無限遠補正光学系では標本から対物レンズを経た光線は対物レンズでは結像せずに、無限遠の平行光束として結像レンズに入り、結像レンズによって中間像を結びます。一方、有限遠補正光学系では、対物レンズ単体で中間像を結びます。
無限遠補正光学系と有限遠補正光学系の原理図
無限遠補正の光学システムは対物レンズと結像レンズの間が平行光線となっているため、原理的に次のような メリットがあります。
対物レンズと結像レンズの間隔を変えても倍率が変わらない
対物レンズと結像レンズとの間に平行平面板を入れても、同焦点が保たれ像ズレが起こらない
ここに挙げた2つのメリットは、顕微鏡光学システムを構成する上でとても大きなメリットになるため、従来から「無限遠補正光学システムは理想の顕微鏡光学システムである」と言われてきました。このメリットを最大限に活すことができれば、対物レンズと結像レンズとの平行光束部分に中間鏡筒を自由に出し入れすることにより、最適なシステムの 構築が可能となります。
*UIS2/UIS対物レンズの同焦点距離は45mm、結像レ ンズの焦点距離は180mmです。
無限遠補正光学系のメリットを示す図