50年以上に渡り、超音波厚さ計は産業全体の至るところで品質管理の専門家による多種多様な製品の厚さの測定に使用されてきました。 この中には、航空機のタービンブレードに摩耗がないかなど、重要な部品を試験する検査員や、稼働中の腐食がないかパイプやタンクを点検する保守点検担当のクルーが含まれます。 長年にわたってハードウェアやソフトウェアが進展するにつれ、超音波厚さ計も強力で信頼性が高く使いやすいツールになりました。 当チュートリアルでは、超音波厚さ計の動作方法や用途について説明します。
超音波厚さ計は、例えばパイプや管などのように、検査員が部品の片側からしかアクセスできないような場合や、部品のサイズやアクセスが制限されているといった理由で単純な機械測定が不可能な場合または現実的でない場合に、材料の厚さを判定するのによく使われます。 部品を切る必要がなく、厚さ測定を片側から迅速に簡単に実施できることが、この技術の主な利点です。
実質的には、ほぼあらゆる一般的なエンジニアリング材料が超音波で測定可能です。 超音波厚さ計は、金属、プラスチック、複合材料、グラスファイバー、セラミックス、およびガラスに対応できます。 押出成形プラスチックと圧延金属の、工程中または工程間の測定も可能なことが多く、多層製造における各層またはコーティングの測定も可能です。 液面や生体サンプルも測定できます。 超音波計測は常に完全に非破壊であり、切断したり断面を作り出したりする必要がありません。 測定範囲は材料や探触子により異なりますが、0.08 mm(0.003インチ)から 635 mm(25インチ) まで可能です。 一般的に、従来の超音波厚さ計を使った測定が不適切な材料には、木材、コンクリート、紙および泡などの製品があります。
超音波厚さ計は、超音波探触子と呼ばれるプローブから発した音波のパルスが、試験片を通過するのにどれだけの時間がかかるかを極めて正確に測定することで動作します。 音波は材料の境界部から反射されるため、試験片の反対側からのエコーの時間を計ることによって材料の厚さが計測できます。これはレーダーやソナーが距離を測定するのと同じ方法です。 分解能は最大0.001 mmまたは0.0025 mm(0.0001インチ)です。
ほとんどの超音波厚さ計測の用途では小型のハンドヘルド型探触子が使用されますが、複雑な形状の場合や工程中試験の場合には、水柱や水槽を通して音波ビームを集束させる非接触探触子が必要とされることがあります。 測定は基本的に瞬時に行われ、内部の装置データロガー上に記録して文書化または分析が可能です。
超音波計測は、腐食、コーティング、およびほとんどの典型的な金属、プラスチック、複合材料、グラスファイバー、セラミック、ガラスなど、さまざまな材料の測定に使用可能です。
長い間検知されないままでいると、腐食によって桁、橋脚、および鋼管のような金属製構造物の完全性が弱くなる可能性があります。 超音波厚さ計を使用すると、金属を非破壊で検査し、腐食が原因で金属構造に発生した可能性がある損傷や脆弱性を検知することができます。
超音波厚さ計を使用すると、パイプやタンク、シートやコイル、ガンドリル加工、または管など、多くの金属製品を測定できます。 超音波計測は品質保証目的にも使用され、製造が業界標準に適合し、製品が主機能を実施するのに十分に安全で強度があることを保証します。
プラスチックのような非金属エンジニアリング製品の使用はより一般的になっており、品質管理目的で肉厚を測定するニーズが高まっています。 現在超音波試験は、ボトルや容器、プラスチック製パイプやグラスファイバー製パイプ、ボートに使用されており、業界標準への正確な適合性や、製造された材料が安全に使用できることを保証しています。
超音波計測は、他にも種々の材料にも使用できます。 ゴム製品、セラミックス、ガラス製品や、ユーザーが材料のどちら側にもアクセスできない液面などが含まれます。