フィンランドのアールト大学の研究者によって設立されたElFysは、光センシング技術を活用した産業用高性能フォトダイオード製品の開発に第一線で取り組む草分け的存在です。
同社のフォトダイオード技術の素晴らしさと、その卓越性の追求におけるおいて生産プロセスで当社のDSX1000デジタルマイクロスコープが果たす重要な役割について探ります。
心臓のそばにあるテクノロジー
どのようにしてスマートウォッチが正確に拍動を検知するのか、考えたことがありますか?手首につけた小さな金属片がどのようにして、ほんのわずかな心拍数の変化を1日中とらえるのでしょうか?
その答えは、光をエネルギーに変換する驚くべき光センサー技術、フォトダイオードにあります。スマートウォッチは緑色の光を皮膚に照射し、その光は赤血球によって吸収されます。心臓の拍動に合わせて血管がリズミカルに拡張と収縮を繰り返すことで、反射光の強度が変化します。フォトダイオードがこの反射光の変化を測定することで、スマートウォッチはリアルタイムで心拍数を計算できるのです。
フォトダイオードの恩恵はスマートウォッチにとどまりません。フォトダイオードは多用途性に優れたデバイスで、ノートパソコン、携帯電話、自動車、さらには指輪まで日常生活で使用する、さまざま使う様々な機器に使われて入っています。その用途は、空港の手荷物検査用スキャナーから病院の医療用イメージング装置、小売店のレジに至るまで多岐にわたります。
センシングの可能性:ElFysの立ち上げ
2017年にアールト大学の研究者チームによって設立されたElFysは、最先端のフォトダイオード技術を開発する第一線の企業です。最新のMEMSナノテクノロジーと原子層堆積法(ALD)を独創的に組み合わせて、光センサー技術に革命をもたらしています。
ElFysでは、革新的な技術によって1本1本の光線をとらえることができ、光センサーを活用する広範な機器の性能向上につながっています。ひたむきに卓越性を追求し、研究に専心する同社は、多種多様な産業に高性能フォトダイオード製品を提供する有数の企業です。
ElFysのフォトダイオード製品の背景にあるのが、{表面ナノ構造、コンフォーマルALDアルミナ堆積法、誘起結合の3つの革新的な技法です。これらの独自の組み合わせによって、光の吸収性に優れ、発生したすべての電荷を捕捉できる高効率なフォトダイオードを創り出し、比類のない光センシング性能を実現しています。
作業に最適なツールを選定選ぶ
卓越性を追求するElFysでは、フォトダイオード製品の品質と精度の確保に貢献する、役立つ高度な検査装置を活用しています。その中には、ウェーハ、チップおよび半導体パッケージの欠陥を検出するための顕微鏡も含まれます。
役割に適した顕微鏡を選定する選ぶにあたり、ElFysは、柔軟性に富み、1ひとつの用途に限定されることなく、さまざま様々な種類のサンプルに使用できる装置を探しました。
ElFysの創始者でCEOのMikko Juntunen氏とプロジェクトマネージャーのJuha Heinonen氏との対談で、当社のDSX1000マイクロスコープを選定するに至った意思決定プロセスの背景にある貴重な見識を伺いました。
DSX1000デジタルマイクロスコープ
Juntunen氏はこ次のように述べます。「候補となるソリューションについて問い合わせたところ、幸運なことに、フィンランドの代理店であるGWBがデモ機を所有しており、国内で利用できることが分かりました。購入を決定する前に実際に製品を試すことができる、またとない機会に恵まれました。
私たちはGWBを訪問し、自社のサンプルでDSX1000デジタルマイクロスコープを操作して、直接じかに動作を確かめることができました。このように実際の体験を通して装置の性能を真に理解できたことは、購入決定プロセスにおいて非常に重要でした。
これに対して、他のメーカーは装置の機能の概要を記載したデータシートの提供のみで、実際の性能はよく分かりませんでした。試用できたことで、装置が当社のニーズに合致しているという、この上ない確信につながりました。実際に体験できたおかげで、当社にの特有の要件を満たすものであると分かりました。」
卓越性を追求
「髪の色からお分かりいただけるように、私は長い期間現場にいます。そして、私にとって顕微鏡といえばオリンパスなのです」とElFysの創始者でCEOのMikko Juntunen氏は語ります。
DSX1000デジタルマイクロスコープ
ElFysにとって、DSX1000デジタルマイクロスコープは、シリコンウェハー、チップ、半導体パッケージの製造後の詳細検査をスムーズに行うための欠くことのできないツールになっています。小さな半導体部品を製造するために、ElFysは、CDほどの大きさの6インチウェーハに何千点ものコンポーネントを実装します。
ワークフローとしてはで考えると、最初の段階でウェハーの欠陥とチップの異常の有無を検査します。マイクロスコープの暗視野モードは、キズや欠陥を浮き彫りにしてくれる点で特に有用で、それが最高品質の製品だけが市場に届く手助けとなっていますようになっています。また、ElFysによれば、画像のシームレスな貼り合わせ機能も非常に便利で、ウェハー全面の検査に重要な役割を果たしています。ウェハーはそのサイズゆえに四分割して検査する必要があります。しかし、シームレスな画像の貼り合わせによって、大きな高画質の画像を得ることができます。
暗視野(左)およびMIX照射(右)で撮影した表面実装部品の張り合わせ画像。
Juha Heinonen氏がDSX1000デジタルマイクロスコープで撮影。ElFys社より画像提供。
ElFysが直面した難題の1ひとつが、透明エポキシ樹脂でコーティングしたチップの検査でした。しかし、DSX1000の微分干渉観察(DIC)モードが真価を発揮し、エポキシ面のキズや微細な構造を明らかにできました。
初期確認の後は、フォトダイオードパッケージの検査が必要です。デバイスの最も感度の高い部位に光を届けるために不可欠な役割を果たす部品です。この段階で製品の構造は2次元から3次元になります。マイクロスコープの3Dイメージング機能が半導体パッケージの検査に役立ちます。3D画像の撮像機能は、複雑な構造を包括的にとらえ、さまざまな焦点深度を同時に得ることができ、アセンブリの詳細な把握を可能にします。
複数のアングルから撮影した表面実装部品の暗視野画像。Juha Heinonen氏がDSX1000デジタルマイクロスコープで撮影。ElFys社より画像提供。
業界の他の企業にDSX1000デジタルマイクロスコープを勧めるかを尋ねると、Heinonen氏は次のように力説しました。「特にステージにのせやすい小さめのサンプルを扱う場合に、DSX1000デジタルマイクロスコープは優れた選択肢の1ひとつとなります。高い柔軟性が可能にした幅広い観察モードによって、複数の角度から対象を観察することができます。操作は直感的で効率性が高く、設定の微調整が不要になることで貴重な時間を節減できます。
膨大な量の類似サンプルの検査を必要とする半導体研究などの分野で真価を発揮する装置です。自動化と高速イメージング機能によって複数のサンプルを迅速に解析できることから、研究の生産性と効率性が最大限に高まります。このような高いレベルの自動化と高速化のおかげで、研究者はより多くの数のサンプルをより短い時間で検査することに注力でき、ワークフローの大幅な強化につながります。
今後の方向性
ElFysは、光検出器の機能を拡張してさらに深赤外領域に対応することを目指して研究を続けることで、光センシング技術の限界を押し広げていきます。様々さまざまな半導体材料を活用して、シリコンが抱える限界を克服し、近赤外領域での応答の実現を目指します。また、血中グルコース濃度や乳酸濃度など追加のパラメーターを計測対象とするウェアラブルヘルス技術などの産業に製品を提供していきます。
ElFysは、研究とイノベーションを原動力として光センシング技術分野のパイオニアとして成長してきました。卓越性と多様性を追い求める熱心情熱的な姿勢と、研究者や技術リーダーによる強力なチームによって、業界の第一線で活躍する存在になっています。卓越性を追求する相棒としてDSX1000デジタルマイクロスコープを選んだElFysは、{これからも分野の壁を越えて光センシングアプリケーションの未来を形作り、より素晴らしい世界の実現に貢献されるでしょう。していきます。