直感的な操作が可能なインターフェースを採用

高い検査効率と容易な操作性を同時に実現

NORTEC 600シリーズのユーザーインターフェースは、直感的に使いやすい操作性と効率性を考慮し、初心者のオペレーターでも、短時間のトレーニングで高い検査効率を実現できるよう設計されています。このユーザーインターフェースは、15以上の言語に対応しています。

｢アプリケーション選択｣と｢全設定｣

さまざまなユーザーニーズに対応できるよう｢アプリケーション選択｣メニューが装備されています。このメニューには事前に定義されたデフォルト設定が含まれており、短時間で信号を校正することができます。
また探傷器には、一度にすべてのパラメーターを画面表示できる｢全設定｣というページが追加されているため、特定の検査手順書に従う検査の場合など、探傷器をすばやく設定することができます。

フリーズモードにおける信号の校正

フリーズモードにより、作業中のオペレーターはプローブの移動だけに集中することができるため、安定したスキャンが可能です。スキャン終了後、画面表示をフリーズした状態でゲインと位相を調整することができます。

データ保存と簡易的なレポート作成

ワンタッチですぐにファイル保存や基準信号を表示

保存キーを1度押すだけで、現在の設定(プログラム)および信号(データ)を1つのファイルとして同時にメモリーに保存します。

探傷器がデータ記録を実際に開始する前に、正しい探傷位置と適切なスキャン動作を補正することができるよう、信号のキャプチャー開始のタイミングを遅延させることもできます。内蔵メモリーは最大500ファイルまで保存可能で、必要に応じて他の装置またはコンピューターに転送することができます。

また、バックグラウンドの基準信号もメモリーからすばやく簡単に呼び出すことができます。ライブ信号が画面に表示されている間、保存キーを押し続けると、これらのライブ信号を基準信号としてバックグラウンドに移動することができます。

直感的なファイル管理

NORTEC 600シリーズのファイルマネージャー・メニューを使用し、効率的にファイル管理を行うことができます。わかりやすく各ファイルを閲覧することができるよう、ファイルレビュー機能が付いています。この機能により適切なファイルを検索し、必要に応じて呼び出すことができます。

ファイルマネージャー・メニューでは、すべてのファイルの編集、上書き、削除を最小限の操作で行うことが可能です。内蔵テキストエディターにより、検査作業中にファイル名、検査者名、探傷器情報の変更や注釈を追加することもできます。

NORTEC PCで簡単にデータを保存

探傷中、記録された欠陥指示をPCソフトウェアのNORTEC PCでいつでも確認することができます。NORTEC PCソフトウェアを使用すれば、探傷器とコンピューター間のファイル交換も簡単です。USBケーブル経由ですべてのファイルを素早くダウンロード／アップロードすることができます。また、ファイルをコンピューターに移動後、表示、クリップボードにコピー、またはPDF形式のレポートとしてエクスポートすることができます。 NORTEC PCには｢PDF ALL(すべてのPDF)｣機能が付いており、クリック一つで全探傷レポートを作成することができ、データの保存も簡単です。

探傷用途に適した優れた信号性能を実現

表面探傷

NORTEC 600シリーズの優れたパフォーマンスと鮮明なディスプレイにより、表面探傷における高い信号品質を実現します。

10×10グリッド、スイープ(ストリップチャート)、複数のアラーム設定、自動リフトオフなど、中～高周波による探傷に必要な、さまざまな標準機能を備えています。

ヌルポイント十字基準線、グリッド幅調整(拡張)と放射状グリッド、自動内部バランス回路(BNC コネクター対象)などの機能により、材料の表面探傷を効果的に行うことができます。

ホイール探傷

ホイール探傷で使用するプローブは信号振幅が低いことが多く、プリアンプが必要になる場合がよくあります。 しかし、広範囲におよぶゲイン調整範囲(0-100dB)と新たな回路設計により、ホイール探傷中、プリアンプ無しでも優れた信号品質を実現します。

ボルトホール探傷用に改良されたフィルター(600S、600D)

シンプルな設定手順と改良されたフィルターシステムを備えたNORTEC 600は、ボルトホール(回転スキャナー)探傷に最適な探傷器です。NORTEC 600のフィルターは、デフォルト設定では、回転ボルトホールアプリケーションの標準形である｢Figure 6｣応答に設定されています。また、必要に応じてフィルターは｢Figure 8｣応答にも設定することができます。より簡単に設定を行うため、新しいリンクオプションを有効にして、スキャナーの速度設定に合わせてフィルター設定を自動的に調整することができます。

導電率およびコーティング厚さ測定(600C、600S、600D)

NORTEC 600の導電率モードには、ユーザー定義による導電率やコーティング厚さの基準設定を行う校正ウィザードが装備されています。 導電率および非強磁性体材料の肉厚最大0.64mmまでの非導電性コーティングの厚さを測定することができます。

溶接部探傷にも対応

ポータブルで耐久性に優れたボディーは、苛酷な環境における溶接部探傷にも適しています。検査のオペレーターがロープを使って溶接部にアクセスし探傷を行うような場合には、チェストハーネスを4 ヶ所の固定位置に取り付け、探傷器を首から下げて使用することができます。

また、すぐに探傷を開始できるよう、溶接部探傷のためのセットアップ機能を搭載しているので、探傷の準備や校正を簡易化することができます。塗装層の厚さも単一周波数または二重周波数の両モードで測定することができます(600Dのみ)。

ホール探傷における従来のインデックススキャナー対応(600S、600D)

NORTEC 600では、重要なホール探傷も簡単に高精度で行うことができます。従来のPS5インデックス式回転スキャナー、ウォーターフォール表示、また新たなレイヤーカーソルに対応しているため、簡単に多層構造内の欠陥の位置を検出することができます。

二重周波数探傷の先進機能

オールインワン表示(600D)

オールインワン表示機能は、最大3つまでの設定可能なトレース(周波数1、周波数2、ミックスチャンネル)を一画面で同時に表示できる機能です。 各チャンネルは、インピーダンスまたはストリップチャートとして表示され、その表示位置を調整することができます。

自動ミキシング(600D)

NORTEC 600の自動ミキシング機能は、きず信号を目立たせるために、周波数1と周波数2を自動で最適化し、きずが無い部分の信号を最小化させることができる機能です。この機能は特に熱交換器の探傷に有用です。

リアルタイムに測定値を表示

リアルタイム測定パラメーターで、標準スクリーンモードまたはフルスクリーンモードで、最大2種類までの信号測定を選択し、表示することができます。さまざまな信号の角度(位相)に対応する信号振幅リアルタイムに把握しながら検査をすることができます。

• 3タイプのピークtoピーク振幅測定(水平、垂直、大きさ)から選択
• ヌルポイントからの水平方向または垂直方向の最大距離
• ピークtoピークとしての信号の位相測定

標準付属品

NORTEC 600の構成は以下の通りです。

モデル：ベーシック、導電率(C)、スキャナー(S)、二重周波数(D)

電源コード：11種類以上の電源コードモデル(DCチャージャー用)

キーパッドおよび簡易操作ラベル：日本語、英語、国際記号(アイコン)、中国語

スタートガイド(印刷マニュアル)：9カ国語以上の言語対応

全てのNORTEC 600モデルに含まれる付属品*：NORTEC 600本体と工場出荷時にインストール済みのハンドストラップ、スタートガイド、工場出荷時証明書、ハードケース、DCチャージャーおよび電源コード、リチウムイオン電池、単三電池トレー、USB通信ケーブル、microSDメモリーカードとアダプター、NORTEC PCソフトウェア、ユーザーズマニュアル収録ディスク

*標準付属品は国また地域により異なる場合があります。詳しくは、お近くのオリンパスまでお問い合わせください。

NORTEC 600Cモデルにのみ含まれる付属品：導電性プローブ(19mm、60kHz)、導電率校正用試験片(2組：29％および59％)、校正用シム