金の検査方法を比較して収益を最大に：XRF、酸性試験、導電率測定

作者 Vladimir Vermus - 2023年 3月 14日

貴金属商や質屋のオーナーは、純粋な金、銀、その他の貴金属を顧客に提供していることを確認するために適切な手段を必要としています。金などの貴金属の純度と真贋の検査には、いくつかの方法があります。これには導電率測定、酸性試験、蛍光X線（XRF）検査があります。

このブログでは、各検査方法について詳しく見て比較することで、正しい手法により収益を最大化できるようにします。

1. 導電率測定

導電率測定では、電子機器を使用して金属の導電率を測定します。金属はそれぞれ固有の導電率を持つため、この方法を使用すると存在する金属の種類を特定できます。しかし、一部の合金や混合金属は似たような導電率を持つ場合があるため、いつも正確というわけではありません。試料の温度が検査結果に影響することもあります。

2. 酸性試験

酸性試験では、金属の小さな領域に1滴の酸を塗布して反応を観察します。金属ごとに異なる酸を使って検査します。例えば、金には塩酸、銀には硝酸です。金属が本物なら、酸が表面に与える目立った作用はありません。金属が純粋でないか合金である場合、酸が反応し、表面に傷か変色をもたらします。この方法はすぐ簡単に実施できますが、結果は主観的になる可能性があります。さらに、酸性試験の精度は一般に低いと見なされています。結果として、酸性試験は定量的手法とは見なされません。

3. XRF検査

XRF検査は、貴金属含有量と有価金属の純度を検査するためのより正確で包括的な手法です。XRF分析計は金属にX線を照射して、励起電子から放たれるエネルギーを測定し、試料の組成結果を数秒で示します。

XRF分析計による検査は速く簡単なだけでなく、金属検査において最も信頼性の高い手法と見なされています。XRFの正確性と精度は、下の表にある、XRFベースの貴金属分析計と金合金装飾品用の認証標準試験片との結果（対象試料内の元素パーセンテージ）を比較したものに示されています。

Vanta GX PINモデル（15秒試験、%）

元素	テスト1	テスト2	テスト3	テスト4	テスト5	Vanta GXの平均（%）	FLUXANA 0732-16認証値（%）
金（Au）	33.50	33.40	33.39	33.38	33.42	33.42	33.33
銀（Ag）	58.30	58.41	58.36	58.29	58.41	58.36	58.61
銅（Cu）	8.2	8.2	8.25	8.32	8.17	8.23	8.06

この表は、XRFベースの貴金属分析計（Vanta GX PINモデル）と金合金装飾品用の認証標準試験片の結果（対象試料内の元素パーセンテージ）を比較したものです。

XRFは非破壊的な貴金属分析法でもあります。つまり、XRF検査は対象金属を損傷しません（酸性試験は傷跡を残す場合があります）。検査に柔軟に対応できるように、XRF分析計は現場での金属検査に適した丈夫なハンドヘルドタイプと、ショールームに適したベンチトップタイプがあります。

金、銀、宝飾品を簡単に検査する方法のご紹介

使いやすく手頃な価格のベンチトップXRF分析計の一例が、新しいVanta™ GX貴金属分析計です。金、銀、プラチナ、パラジウムなどの貴金属の純度とパーセンテージが、ボタンを押すだけで分かります。また、包括的な組成分析結果も得られるので、品目に正確に価格設定ができます。有害元素（鉛やカドミウム）や価値の少ない元素を含む、最大27種類の化学元素を検出します。これらの実用的な検査結果のほか、金めっきアラート機能で偽物を簡単に見分けられます。