デュアルリニアアレイ™(DLA)プローブは、パルス・レシーブ音波ビームを音響的に絶縁する遅延材に、送受信アレイが角度を付けて取り付けられた独特な設計になっています。これによって対象物の表面下に生成ビームが集束されて、表面反射の振幅が低減し、表面近傍の分解能が高まります。
音響的に絶縁されたパルス・レシーブを行うDLAプローブのリニアアレイ断面 | 耐摩耗カーバイドプレートが取り付けられたREX1 DLAプローブ底面と、着脱式遅延材(右) |
当社のフェーズドアレイ(PA)腐食検査用DLAプローブには、従来の超音波探傷(UT)に用いられる二振動子型探触子より優れた特長がいくつかあります。
改善点には以下が含まれます。
DLAプローブに、オプションの湾曲した着脱式遅延材と給水機構を使用すると、最小4インチ(101.6 mm)径パイプに合わせて最適化できます。また、高温対応の遅延材では、最高150°C(300°F)の表面も検査できます。 |
デュアルリニアアレイプローブの再設計に至った理由
DLAプローブは特別に開発された配線のおかげで、PRモジュールを持たないPAデータ収集装置と使用する場合でも、価値あるPA検査を実施できると証明されています。自動または半自動スキャナーに装着して、腐食モニタリングに適した高品質なC-スキャンイメージングが可能であるほか、孔食、クリープ損傷、水素誘起割れ(HIC)などの重大な欠陥の評価にも最適です。
フェーズドアレイ機器の性能が進歩するにつれて、プローブ技術への需要も高まっています。当社のセンサーRチームがREX1 DLAプローブの「パルス・レシーブ」(PR)モデルの設計に着手したのは、こうした性能要件の高まりによるものでした。ビーム照射性能をさらに高めるため、REX1 PRモデルの配線は元のモデルとは異なる構成になっています。
高度な超音波探傷には高度な電子機器が必要
トータルフォーカシングメソッド(TFM)や位相コヒーレンスイメージング(PCI)などの新しい高度な超音波探傷法では、元のプローブ配線の限界が試される複雑な照射シーケンスが必要になります。
この画期的なイメージング法の詳細は、位相コヒーレンスイメージング(PCI)の有益な用途をご覧ください。
REX1 DLA PRモデルアレイの素子間の電子接続は、OmniScan™ X3探傷器のTFM、OmniScan X3 64探傷器のPCIおよびTFMで求められる複雑なフォーカルロウに対応するために最適化されています。TFMとPCIのイメージング性能の可能性をフル活用するには、PRバージョンのREX1 DLAプローブを選択する必要があります。
REX1 DLA PRプローブでは、標準的なPAイメージングに加えて、効率的で高品質なTFMおよびPCIスキャンを実行できます。以下に示す鉄鋼の水素誘起割れを撮影した画像例をご覧ください。
適合性を最大限にするため、OmniScan X3シリーズにはDLAプローブの仕様が事前に設定され、検査設定が簡単になっています。TFMまたはPCIスキャンプランを作成する場合、装置上でプローブリストからご使用のDLAモデルを選択すれば、そのままフォーカルロウ設定を進められます。
REX1 DLAモデルの選択ではPRに注目
OmniScan X3またはOmniScan X3 64探傷器をお持ちで、装置の可能性を最大限に引き出すDLAプローブを発注したい場合は、製品型番に「PR」があることを確認してください。
以下の例をご覧ください。
上記はREX1 DLA PRプローブの製品型番を部分ごとに説明したものです。すべてのREX1 DLA PRモデルを表すPRの部分が青色で強調されています。
検査に必要な他のすべてのプローブ特性に間違いがなければ、あとはPRに注目するだけです。発注情報の詳細は、このカタログをダウンロードしてご覧ください。
ただし、対象物や欠陥の種類に最適なプローブの判断に迷われる場合は、お気軽に最寄りのEvidentまでお問い合わせください。お客様のニーズと装置のどちらにも最適なプローブが必ず手に入ります。
DLAプローブとOmniScan X3シリーズの機能の詳細をご覧ください。