テレセントリック光学系は、特に工業用検査に関して、従来の光学系に比べて多くの利点があります。それにも関わらず、多くの人々はテレセントリック光学系がどのようなもので何に使用されているか分からないままです。
本日のブログでは、このテーマに関する不明点を解消し、なぜテレセントリック光学系がそれほど重要なのかを説明します。
テレセントリック光学系とは?
テレセントリック光学系は視野にある物体の距離または位置に関係なく、同じ倍率を提供するレンズです。画像の空間的な奥行きの印象は平面的なため、2つの異なる作動距離にある物体は同じ大きさに見えます。
一方、従来の光学系は、レンズからの距離に応じて物体の倍率が変わる一定の画角を持つレンズです。従来のレンズは遠くにある物体が低い倍率になるエントセントリックレンズか、遠くにある物体が高い倍率になるペリセントリックレンズのいずれかになります。
従来の多くのレンズはエントセントリックレンズです。エントセントリックレンズでは、近くにある物体は遠くにある物体より大きく見えます。また、この画角は私たちが世の中を見るのと同じ方法で、奥行きを感じるのに役立ちます。
テレセントリック光学系vs従来の光学系
それでは、従来のレンズで取り込んだ画像と比べて、テレセントリックレンズで取り込んだ画像はどのように見えるのでしょうか?
ここに違いを示す例があります。従来のレンズを使用して線路の写真を撮るとしましょう。ご存じのように、その全長にわたり線路の幅は同じですが、画像の中では遠く離れるにつれて、線路の幅がどんどん狭くなるように見えます。
今度はテレセントリック光学系を使用して同じ画像を撮ります。この場合、線路は、レンズからの距離に関わらず、同じ大きさに見えます。テレセントリックレンズにより、倍率変動が小さくなるか消失するため、画像は正確な線路の大きさを現します。
今度は顕微鏡を使用して、非常に小さな重要部品を測定する作業を考えてみましょう。なぜテレセントリック光学系が正確な測定にそれほど極めて重要なのかを理解することができます。
従来のレンズを使用して見える線路
テレセントリックレンズを使用して線路の画像を取得する場合、線路の幅は同じ距離に見えます。
テレセントリック光学系は何に使用されていますか?
日常的な写真撮影において、従来のレンズは高品質画像を取得するためには有効に機能します。
しかし、顕微鏡検査は別の話です。航空宇宙産業や自動車産業などの多くの用途では、検査者は顕微鏡イメージングから正確な測定を行わなければなりません。従来の光学系による顕微鏡では必要とされる正確さのレベルを提供できません。
従来のレンズで大きな3次元の物体を測定しようとする場合、物体の上部と下部の測定結果は異なって表示される可能性があります。この知覚的エラーまたは視差により、正確で再現可能な測定値を生み出すことが困難になる場合があります。物体の知覚的大きさが変わるだけでなく、物体がレンズに近づくと視界から他の物体を遮る可能性があります。
ところが、テレセントリック光学系により、高度な精度と再現性が保証されます。視差エラーを取り除くだけでなく、また、テレセントリック光学系は、従来の光学系よりも深い被写界深度で、歪曲収差が少なくなる傾向があります。これらの利点から、テレセントリック光学系はデジタルマイクロスコープDSX1000などの非常に信頼性が高い製品に組み込まれています。
倍率変動に対応するために追加のカメラや機器を必要としないため、テレセントリック工学系を装備した顕微鏡は検査プロセスを合理化することができます。
テレセントリック光学系の利点
メーカーは競合他社よりもスピードと規模を拡大しようとしているため、効率的で正確な検査プロセスへの需要は極めてより重要になってきます。テレセントリック光学系のような進歩により、少ない時間で多くが達成可能になり、ビジネスの競争において優位性を得ることができます。