Peak Alloys社はイギリスのシェフィールドに拠点を置き、高付加価値ニッケルおよびコバルトベースの超合金を扱う商社兼処理会社です。世界中の真空溶解/大気溶解合金の製造業者に完全処理したスクラップを供給しています。同社は製品が顧客の要求に合っていることを確認するため、材料の元素組成の検査にオリンパスのハンドヘルド蛍光X線分析計(XRF)を導入しました。1台のDELTA™分析計と2台のVanta™分析計です。
先日、Peak Alloysを訪ねて、スクラップリサイクル業務についてお話を伺いました。Peak Alloysの取締役兼共同創業者であるDuncan Birchleyさんは、作業工程にハンドヘルドXRFをどのように取り入れているかについて説明しました。
「供給会社から材料が届くと、目視で識別、確認し、重量を測って、固有のロット番号で分類します。このときXRF分析計を使用して、材料を100%検査します。適さない材料はニッケル/コバルト製錬や大気溶解用途へ回され、品質改良できる場合や真空溶解に適している場合は、別にとっておきます。」
オペレーターはVantaハンドヘルドXRF分析計を使用してニッケル合金を検査します
Duncanさんは続けます。「次に材料をさらなる加工用にカットします。お客様によって材料のサイズや形状に制約があるからです。付属物がある場合は取り除きます。砥粒でも化学コーティングでも、コーティング類はすべて除去します。
次に材料をショットブラスティングに送り、表面に付いているあらゆる汚れを取り除いて外見をきれいにします。見た目がきれいでぴかぴかな方が、お客様から見て魅力的ですからね。
次に材料をドラム缶に入れてラベルを貼り、印を付けて発送の準備を整え、送り出します。バッチ分析のために試料を送る必要があれば行い、お客様に供給する品物に添付します。
スピードと正確さがスクラップリサイクル工程に自信をもたらす
Duncanさんにとって、ハンドヘルドXRFのスピードと正確さがPeak Alloysのオペレーターにもたらすのは、スクラップリサイクル工程全体の自信です。
「私たちが求めているのは、検査対象を識別して情報を表示し、お客様から受け入れた材料が期待通りであることを確認できるXRFです。異常が検出されたら、詳しく調査できます。DeltaもVantaも驚くべき活躍を見せています。」とDuncanさんは言います。
オペレーターはVantaハンドヘルドXRF分析計を使用して合金を迅速に測定します
スクラップ選別・リサイクルにおける迅速な検査結果の重要さについて、ハンドヘルドXRFが時間の節約につながっていることをDuncanさんは強調します。
「オリンパスの機器なしでは当社の作業は不可能です。過去に、電源につながった卓上機器やラボの機器で材料を検査していたとき、測定値を得るまで数時間とは言わないまでも、数分はかかることがありました。XRF分析計はすべてを高速化します。当社では100%検査を行うので、とても時間がかかります。時間の面で助けになり、求めている正確さを備えた機器は必要不可欠です。」
オペレーターはスクラップ選別・リサイクル工程を通して合金を検査します
もう一つの利点は堅牢性です。彼は言います。「ここではすべてを丁寧に扱っていますが、ちょっと衝撃があった場合も信頼性や安全性があり、膨大な修理代とはなりません。」
スクラップリサイクルに好ましいハンドヘルドXRFの機能
Vanta XRF分析計のユーザーインターフェースは使いやすく、機器の設定やソフトウェアの機能を楽に操作できます。Duncanさんは、作業チームの生産性を支える好ましい機能として、以下を強調しました。
1. 品種判定
「通常の品種等級判定であれば、検査ごとに2~3秒で済み、とても助かります。さらに詳細な含有元素については、少し長い時間分析計を当てれば判定できます。」
2. 平均化
「ニッケル製錬などに送る混合材料を検査する場合、複数の検査を実施します。平均値を得ることで、お客様に供給する材料を把握できます。」
3. 第2ビーム
「材料によっては第2ビームも使用し、軽元素や組成の判定を行います非常に似た合金がある(交差)場合に、二重チェックとして活用します。おそらくアルミニウムが判断ポイントとなります。」
4. グレードライブラリー
「XRF分析計に内蔵されているグレードライブラリーも本当に便利です。どの合金か、比較しうる合金は何かを判断する際に役立ちます。当社のオペレーターは皆、単に品種判定を見るだけでなく、横にある変動値にも注目するよう指導されています。同じ合金について大量に検査する場合は、その都度正確な測定値を読み取ります。規格外と強調表示されたものがあれば、取り分けて詳細に検査します。」
全体的にみて、ハイスループット検査と正確な測定結果によってチームの生産性が保たれるので、お客様の要求に応えられています。Peak AlloysでのハンドヘルドXRFの使用について詳しくは、以下のインタビューをご覧ください。
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