非破壊試験用の超音波探触子では、特定パラメーターの測定に高周波音波が使用されます。 超音波探触子は、探傷、厚さ計測、溶接部検査など、幅広い工業用途で使用されます。
超音波探触子にはさまざまな形状とサイズがあるため、用途にぴったりの探触子を特定することは難しい場合があると弊社も認識しています。 お客様の探触子選択に役立つ5種類の一般的な工業用超音波探触子について概説します。
これらの探触子と一般的な用途についてお読みください。
1. 二振動子型探触子二振動子型探触子は、2個の振動子が同一ケース内で音響隔離板により仕切られた構成になっています。 片方の振動子は音波を生成し、もう一方の振動子はレシーバーとして機能します。 どのような仕組みか見てみましょう。2つの振動子が互いに角度を持ち、試験材料内にV字型のビーム路程を作ります。 基本的には、送信ビームと受信ビームが検査対象の表面下で交差します。 疑似集束効果が作られ、集束ゾーンで解像度が向上します。 |
疑似集束効果による感度の向上は、底面が粗い部品の検査では特に役立ちます。この探触子は、腐食用途において残りの肉厚を測定する際の業界標準になっています。
その他の一般的な用途には、以下があります。
- 溶接部オーバーレイおよび金属被覆材の接合/剥離検査
- 鋳造品および鍛造品におけるポロシティ、含有物、割れ、積層構造の検出
- ボルトなど円柱形対象物における割れの検出
- 高温用途
2. 直接接触型探触子
直接接触型探触子は、名前からわかるように、直接接触して行う検査に使用されます。 この一振動素子型探触子は、ほとんどの金属との接触に最適化された耐摩耗性面を持っており、厳しい産業環境での使用にも耐えられます。
この種類の探触子は、届きにくいエリア用の指先型など、さまざまなスタイルと設定で利用可能です。 直接接触型探触子は、以下の多くの用途に使用されます。
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3. 斜角探触子
斜角探触子は、ウエッジとともに使用され、屈折横波または屈折縦波を試験部品に発信する一振動素子型探触子です。 付け替え型ウエッジまたは一体型ウエッジによって、音波が角度を付けて対象部品に導入されます。
溶接部検査では角度の付いた音波を向ける必要があるため、溶接の完全性試験には、一般に斜角探触子が使用されます。 その他の一般的な工業用途には、探傷や割れサイジングなどがあります。
ウエッジは、特殊なニーズに対応するためにさまざまなサイズで提供されます。 例えば、接近距離が短いウエッジや、高温用途に適したウエッジもあります。 一部のウエッジをカスタマイズして、標準的ではない屈折した角度や輪郭を作ることもできます。
4. 遅延材付き探触子
遅延材付き探触子は、着脱交換可能な遅延材と一緒に使用するように設計された一振動素子型探触子です。 遅延材付き探触子は、名前からわかるように、音波の生成から反射波の到達までの間に遅延時間を導入し、表面近傍の分解能向上に役立ちます。
直接接触法を使用している間は、探触子の周波数が高い方が、薄い材料の検査や測定、小さな欠陥の場所特定に理想的です。 この探触子は、着脱交換可能な遅延材と一緒に使用すれば、さまざまな工業用途に適合します。 一般的な用途は以下のとおりです。
- 精密な厚さ計測
- 薄い材料の探傷
- 接触面積が限られた部品の検査
- 高温用途
5. 水浸型探触子
水浸型探触子は、水中で動作するように設計された一振動素子型探触子です。 この探触子は、試験部品と直接接触するのではなく、水の入ったカラムまたは槽を使用して音響エネルギーを材料にカップリングさせます。
水浸技法では、均一な高速カップリングが可能になるため、検査員は迅速に部品をスキャンできます。 検査員は、集束探触子を選択することで、部品の特定領域における感度と性能を向上できます。
水浸型探触子は、可動部品のインライン試験や工程内試験、自動走査、複雑な形状を持つ試験部品におけるシャープな半径、溝、またはチャンネルへの音響カップリングの最適化によく使用されます。 用途は以下のとおりです。
- インライン厚さ計測
- 高速探傷
- 飛行時間型および振幅ベースの画像化
- 試料分析と音速測定
- トランスミッションテスト
カスタム探触子および特殊な探触子
オリンパスは、さまざまな周波数、振動子径、コネクタースタイルがある4,000種類を超える超音波探触子を提供しています。 お客様の用途に必要な探触子が見つからない場合は、カスタム設計や特殊設計をご利用いただけます。
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