デジタルマイクロスコープは、ブレーキパッドからドリル刃まで、あらゆるものの点検に使用される、最も多用途な検査ツールの1つです。 一般には産業用途で品質管理検査に関連するツールですが、生物科学の世界でも重要な役割を果たします。
生物科学用途の1つは衛生昆虫学、つまり医学的に重要な昆虫の研究です。人間に害を及ぼしたり、人間の疾病を直接的または間接的に伝染させたりする可能性がある成虫や幼虫を対象とします。 したがって、それらの種や特徴を識別し、生態学的習性や人間への有害さを学ぶことによって、昆虫学者は私たちの健康と安全を守る制御策を取れるようになります。
医学的に重要な昆虫のイメージングの課題
昆虫は複雑な形態構造をしており、適切な画像を取得する方法を見つけ出すのことが、昆虫学者に共通した問題となっています。 従来の光学顕微鏡は被写界深度が制限されているため、昆虫の体を完全に鮮明に捉えた画像を取得することが困難です。 従来の光学顕微鏡は、昆虫を正確に捉えるためのイメージング分解能に欠けていることも多々あります。
医学的昆虫研究にデジタルマイクロスコープを使用する優れた利点
鮮明な3次元(3D)デジタル画像を取得し、昆虫の構造の観察と研究を容易にするため、昆虫学者はデジタルマイクロスコープを使用しています。 例えば、オリンパスDSX1000デジタルマイクロスコープには、以下のように多くの便利な機能があります。
- 昆虫全体の全焦点画像を取得するための拡張焦点画像(EFI)
- 簡単操作の3Dイメージングと測定
- 20X~7,000Xの倍率範囲で正確な観察が可能
- 各種の長作動距離対物レンズが凹凸のあるサンプルに対応するため、研究者はさまざまな昆虫(大型のものを含む)を観察可能
- 顕微鏡本体が± 90°傾くので、昆虫サンプルを複数の角度から観察および撮像できるほか、1台で鮮明なマクロ画像とミクロ画像を取得可能
- ステージが± 90°回転するので、薄いサンプルの観察と解析が容易
DSX1000デジタルマイクロスコープで取得したハエと蚊のサンプル画像を以下に示します。
ハエの2D画像 |
蚊の2D画像 |
DSX1000デジタルマイクロスコープを使用すると、昆虫サンプルの鮮明な3D画像を、複数の角度から簡単に取得できます。 昆虫の体の一部を高倍率で拡大し、特徴を正確に観察できます。 3Dイメージングテクノロジーによって、昆虫の微細構造を観察し、関連する測定やアーカイブを行うことで、昆虫学者が害虫駆除策を講じる際に役立ちます。
DSX1000デジタルマイクロスコープでは、昆虫の局所特徴を正確に観察できます。
簡単操作の顕微鏡で医学的に重要な昆虫を観察
DSX1000デジタルマイクロスコープは使いやすく、経験豊富なオペレーターや初心者がサンプルを迅速かつ正確に確認し解析するための自動機能が装備されています。 デジタルマイクロスコープをOLYMPUS Stream™画像解析ソフトウェアとともに使用すれば、検出ワークフローの速度と効率がさらに向上します。
気候が暖かくなると、害虫を含む昆虫はあらゆるところに現れ始めます。 デジタルマイクロスコープの助けを借りることで、昆虫の種を効率的かつ正確に識別でき、合理的な害虫駆除策を練るために害虫の数を監視できます。 こうした重要な活動によって、疾病のまん延を効果的に制御し、健康と安全をよりよく守ることができます。