半導体や電子部品の製造業者は、品質管理(QC)プロセスの一環として工業用顕微鏡を使用します。 顕微鏡を使用することで、以下のような欠陥や対象仕様との違いを検出できます。
- PCB上の部品の配置ミス
- ショートの要因になる半導体上の導電性汚染物質
- カメラのセンサーや画面のドット抜け
複雑な部品が国際規格に準拠していることの検証にも使用されます。 メモリーチップやマイクロプロセッサーの半導体技術を顕微鏡で観察することは、徹底した信頼性の高い検査のために欠かせません。
QCプロセスは費用と時間がかかるため、メーカーではその手法の合理化と効率改善の方法を探し続けています。 QC用の顕微鏡を制御するソフトウェアを正しく選択すれば、最終的な収益に大きく貢献する可能性があります。 使いやすく設計され、ワークフローガイダンス付きのソフトウェアであることが重要で、オペレーターの経験に関係なく、信頼できる結果と再現性の高い測定結果が得られます。
半導体検査ソリューションに関するQCコストの管理
PRECiV™ソフトウェアは複数ユーザーによる製品検査を最適化して、検出速度を高速化するだけでなく、顕微鏡操作の標準化も行い、結果の再現性を向上させます。 以下に、PRECiVソフトウェアをQCコストの管理に役立てる5つの方法を示します。
1. 使いやすいシステムにより欠陥検出時間を短縮
巧みでユーザーフレンドリーなソフトウェアインターフェースのおかげで、経験の浅いユーザーでも、顕微鏡画像取得やデータ記録が容易です。 HDR(High Dynamic Range)調整やハレーション除去など、PRECiVソフトウェアのライブ画像拡張機能を使用して、高解像度画像の取得と検査を簡単に行える様子をご覧ください。
基本およびアドバンスド2D計測ツール
PRECiVソフトウェアを使用すると、QC検査員は豊富な種類の2Dのカウントおよび計測ツールにすぐにアクセスできます。 距離、面積、直径、角度、座標など、欠陥計測の基本ツールがあるほか、以下のアドバンスドツールもあります。
- エッジ検出モード:計測の開始点と終了点を高速指定(コントラスト検出を使用)
- オブジェクトのリンクモード:既存の計測値を数クリックで再利用
- 計測結果のエクスポートボタン:計測結果を必要な形式で共有ドライブに直接エクスポート
2. 大型の半導体や電子部品を容易に完全検査
PRECiVソフトウェアでは、対応顕微鏡、電動レボルバー、顕微鏡用カメラの統合的な制御が可能です。これには短波赤外線(SWIR)テクノロジーも含まれます。 ライブ画像取得ツールによってイメージング機能が拡張され、大型の半導体ウェーハや電子部品を完全に検査できます。
オートフォーカスのパノラマ画像
手動顕微鏡の視野よりも広い全焦点の画像を取得する機能は、PRECiVソフトウェアが計測オプションを強化していることを示すほんの一例です。 電動顕微鏡ではインスタントモードも使用でき、ボタンを押すだけで以下の自動機能が有効になります。
- EFI(拡張焦点画像):異なる試料の高さに焦点が合った複数の画像を取得し、1つの全焦点画像を作成します。
- パノラマ: ステージを試料全体にわたって移動し、複数の画像を1つの大きな画像にまとめることができます。
- パノラマ+EFI:ステージが動きながら、パノラマ画像が自動的に再構成されます。 色の付いたフレームは品質を示します。 画像にピントが合っていない場合は、いつでも焦点合わせをやり直せます。
方法は以下をご覧ください。
パノラマ機能とEFI機能を組み合わせて大きな全焦点画像を取得
半導体の上部から下部の検査を行うための複数の観察オプション
PRECiVソフトウェアはユーザーフレンドリーです。最小限のトレーニングしか受けていない検査員でも、明視野、暗視野、MIX(指向性暗視野)、偏光イメージング、微分干渉観察(DIC)の各観察法を使用して、画像の取得および解析を実行できます。 サードパーティ製SWIRカメラの制御が組み込まれているため、SWIR波長範囲のコーティングが施された光学部品の検査も可能です。
3. 材料計測ワークフローを最適化
検査プロセスを標準化して効率を上げるため、PRECiVソフトウェアには指定されたマテリアルソリューションワークフローが用意されています。 さまざまな経験レベルのユーザーが、手順をすぐ簡単に見つけられます。
- 手動計測はシンプルで使いやすく、記録した複数の画像に対して計測を行う際に再読み込みできます。
- 2点間の計測を確実に行うために、補助ツールと自動エッジ検出を使用して、複雑な手動計測を指定できます。*
- 特定のオプションソリューション(粒子分布、フェーズ分析など)のワークフロー手順がガイドされるので、再現性が高くなります。
*PRECiV ProおよびPRECiV Desktopで利用可能です。
4. 接続による効率アップ
PRECiVワークステーションを備えたQCチームは、データや設定をネットワーク共有することで、手順の合理化と標準化が可能です。
- 各画像データ(JPEG)ファイルのヘッダーに、校正情報などのイメージング条件が保存され、再読み込みできます。
- 計測パラメーター、ファイル、その他の設定(処理、マテリアルソリューション、注釈など)を保存すると、どのPRECiVワークステーションでも再呼び出しできます。
- アクセス権限を指定すると、許可されたユーザーのみがシステムパラメーターを変更できます。
5. 複数のユーザー間で組織的な準拠を実現
PRECiVソフトウェアは、製造工場やセキュリティのポリシーに従うマルチユーザー環境の助けになります。 すべての顕微鏡の校正と計測が国際的な製造規格に沿って行われるように自動機能が備わっていて、オペレーターのミスを防ぎます。
- 校正済みの追跡可能なスケールミクロメーターによる自動倍率校正を使用した、光学系の校正チェック
- 画像取得からレポートのエクスポートまで、国際規格に沿ったワークフローをユーザーにガイドする一連のマテリアルソリューション
- すべての計測分析結果を、Excelファイルにエクスポート(直接のファイル保存)、またはレポートに直接エクスポートする機能
PRECiVソフトウェアはモジュール式ソリューションなので、将来のニーズに合わせて拡張可能です。 入手可能な各種ソフトウェアパッケージについては、www.olympus-ims.com/microscope/preciv/をご覧になるか、お近くのOlympus販売代理店にお問い合わせください。
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