DGSは、反射源からのエコー振幅と、同じ深さまたは距離にある平底穴(FBH)からのエコーの振幅を関連付けたサイジング技法です。 これは、等価きず直径(ERS)として知られています。 DGSは距離/ゲイン/サイズの略であり、ドイツ名のAbstand Verstarkung GrosseからAVGとも呼ばれています。 従来、この技法では、エコー振幅と出力された曲線を手動で比較する必要がありましたが、現在のデジタル探傷器では校正手順に従って曲線を描くことができ、ゲート内のピークのERSは自動計算されます。 生成される曲線は、特定の探触子の周波数および振動子径に基づき、単一の校正ポイントを使用して計算された指向角パターンから派生します。 校正試験片や試験体の材料減衰とカップリング変動を考慮にいれることができます。 DGSは元々は数学的技法の一種であり、円形プローブの計算されたビーム形状と、円形平面の反射源に対する測定可能な材料特性の比に基づくものです。 以来、この技法は正方形素子や二振動素子に適用されていますが、後者については曲線セットが経験的に得られます。 導き出されたDGS計算値を実際の試験体内の欠陥にどのように関連付けるかは、常にユーザーの判断にゆだねられます。
標準的なDGS曲線セットの例を示します。 1番上の曲線は、平板反射源からのエコーの相対振幅をデシベル単位で表したもので、探触子からの距離をさまざまに変えてプロットしています。その下にある複数の曲線は、同じ距離スケールで次第に小さくなるディスク状反射源からのエコーの相対振幅を表しています。
現在のデジタル探傷器で実行されているように、DGS曲線は通常、底面反射源や所定の深さにある平底穴などの既知のターゲットではなく、1つの基準校正に基づいてプロットされます。 その1つの校正ポイントから、プローブと材料特性を基に曲線セット全体をプロットできます。 通常探傷器に表示されるのは、曲線セット全体ではなく、選択された反射源サイズ(登録レベル)に基づく1つの曲線です。この反射源サイズはユーザーが調整できます。 以下の例で、上の曲線は、10 mm~50 mmの深さにある2 mmのディスク状反射源のDGSプロットを表しています。 下の曲線は、6 dB低くプロットされた基準線です。 左の画面で、赤色のゲートは深さ約20 mmにある2 mm径の平底穴からの反射をマーキングしています。 この反射源は選択された登録レベルと等しいため、ピークはその深さで曲線と一致します。 右の画面で、深さ約26 mmにある別の反射源からの反射がゲートに入っています。 曲線に対するその高さと深さから、探傷器はERSを1.5 mmと計算しました。