工業生産における製品品質、品質保証、収益性の需要が着実に高まる中、デジタル顕微鏡と画像処理技術は大きな役割を果たしています。 これらのシステムは、品質管理における手動や目視の膨大な作業を減らすだけでなく、標準的な検査方法の自動化と最適化も図ります。
工業ラボのニーズは、用途、タスク、課題によって大きく異なります。その内容は単純な画像取得や測定から、高度な画像解析や統合された画像とデータのアーカイブまでさまざまです。エビデントでは、これらの工業要求に対応する専用ソフトウェアソリューションを提供しています。
その一例がOLYMPUS Stream Enterpriseです。欧州、中東、アフリカ(EMEA)でご利用いただける、このクライアント/サーバーデータ管理システムは、スマートな保管、一貫性のあるレポート作成、厳密なデータセキュリティによって、 顕微鏡観察、イメージング、解析を組み合わせたものです。OLYMPUS Stream Enterpriseでは、作業の管理、収集、計算、伝達に必要なすべてのツールを、柔軟で直感性の高いインターフェースから操作できます。多層的なセキュリティ機能と包括的な検索機能を備えた、完全に制御可能なユーザー権限を必要とする方に適したソフトウェアです。
このブログでは、OLYMPUS Stream Enterpriseが工業用顕微鏡の画像とデータをどのように管理するかをご紹介します。
可能性の活用
OLYMPUS Stream Enterpriseは、統合データ管理システムを強く求めるユーザー向けに作られています。制限のないユーザー数、ユーザー権限の割り当て、ラボ情報管理システム(LIMS)やEnterprise Resource Planning(ERP)システムとの統合に対応し、現代のラボにおけるワークフローの生産性と効率の制限を取り除いています。ソフトウェアバージョン2.5.3では、 ディープラーニングテクノロジーに基づく画像解析など、優れた機能を利用できます。
ワークフローの管理と制御
イメージングワークフローとデータ結果の管理には、あらゆる側面の管理が必要です。コンポーネントの管理と統合を支援するソリューションは、全体的なワークフローを改善し、効率を高めることができます。OLYMPUS Stream Enterpriseでは、段階を踏んだインテリジェントなワークフローを提供し、最新の規格に準拠した定量的な測定と専門的なレポート作成に適した鮮明な画像を取得できます。
統合されたデータ管理
管理するデータ量、ユーザー数、より高度なデータセキュリティの必要性が増大するにつれて、従来のデータベースではすぐに不十分になります。大量のデータとたくさんのユーザーを抱える場合でも、OLYMPUS Stream Enterpriseは厳密なデータセキュリティを提供しつつ、効率的なワークフローを維持します。管理システムは、ネットワーク全体でデータと機能の包括的なアクセス許可を行います。このシステムアーキテクチャにより、メンテナンスが最小限の簡単な設置が可能になります。
ユーザーアクセス権限
拡張されたアクセス権限管理によって、データと機能のユーザー権限をユーザーグループに詳細に割り当てることができます。OLYMPUS Stream Enterpriseのユーザー権限は、管理者、パワーユーザー、ユーザー、ゲストの4つの既定の役割に基づいて割り当てられます。それぞれ、柔軟性に変更することができます。さらに、各プロジェクトやデータ記録に、特定の個人やグループメンバーのアクセス権限を割り当てることもできます。認証には、OLYMPUS Stream Enterprise起動時のSQLログインを使用することも、既存のActive DirectoryとLightweight Directory Access Protocol(LDAP)に統合して、シングルサインオン(SSO)機能を利用することもできます。
OLYMPUS Stream Enterpriseのユーザー権限管理では、どのユーザーが特定のプロジェクト、機能、データへのアクセス権限を持つかが管理されます。
Secure File Repository
データセキュリティを高めるため、OLYMPUS Stream EnterpriseにはオプションのSecure File Repository(SFR)パッケージが用意されています。SFRは追加のセキュリティ層としてOLYMPUS Stream Enterpriseと連携して、ユーザーのアクセス権限に基づいてファイル要求を処理します
オプションのSecure File Repository(SFR)は、OLYMPUS Stream Enterpriseと連動してユーザーのアクセス権限に基づいてファイル要求を処理するので、権限のないユーザーはファイルを処理できません。
外部アプリケーションとの通信
OLYMPUS Stream Enterpriseは、既存の受注管理システム、LIMS、ERP、およびCRMシステムと直接連携するように設定できます。さらに柔軟性を高めるため、Component Oject Mdel(COM)やOpen Dabase Connectivity(ODBC)などのデジタル通信プロトコルとの内蔵インターフェースがあり、他のプログラムとの連携が容易になります。アプリケーションプログラミングインターフェース(API)機能も追加され、他のプログラムからOLYMPUS Stream Enterpriseプロセスを利用できます。
OLYMPUS Streamソフトウェアは、ネットワーク上の外部データソースと統合できるように設計されています。画像のインポートや、標準的なインターフェースプロトコルを使用した他のソフトウェアプログラムとの通信が可能です。
簡易化されたデータ入力と検索
特定のプロジェクトの作業を継続する場合でも、新たなプロジェクトを開始する場合でも、OLYMPUS Stream Enterprisesのデータ管理ソリューションを使えば、作業を最初から効率的に構築しやすくなります。
顧客データ、LIMSからの送達日、受注処理システムなどの事前情報を使ってプロジェクトを開始できます。同じデータを再入力する必要がないので、データの一貫性が高まります。さらに、伝票に書かれる情報を受注番号だけなど、最小限に削減できますこれをサンプルのバーコードやトランスポンダーに組み込むのが理想的です。
データ入力は、特徴に応じたサンプルの分類など、特定のタスク用に構成することも可能です。この入力プロセスは、ユーザー定義のデータ入力マスクやドロップダウンリストに従って標準化できます。こうすることで受注入力がより効率的になり、ファイル保存構造が整理されます。
既存の結果を参照して、現在の新たな画像と過去の似たケースを比較すると役に立つことがよくあります。OLYMPUS Streamソフトウェアの組織的構造と拡張検索およびフィルターオプションを使えば、面倒なフォルダー検索をすることなく、すべての関連データが簡単に見つかります。
顕微鏡とカメラの組み込み制御
データ保存はイメージングと解析プロセスの唯一の要件です。OLYMPUS Stream Enterpriseには、エビデントで扱われている各種顕微鏡・デジタルカメラの制御機能が組み込まれています。対応するすべてのカメラ(カラー、モノクロ、赤外、短波赤外)が、使いやすいカメラに制御に統合されています。また顕微鏡にも接続され、倍率と校正の確実な情報が得られます。
ガイダンス付きの操作画面で工業規格に準拠した解析が可能
OLYMPUS Stream Enterpriseでは、多種多様な形状測定や画像解析を実行できます。高度な画像処理が必要な場合は、材料認定や評価専用のワークフローが付いた、オプションのマテリアルソリューションを追加することができます。これらのソリューションを使うことで、国際規格(ISO、ASTM、JIS、DIN)に沿った解析を行って、製造工程の前後で品質をチェックできます。注目すべきソリューションの1つ、TruAIディープラーニング技術は、従来のアルゴリズムを超えた画像解析オプションを提供します。
OLYMPUS Stream Enterpriseの機能を向上させる各種アドオンを利用できます。これには、従来のアルゴリズムを超えた画像解析オプションが用意されたTruAIディープラーニング技術が含まれます。
効率的なレポート作成
レポート作成には、画像取得や計測よりも多くの時間を費やしてしまうことがよくあります。このプロセスを容易にするため、OLYMPUS Stream Enterpriseでは、事前定義およびカスタムテンプレートに基づく直感的で高度なレポート作成ツールが用意されています。これらのツールは、Microsoft Office 365を使用してデータベースに直線接続されます。
工業用画像解析に適した多様なオプション
統合データ管理ソリューションを強く求めるEMEA地域のすべての工業分野ユーザーには、OLYMPUS Stream Enterpriseをお勧めします。それ以外の方は、OLYMPUS StreamからPRECiV ソフトウェアに移行してください。PRECiVは、工業ラボの日常業務を効率化する最新の測定・イメージングプラットフォームです。どちらのイメージングソリューションがお客様のラボに最適かご不明な場合は、こちらからお問い合わせください。