの情報か、PRECiVカタログをダウンロードしてご覧ください。
ご要望やPRECiVカスタムソリューションの詳細については、今すぐお問い合わせください。
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