はじめに
石油製品と燃料に含まれる硫黄に関する国内外の規制は、近年ますます厳しくなっています。 原油に含まれる硫黄は車両の排ガス制御システムに影響を及ぼし、大気汚染につながる可能性があるため、精製処理段階で除去する必要があります。 蛍光X線分析(XRF)を使用すると、燃料中の硫黄のレベルを測定できます。 オリンパスのVanta蛍光X線分析計は、ASTM D-4294などの規格によって定められた厳しい検査要件を十分に満たしています。 Vantaハンドヘルド分析計は、硫黄含有量を数秒で正確に測定でき、過酷な環境下においても、実質的に試料の前処理を行わずに済みます。 |
少量の硫黄分析へのVanta分析計の使用
ASTM D-4294では、蛍光X線分析を使用して各種石油製品中の硫黄含有量を分析する際の、検査および性能のガイドラインが定められています。 Vanta蛍光X線分析計には、D-4294規格に則して検査を行うユーザーに適したいくつかの利点があります。
- 堅牢(IP65/64防塵防滴規格および耐落下テスト済み(MIL-STD 810G))
- 独自のAXON TECHNOLOGYにより、正確性と再現性に優れた性能を実現
- 実質的に試料の前処理が不要 — 試料を容器に集めて分析するだけ
- ポータブルなVantaワークステーションが提供する遮へい型の安全性と一貫した試料の提示
- 摩耗金属(Fe、Cr、Niなど)や添加剤(P、Ca、Kなど)といった その他の元素を測定
はじめにVanta分析計の性能を実証するため、VCA(Vanta Cシリーズモデル、ターゲット材はAg)を使用して、認証値を持ついくつかの原油試料で少量の硫黄含有量(<150 ppm)を検査しました。 試料はVantaポータブルワークステーション内でそれぞれ120秒間検査されました。 以下は、5回繰り返し行った検査の平均を示しています。 |
標準油 | 硫黄(S)検体 | S | S +/- |
Mineral Oil | 0 | 0 | 9 |
SMO-10-100 | 10 | 16 | 9 |
SMO-25-100 | 25 | 31,2 | 9 |
SMO-50-100 | 50 | 42,4 | 9 |
SMO-100-100 | 100 | 128,6 | 9 |
SMO-150-100 | 150 | 154 | 9 |
結論
オリンパスのVantaハンドヘルド蛍光X線分析計は、ASTM D-4294に則して硫黄含有量を効果的かつ正確に測定できます。 Vanta分析計の正確性と精度によって、燃料規制の準拠を維持できます。