パイプ溶接部の検査は、大掛かりで複雑なスキャン機器を合わせて投入しないと大変な作業になります。 AxSEAM™スキャナーの設計では、NDT検査員のために長手方向スキャンのあらゆる面を簡易化することに重点を置きました。
ユーザーからの反響は良好で、スキャナーによって意図したとおりに検査が楽になっていることが確認されました。 このカスタマーレビューやこちらで詳細をご覧いただけます。
AxSEAMスキャナーに当社が盛り込んだ2つの革新機能は、当社の他のスキャナーモデルに容易に転移することができました。 最初に恩恵を受けたのは、人気の円周溶接部スキャンシステム、HSMT-Flex™スキャナーでした。
HSMT-Flexスキャナーは、10年以上前からパイプライン検査で使用されている実績のある円周溶接部検査ツールです。 円周方向のスキャンを容易にするために設計された、この湾曲式スキャナーでは、外径114.3 mm(4.5インチ)以上のパイプの溶接部に対して、1軸エンコードの超音波およびフェーズドアレイ(PA)検査をしっかりと確実に実施できます。
現在、製造されているすべてのHSMT-Flexスキャナーには、以下の改善機能が装備されています。
- 工具なしで調整可能な最適化されたばね式プローブホルダー
- 溶接中心線に合わせやすいレーザー光ガイド(オプション)
これらのプローブホルダーとレーザーガイドの改修キットも入手可能なので、既にHSMT-Flexスキャナーをお持ちの方も、スキャン操作をアップグレードできます。
PAおよびUTプローブの構成にかかる時間と労力を最小化
AxSEAMスキャナーに倣って導入された新設計のプローブホルダーのおかげで、現場でスキャナープローブのセットアップと調整にかかる時間が節約されます。
プローブやウェッジの取り付け・交換に工具は必要ありません。 パイプ表面でのインデックス軸補正や接触圧力の調整でも同様です。
工具不要の操作の例は以下のとおりです。
- フォークをスライド開閉する(プローブやウェッジの挿入時)
- プローブホルダーを上下に動かし、上げた位置で便利なラッチシステムにより保持する
- ホルダーをスライドさせて特定のプローブセンターセパレーション(PCS)を設定する
- プローブホルダーのバネ張力を変更する
これらはすべて、適切な止めネジやノブを操作することで簡単に調整できます。 フォークはさまざまなウェッジ幅に対応しているため、ニーズに最適な性能を発揮するウェッジとプローブの組み合わせをすぐ簡単に装着できます。
初回で必要なPAUTデータを取得し再スキャンを回避
このスキャナーには、4つのプローブホルダーが装着されていますが、オプションの4つのプローブホルダーを使用して合計8つのプローブに対応できます。 PA、伝播時間回折(TOFD)、従来型UTの各プローブを組み合わせて使い、検出能力と検査効率を上げることができます。
プローブホルダーのばねとピボット機構により、パイプ表面への圧力を最適に保ちながら、良好なカップリングを確保し機械のがたつきを制限することで、信号強度が最大化します。 バネ張力は3つのオプションがあり、簡単に変更可能です。
さらに、オプションのレーザーポインターのガイドを使用すると、超音波データ取得の確実性と一貫性が高くなります。 レーザーポインターは、スキャン時に溶接線を中心に保って、スキャン全体を通して計画した溶接範囲を尊重し、欠陥の見逃しがないようにすることができます。
真の使いやすさと実証済みの信頼性で確信を持ってスキャン可能
信頼性と堅牢性を備えたHSMT-Flexスキャナーと新しいプローブホルダーは、現場での円周溶接部検査の厳しさに耐えられるように設計されています。 この耐久性によって、損傷から守られるとともに、不良部品に起因するダウンタイムが最小限になります。 堅牢性、操作性、および高品質データ収集を支える機能で検査効率が上がり、フラストレーションなく作業を迅速に完了できます。
HSMT-Flex円周溶接部スキャナーの詳細は、www.olympus-ims.com/scanners/hsmt-flexをご覧ください。
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