レーザー顕微鏡は多くの市場で活躍している。以下にレーザー顕微鏡の代表的なアプリケーション事例を示す。
MEMSのようなデバイスは、形状がデバイスの性能を左右するケースも多く、形状測定が重要な管理項目となる。レーザー顕微鏡では凹凸の多いデバイスも正確な3次元形状を取得し、段差等の形状測定が可能である。 |
レーザー顕微鏡は透明体においても、サンプル表面で数%の反射率があれば、形状を取得可能である。サンプルは直径20μm、高さ10μmのマイクロレンズである。 |
高密度実装におけるウエハバンプは、ますます微細化が進んでいる。管理項目としてはバンプの高さ、直径、バンプピッチの測定が一般的だが、最近ではバンプの体積、バンプ頂点部分の表面粗さなども管理対象となってきており、バンプ以外にもワイヤボンディング用のキャピラリの評価にも用いられている。図は直径12μm、高さ3μmのはんだウエハバンプのテストパターンである。 |
OLS5000は色情報を取得できる光学顕微鏡の機能も搭載しており、取得した3次元情報に色情報を加えて表示することも可能である。 |
プリント基板では、微細化が進んだ銅配線の線幅管理に用いられ、銅配線の抵抗値を評価するために銅配線の断面積を評価するケースもある。さらにCSPバンプが接合されるパッド部分の表面粗さも評価の対象となる。最近では銅箔の密着性や導電性を高めるために基板の粗化技術も進んでおり、この評価の目的でレーザー顕微鏡を導入するケースも増えている。 |
フレキシブル基板を用いた電子機器においてコネクタ部は信頼性を維持する上で重要である。コネクタのラッチ部となる窪み部の形状、深さや、実際に接続した際に出来るみぞ深さを正確に測定することができる。 |
従来の光学式測定機器は斜面部分の反射率が低く、サンプルの壁面近傍が見にくいという欠点があった。OLS5000では苦手としていた急斜面の検出能力も飛躍的に向上しており、導光板プリズムの急峻な斜面部の形状も取得可能である。 |
OLS5000は透明体であっても、サンプル表面で数%の反射率があれば、形状の取得が可能。3次元情報を取得し、面粗さの測定が可能なため、サンドブラストの条件を変更した、様々なすりガラスの粗さを評価・管理することも可能である。 |
従来、柔らかいサンプルを触針式粗さ測定機でスキャンすると、測定したい面を削り取ってしまうという問題があった。非接触で測定可能なレーザー顕微鏡であれば、粘性、弾性、軟性などサンプルの表面状態に影響されずに表面形状測定が可能である。 |
OLS5000はサンプル表面で数%の反射率があればデータの取得が可能である。そのため、カーボンのような反射率が低い、黒い色のサンプルも表面状態を鮮明に観察することができる。 |
レーザー顕微鏡はサンプルの全体に焦点があった画像を取得することができるので、凹凸の大きいサンプルでもその全体像を観察・評価できる。サンプルはフィルター上の残った異物を捕らえたものであり異物の幅は約30μmである。 |
従来の光学式測定機器は斜面部分の反射率が低く、サンプルの壁面近傍が見にくいという欠点があった。OLS5000では、従来苦手とされていた急斜面の検出能力も飛躍的に向上し、85度の斜面測定が可能となっている。 |
OLS5000のレーザースポット半径は最小0.2μm程度である。そのため触針式粗さ計では針が入らないような微小かつ深い溝の部分でも正確にデータ取得を行うことが可能である。 |
レーザー顕微鏡は光学顕微鏡よりも平面分解能に優れ、サンプル全体に焦点のあった画像を取得できる。そのため非常に微小なバイトチップの欠けや磨耗なども観察可能である。 |
触針式粗さ測定機では、数10ミクロンのワイヤーの上をスキャンするのが困難であったのに対し、レーザー顕微鏡では、このような微小領域の位置決めが容易に行えるため、表面粗さも簡単に測定できる。 |
レーザー顕微鏡は反射が得られる素材であれば3次元のデータ取得が可能である。そのため工業製品のみならず、毛髪・皮膚などの様々なサンプルの観察手段として採用されている。 |
その他のアプリケーション | |
半導体 |
LSI / IC
LD / LED MEMS ベアウエハ フォトマスク レジスト バンプ 薄膜 マイクロレンズ |
電子部品 |
FPD
有機EL パッケージ ワイヤボンディング FCB ダイボンディング プリント基板 リードフレーム LD/LED PSS 水晶発振子 コンデンサ HDD モーター 光ファイバー |
素材 |
鉄鋼
非鉄金属 繊維 コーティング 塗料 接着剤 フィルム 樹脂素材 セラミック 布 紙 めっき ゴム トナー 磁石 ガラス |
自動車部品 |
ピストン&シリンダー
トランスミッション ブレーキディスク ブレーキパッド タイヤ 車体金属 車体塗料 車体コーティング シートベルト フィルター センサー |
機械加工 |
ブレード
チップツール エンドミル 研磨布 バイト 歯車 ネジ 金型 射出成型 砥石 |
医療デバイス |
注射針
メス カテーテル インプラント ステント 内視鏡 人工心臓 人工骨 |
エネルギー |
太陽電池
リチウムイオン電池 |
リサーチ |
大学
公的研究機関 民間研究機関 |
その他 |
化粧品
毛髪 皮膚 赤血球 錠剤 エマルション 紙幣 硬貨 |
共焦点顕微鏡の特長を生かし、ソフトウェアに新たな機能を追加していくことで、今後も微小物体を対象とした3次元計測において、レーザー顕微鏡の用途が拡がっていくことが期待される。また、ユーザーの装置に対する要求も、さらに高精度、高分解能へ向かっていくものと思われる。
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