状態モニタリングスケジュールにボアスコープまたはビデオスコープを使用する際には、私達がお手伝い致します。 当社の工業用内視鏡検査(RVI)専門家は、風力タービンギアボックスについて、基本的な内部構造からギアボックス部品のボアスコープ検査実施に至るまで、幅広い知識があります。 また、必要なトレーニング、カスタマイズ保守点検サービス、機器オプションのレンタルも提供できます(地域によって異なります)。
私が最近投稿したRVIと風力タービンに関する記事をご覧いただけば、ビデオスコープ検査が重要である理由とビデオスコープの購入時に注目する機能がわかります。 次のステップでは、ギアボックスとその構成部品のビデオスコープ検査を実施する方法について学びます。
ギアボックスの中には何がある? 内部構成部品を知る
ビデオスコープを使うのは簡単です—複雑な部分は、ギアボックスの内部構成部品どうしの隙間を縫ってアクセスする点です。 2 MWの風力タービン用に設計された標準ギアボックスには、1つの遊星ステージと2つの平行ステージ、合わせて3つのステージがあります。 これには20個の軸受と9個の歯車があり、すべてが検査対象です。 これらの部品の構造と、ビデオスコープでどのように見えるかをよく理解することが重要です。 そして、これらの初期状態の外観を把握すれば、劣化や破損を識別しやすくなります。
凡例 PLC:遊星キャリア | |
ギアボックス内部構成部品の概略図(引用元https://www.nrel.gov/) |
このブログでは、部品の一般的な概要と、それらにアクセスして正しく観察する方法について説明します。
ビデオスコープで遊星ステージにアクセスおよび検査する方法
遊星ステージには、2個の遊星軸受と9個の円筒遊星軸受があります。 遊星ステージへは、ギアボックスのローター側にある小さいハッチを通ってアクセスできます。これは通常、2時と10時の位置にあります。
- リングギア、遊星ギア、太陽ギア:これらのギアは、ローター側のハッチからビデオスコープで容易に検査できます。
ギアの歯の表面状態をチェックするには、短焦点の前方視ビデオスコープが推奨されます。
2か所の圧痕がある損傷したギアの歯
遊星軸受:遊星キャリアと遊星ホイールの隙間から遊星軸受までビデオスコープを通します。 ベントガイドチューブを使用すると、ギアボックス内部の油分の多い表面にレンズが触れるのを避けられます。また、当社のオイルクリアリングレンズアダプターも視界の向上に役立ちます。 遊星ホイールは3個あるため、2個分の遊星軸受にアクセスするには、ローターを回転させる必要があります。 -
ローター側のキャリア軸受:遊星キャリアとギアボックスのローター側壁の間にスコープを挿入して、ローター側のキャリア軸受を検査します。
発電機側のキャリア軸受は、フロントハッチから離れた位置にあるため、検査が困難な場合があります。
ギアボックス上部に平行ステージハッチがあれば、試すべきです。一部のギアボックスには、遊星ステージと平行ステージの間に大きな開口部があります。
それがない場合は、フロントハッチから長いガイドチューブを使用して、発電機側のキャリア軸受にアクセスしてください。
Wind Driven LLC社からの使用許可を受けた画像
損傷のない軸受
剥離損傷のある軸受
ビデオスコープによる両方の平行ステージへのアクセスおよび検査方法
2つの平行ステージには3つのシャフトがあり、そのそれぞれに、シャフト軸荷重および誘導用に1つの円筒ころ軸受と2つの円すいころ軸受があります。 平行ステージへは、ギアボックス上部の大きなハッチからアクセスできます。
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高速、中速、低速のギア、ピニオン、および軸受:ギアボックス上部にあるアクセスハッチは、標準的なデジタルカメラを使用してこれらのギアとピニオンの写真を撮るのに十分な大きさがあります。
ただし、軸受の状態をチェックするにはビデオスコープが必要です。
- 高速シャフト(HSS)の軸受:通常、この軸受は、ギアボックス上部のアクセスハッチ付近にあります。 そのため、ビデオスコープを手で持ち、ビデオスコープヘッドをころ軸受の間に差し込むことができます。
- 中速シャフト(IMS)および低速シャフト(LSS)の軸受:上部のアクセスハッチを使用しますが、ビデオスコープを遠くにある軸受に届くまで挿入するために、ガイドチューブが必要になります。
重要な安全に関するヒント—油分を含む蒸気を吸い込まないために
風力タービンギアボックス内の温度は、運転時には最大70 °C(158 °F)に達します。 風力タービンを停止してギアボックスのハッチを開くと、熱く油分を含む蒸気が放出されます。 この蒸気を吸い込まないようにするには、ギアボックスのハッチを開ける前に、ナセルの窓またはルーフを開ける必要があります。 その後、ギアボックスの下のデッキで30分以上待ってから、ビデオスコープ検査を開始します。
データ管理のヒント—部位を特定するための画像の整理
データ管理をスピードアップするためのもう1つの役立つヒントは、以前に解説した画像フォルダーを準備することです(このブログシリーズ第2弾の項目5を参照)。 当社のInHelp™検査支援ソフトウェアは、画像データをきちんと整理するのに役立つツールです
ボアスコープおよびビデオスコープのトレーニングプログラムの手引き
当社のRVI専門家は、ギアボックス検査と保守点検プログラム構築に役立つ手引きと実用的なヒントを提供できます。 当社のトレーニングおよび支援リソースの一部を以下に示します。
オリンパスのボアスコープおよびビデオスコープのトレーニングプログラム
カスタマイズされたボアスコープ/ビデオスコープのトレーニングを、お客様の現場またはオリンパス社内で提供します。 IPLEXビデオスコープの全機能の使用方法のほか、機器の正しいお手入れ方法についてもお教えします。 ビデオスコープの性能を最大にするには、状態を維持することが重要です。 当社のトレーニングアカデミーについて詳細をご覧ください。
ビデオスコープまたはボアスコープの清浄方法
油っぽいギアボックスの検査では、画質を高く保つために、ビデオスコープとレンズの清浄方法を把握しておくことが欠かせません。 当社の短いビデオチュートリアルで、ビデオスコープの清浄方法を習得しましょう。
風力発電アカデミー:ボアスコープのトレーニングプログラム
いくつかの国では、ボアスコープとビデオスコープによるギアボックス検査のトレーニングを行うために、オリンパスが風力発電アカデミー組織と提携しています。 ご興味のある方は、お近くのオリンパスまでお問い合わせください。
OEMボアスコープトレーニングプログラム
いくつかのギアボックスメーカーと整備会社は、ギアボックス用ボアスコープのトレーニングを提供しています。 ご利用のギアボックスメーカーがボアスコープのトレーニングサービスを提供しているかどうか、ウェブサイトで確認してください。
ビデオスコープのレンタルサービス
一部の地域では、ファイナンスリースまたはオペレーティングリース契約や、ビデオスコープのレンタルも可能です。 お客様の地域でご利用可能な取引内容については、お近くのオリンパスまでお問い合わせください。
その他RVIについてご質問がございましたら、お気軽にお問い合わせください。 当社の専門家がお答えします。
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