OmniScan™ X3収集データ(.odatファイル)用の高度解析ソフトウェアWeldSight™のリリースを受けて、WeldSightの機能のうち、OmniPC™ソフトウェアにない機能が新しく導入されました。 まず類似点を見ていき、次に違いを比較しましょう。*
WeldSightソフトウェアには、OmniPCソフトウェアユーザーのお気に入りの下記ツールが標準装備されています。
- 標準の事後処理補正機能(ゲイン、オート80%、インデックスとスキャンのオフセット補正、ゲート編集)
- 基本レポート作成と欠陥指示テーブル
- 基本解析ツール(連結カーソル、TOFD校正、マルチウィンドウ機能、キーボードとマウスのショートカット)
- 溶接部の右側と左側を表示するビュー
- 以前に取得した検査ファイルと現在のものを画面上で並べて比較
基本的な超音波フェーズドアレイ検査(PAUT)には、これらの実用的なツールで十分です。 しかし、WeldSightソフトウェアがOmniPCと異なるのは、より複雑な用途を抱える溶接部検査員を支える高度な機能であり、データ解析をさらに発展させます。
溶接部検査用途のための高度なフェーズドアレイ解析ツール
WeldSightソフトウェアは、稼働中および新たに構築された溶接部の両方に対する高度な解析を、OmniScan X3ユーザーに提供するよう最適化されています。 組み込まれているツールや機能は、ISO、API、ASME、および同様の製造コードに準拠しています。
WeldSightソフトウェアにしかない注目すべき機能の一部をご紹介します。
データおよびファイルのマージによる検査対象全体を包括的に理解しやすい
ボルメトリックデータマージ:大型パーツの溶接部全体を1回でスクリーニングして、指示部を効率的に評価します。 データのマージ後、ソフトウェアは投影およびスライスカーソルで平面図、側面図、端面図を作成します。 投影カーソルでは、不要なエコーをフィルター処理で除去して、サンプルの全体像が得られます。
ファイルマージ:別々に取得したデータファイルが継ぎ合わされて、すべての指示部が1つの画像に表示されます。
溶接部内部から得られたデータを分離し焦点を当てる
溶接部ゲートは、溶接部内のデータだけでCスキャンを作成する、事後解析の形状ベースのゲートです。 クリックすると、最大振幅にカーソルを自動的に位置づけできます。 WeldSightソフトウェアには、スキャンしたデータの特定部分を拡大表示できる便利なショートカットもあります。
ドラッグ&ドロップのカスタムレイアウトを使用して、好みや手順に合わせてデータを配置
レイアウトマネージャーから必要なデータ表示をドラッグ&ドロップします。
レイアウトを保存しておくと、常に特定の様式または特定の手順に合わせて配置されます。
高度なTOFDサポートでサイジングと解析が楽
WeldSightソフトウェアの強化された伝播時間回析(TOFD)ツールには、TOFD校正、ラテラル波ひずみ補正および同期、開口合成法(SAFT)、線形化モード、ラテラル波モニタリング用のTOFDゲートがあります。
UT設定および欠損データポイントを監査
解析ダッシュボードでは、斜角ゲート測定値、カーソル測定値、およびサイジング統計に、馴染みのあるOmniScanの用語を使用しています。 欠損データの統計により、検査時の欠損データ数が一目でわかります。
3D表示と極座標表示でレポート作成を強化
PAUTデータの解釈に慣れていない顧客のために、欠陥の場所と重大度を明確にします。
WeldSightソフトウェアの機能の詳細と、OmniPCソフトウェアの機能を比較した表はこちらをご覧ください。 用途に適したソフトウェアの選択についてご不明な点があれば、オリンパスにお問い合わせいただき、具体的な解析ニーズをお伝えください。
*この比較は、WeldSight 1.2R5およびOmniPC 5.4のソフトウェアバージョンに基づくものです。 各ソフトウェアの機能は、バージョンアップにともなって変更されます。