よいものを求めて：玩具の品質を厚さ計で確かなものに

作者 Sarah Williams - 2018年 12月 11日

最終更新：2024年6月25日

プラスチック玩具はホリデーシーズンの人気商品です。買い物客が購入を考えるとき、決め手となるのは安全性と品質です。プラスチック玩具メーカーは、生産ライン上の製品の品質を確認するために抜き取り検査とバッチ検査を行います。また、玩具は国際安全規格に準拠しているかどうかについても徹底的に検査されます。

以前のブログで、XRF装置が玩具の安全性に果たす役割について取り上げましたが、当社のその他の装置が玩具の品質管理に使用されているのをご存じでしたか？玩具メーカーでは超音波厚さ計などの装置を使って、射出成形玩具の肉厚と均一性を確認しています。このことは全体の品質と機能に欠くことのできない側面です。

プラスチック材料について：おもちゃのブロック

プラスチックは、現代の玩具の原料として最もよく使用されるものの1つです。プラスチックがそれほどよく用いられる訳は、その丈夫さにあります。曲げたりひねったりしても、たいてい大きな損傷はありません。プラスチックは多用途性もあります。さまざまな方法で型に入れて使い、多様な玩具を作り出すことができます。プラスチック製の玩具にもいくつか利点があります。長持ちし、遊びでの厳しい使用に耐え、簡単にきれいにできます。

射出成型玩具の部品（要組み立て）

プラスチック玩具の製造方法：射出成型の厚さと薄さ

特定の玩具の製造工程（ブロックや着せ替え人形など）には、射出成型と呼ばれる技術が関係します。さまざまな種類の粒状のプラスチック原料が、精密に設計された型に注入されます。プラスチックを熱で溶かしてペースト状にし、型に入れて満たし、冷やして固めます。人形の場合は、回転成形によって玩具のプラスチック肉厚を均一にすることがあります。基本的に、熱を加えるときに型がゆっくり回転すると、ペーストが均一に広がります。

射出成型に使われる未加工のプラスチックペレット

高品質な玩具の製造：肉厚管理の重要性

これらの部品の肉厚において、精度は重要です。寸法が設定限度を超えると、欠陥や損傷が起こる可能性があります。

厚すぎる場合：

玩具が設計仕様どおりに機能しない可能性
製造に余計にコストが発生（無駄な原料）
玩具が歪むおそれ（薄い壁は歪みにくい）

薄すぎる場合：

部品の耐久性が劣り、遊ぶ間の厳しい使用に不十分
薄い部品を作るには、プラスチックペーストの注入に急激に大きな圧力が必要なため、型の摩耗が早まり、コストが増加

玩具の肉厚は、設計仕様で設定された許容差を順守する必要があります。厚さが1～20 mmの射出成型部品の場合、許容差はわずか±0.1 mmです。試験体をカッターナイフで半分に切ってノギスで厚さを測るような昔ながらの方法では、このように薄い厚さを正確に測定するのは非常に困難でした。

玩具の品質保証における厚さ計の活用法

玩具メーカーは超音波厚さ計または磁気式厚さ計を使用して、信頼できる即座の品質管理を実行します。例えば、39DL PLUS、45MG、およびMagna-Mike 8600厚さ計では、0.8 mm（0.03インチ）のプラスチック部品の肉厚を測定できます。また、0.01 mm（0.001インチ）の標準分解能で肉厚の精密な測定も可能です。

超音波厚さ計である39DL PLUSおよび45MGは、プラスチック部品の片側から測定でき、切断する必要はありません。超音波厚さ計は、超音波がプラスチック部品内を伝搬するのにかかる時間を測定することで機能します。超音波は探触子から試験体内を通り、反対面ではね返って探触子へと戻ります。厚さ計はこの時間を測定し、対象材料の音速を使って厚さを計算します。

Magna-Mike 8600などの磁気式厚さ計では、ホール効果を利用して、プラスチックなどの非磁性材料の精密測定を行います。磁気プローブと試験体の反対側にあるボールを使い、プラスチックの肉厚を測定します。

検査後は、39DL PLUS厚さ計のワイヤレス機能により、厚さデータの共有、トレーサビリティ、およびレポート作成が可能です。Magna-Mike 8600および45MG厚さ計では、USBを使用して、厚さデータをExcelスプレッドシートや他のPCプログラムに直接送信し、品質管理レポート作成に生かせます。

プラスチック玩具の射出成型工場

玩具製造の品質チェックにおける重要ポイント

プラスチックが持つ耐久性、製造の多用途性、比較的低いコストという特長を考えれば、今後長きにわたって玩具製造の人気材料であり続けるのは間違いありません。厚さ計は、玩具が品質規格を確実に満たすのに役立つだけでなく、できる限り環境に配慮したプラスチック玩具製造を行う上でも重要な役割を果たします。プラスチック玩具の製造に必要な最小限の材料を使うことは環境に優しく、メーカーが厚さ計を使えば最小限の資源で製品を作ることができます。そうすれば、プラスチック玩具がこの先も長くホリデーシーズンの店頭に並び続けることでしょう。