顕微鏡解析と画像解析は、材料科学アプリケーションおよび金属組織学アプリケーションの分野で、受入品検査から品質管理、故障解析まで、広範囲に使用されています。 当社は、光学分野で1世紀以上の経験を持つ顕微鏡メーカーとして、金属組織検査のワークフローを改善するために常に新しい方法を開発しています。
たとえば、新製品のPRECiV™ソフトウェアを使用すると、手動式の顕微鏡をさまざまな材料に対応できる画像取得および測定用の包括的なプラットフォームにアップグレードできます。 このソフトウェアは、検査施設で使用されている以下のような機器を制御できます。
- 顕微鏡: コード対応機能を備えるオリンパス製のすべての工業用従来型顕微鏡または実体顕微鏡
- レボルバー: オリンパス製の電動レボルバー
- カメラ: オリンパス製の顕微鏡用デジタルカメラ
シンプルなセットアップで金属組織の画像解析および検査をスピードアップできる仕組みを7つ紹介します。
1. 使いやすいツールと整理されたユーザーインターフェース。
第一に、直観的に操作可能なユーザーインターフェースにより、覚えやすくて使いやすいソフトウェアになっています。 ナビゲーションタブ(明瞭なラベル付きの大きなボタン)により、ソフトウェアの機能が「観察」から「レポート」までグループ分けされています。 単純なワークフローでは簡略化されたユーザーインターフェースを利用できる一方で、経験の豊富なユーザーは高度な機能に簡単にアクセスできます。 ワークフローをさらに合理化するため、使用頻度の高い機能を含めるようにホーム画面をカスタマイズできます。
金属組織の画像解析の全プロセスにおいて、明瞭なラベルによりグループ分けされ、整理されたインターフェース
2. 広範囲の画像を高速で取得。
金属組織学分野において、全体に高低差のある表面(破砕された試料、複数面材料、不均一に研磨された試料など)から完全に焦点の合った画像を取得することは困難な場合があります。 PRECiVソフトウェアを使用すると、拡張焦点画像(EFI)機能とパノラマ機能により、顕微鏡の視野より広い範囲で全焦点画像を簡単に取得できます。
- EFI: さまざまな焦点面で複数の画像を連続して取得し、1つの全焦点画像を生成できます。
- パノラマ: ステージを試料全体にわたって移動し、記録した複数の画像を1つの大きな画像にまとめることができます。
これら2つの機能を使い、画像取得プロセスを滞らせることなく組み合わせることができ、検査時間の短縮に役立ちます。
3. 柔軟な画像取得方法をサポート。
明視野は金属組織の画像解析で一般的に使用される方法ですが、金属や合金の特徴によっては、観察できないことがあります。 他の画像取得方法を使用して、さまざまな特徴を強調できます。
- 暗視野は、試料の光散乱部分を強調できます。 たとえば、粒界エッチングで作成した試料の結晶粒界は、明視野画像では暗く見えますが、暗視野画像では強調されます。 明視野と同様に、暗視野も金属組織学分野で一般的に使用されます。
- 微分干渉観察法(DIC)は、表面欠陥(ひっかき傷、ストリーク、不純物など)に関連した画像コントラストの局所的な変動を強調できます。
- 指向性暗視野は、非金属含有物の解析で特に役立ちます。
- 偏光は、粒面エッチング後の各結晶粒の方向を示すことができます。 この画像取得方法はカラーエッチングと組み合わせて、アルミニウムのマイクロ構造解析に通常使用されます。
PRECiVソフトウェアでは、さまざまな画像取得方法(明視野、暗視野、MIX(指向性暗視野)、偏光、DIC)を選択できます。 結果的に、材料や金属の解析に理想的な条件を簡単に見つけることができます。 安定した演色性と高分解能により、明瞭でくっきりとした画像を得ることができます。
4. 正確な2次元計測が可能。
このソフトウェアでは、正確な繰り返し2次元計測をその場で、または記録した画像上で行えます。 強力な計測機能には、以下の機能が含まれます。
- 自動エッジ検出*: 2点間の距離を高い信頼性で計測
- 補助線*: 複雑な形状を簡単に計測
- マジックワンド: 自動面積検出用
*PRECiV ProおよびPRECiV Desktopで利用可能です。
PRECiV画像解析ソフトウェアのさまざまな2次元計測ツール
5. 高度な画像解析ツールを提供。
粉末冶金などの金属粒子産業および関連製造業では、粒子の特性(粒径分布、粒子粗さなど)および形態学的パラメーター(円磨度、フェレ径比など)を測定するために信頼性の高いソリューションが必要とされます。 このような解析は、一貫した品質保証に役立ちます。
PRECiVソフトウェア内のカウントと計測ソリューション(オプション)を使用すると、閾値を利用した粒子解析と位相測定を行えます。 粒子に関するさまざまなパラメーター、および解析対象の試料の性質をもっともよく表す分類(ユーザー定義)を選択できます。
閾値による位相解析は、閾値を利用して分離できる金属、複合材、その他の材料に適用できます。
カウントと計測ソリューション(オプション)
6. 信頼性の高い検査結果。
信頼性の高い検査結果が得られるように、すべての計測が校正されます。 このソフトウェアは顕微鏡と接続されており、認証済みのマイクロメートルスケールに基づいて、画像倍率が自動的に校正されます。
さまざまな国内規格および国際規格に準拠した結果も得られます。 鉄鋼内の粒径または非金属含有物などの高度なアプリケーションでは、オプションのマテリアルソリューションを使用できます。 ソリューションは、国際標準化機構(ISO)規格、ASTM規格、国際規格、および日本産業規格(JIS)に準拠する測定結果を得るために必要なステップを実施する際のガイダンスとなります。
ASTM E 45-18の方法Aに対応した鉄鋼内の含有物量
準拠結果は、Word、Excel、またはPowerPointで作成された本格的な解析報告書の形で発行できます。 報告書のテンプレートは、会社のロゴや試料情報など、必要に応じて自由に変更できます。
7. 接続されたワークステーションによる効率化。
強固なデータ共有機能とセキュリティ機能により、適切な人に適切な情報を瞬時に提供できます。 画像、データ、または本格的な報告書を簡単に出力したり、会社のネットワーク内で共有したりできます。
画像取得条件、測定パラメーター、画像処理設定、マテリアルソリューションの設定、注釈、および他の関連情報を画像内に保存でき、施設内の任意のPRECiVワークステーションで読み出せます。 ファイルへのアクセス許可を持つユーザーは、自分のワークステーションで情報を読み込み、作業することができます。
PRECiVソフトウェアを使用して社内ネットワークで安全に画像共有している例
画像は、柔軟に利用できるように複数のフォーマットで保存および読み込みができます。トレーサビリティのために、校正情報を加えたJPEGファイルとしても保存および読み込みができます。
PRECiV画像解析の詳細については、以下の動画をご覧ください。または、デモンストレーションについて当社にご相談ください。
関連コンテンツ
ビデオ: PRECiVソフトウェアのパノラマ機能およびEFI機能
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