曲面のある試験体で探傷を行う場合、反射源の深さと位置を正確に測定するために曲面補正(CSC)ソフトウェアを使用します。 一般的な平板検査やパイプ類の軸方向検査では、レグ長、反射源の深さ、表面距離などは単純な三角法の計算で求められます。 しかし、曲面のある部品を周方向に検査する場合、これらの式は湾曲のため不正確になります。実質的に反射源がプローブから遠ざかるため、音波経路が長くなり、部品の内面の反射角が変化します。 例えば、厚さ20 mmの平板と湾曲した板について、45°のビームで測定値を比較します。 左下の図に示した平板の場合、音波経路長35 mmのエコーは、深さ15.2 mm、ビーム出口点から24.8 mm先の位置にある反射源に対応します。 しかし補正を行わない場合、200 mm径パイプ(半径100 mm)における同じ35 mmの音波経路は、外径表面の19.2 mm下、ビーム出口点から表面に沿って31.7 mm先の反射源に対応する、誤った寸法測定値を生成することになります(右下の図参照)。
湾曲に合わせて修正するには、以下に定義した角度、測定された音波経路、寸法に基づいて、多数の数学的関係を適用できます。 これらの式がソフトウェア内で実行されると、欠陥の表面距離と垂直深さを正しく計算できます。 オペレーターが入射角、部品厚さ、部品直径を入力すると、探傷器は適切な三角方程式を適用して、測定されたビーム路程を調整します。
以下の例は、写真に示す測定に対するCSCソフトウェアの作用を示しています。 CSCがオフの場合、表示される深さと表面距離は低すぎますが、CSCをオンにすると、表示される数値は湾曲に合わせて補正されます。
CSCオフ
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CSCオン
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