OmniScan™ X3およびX3 64探傷器の内蔵ソフトウェアMXU 5.11のリリースとともに、探傷器で作成されるデータファイルのファイルフォーマットが、.odatから.ndeに変更されました。この変更は、NDTデータの管理・アクセス方法の変更の始まりです。OmniScan X3シリーズから始まりますが、今後すべてのEvident非破壊検査ソフトウェアおよびハードウェアプラットフォームに適用されます。これがNDT産業全体に広がり、使用されることを願っています。
.ndeファイルの構造はHierarchical Data Formatバージョン5(HDF5)を基にしているため、以下を含むいくつかの利点があります。
さらに.ndeデータファイルは今後、Evident解析プラットフォーム間で直接共有できるようになります。
OmniScan™ X3を使用されるお客様のニーズに応じて、この新しいファイルフォーマットにはさまざまな影響があります。そのため、このよくある質問(FAQ)は4つのセクションに分かれています。まずすべてのユーザー向けの一般的な情報から始めて、徐々に専門的な情報に移ります。
Q:.ndeと.odatのファイルフォーマットはどのように異なりますか?
主な違いは、.ndeはオープンファイルフォーマットであるため、専用のソフトウェアがなくてもデータにアクセスできる点です。また、検査プラットフォーム間で共有されたデータ解析ソフトウェアの将来的な開発、改善されたソフトウェアソリューション、よりよいデータ管理の可能性も広がります。
Q:.ndeが「オープンファイルフォーマット」であるというのは、ロックされていないことを意味しますか?
オープンファイルフォーマットとは、既存の専用NDTデータファイル構造を使用していないことを意味し、.ndeファイルフォーマットではHDF5オープンソース構造を基盤として使用しています。HDF5または.jsonファイルを開いて読み取れるソフトウェアであれば、.ndeデータも開けます。
Q:オープンファイルフォーマットの利点は何ですか?
この質問への答えは2つあります。技術的な回答と、インダストリー4.0に向けたNDT産業の進歩に関する回答です。
技術的な観点では、オープンファイルフォーマットは高度な機能を開発する際に制限事項が少なく、サードパーティによるカスタムソフトウェア開発が容易になる点です。.ndeは複数の解析プラットフォーム間で共有できるため、長期的またはプラットフォーム間の検査の比較やトラッキングが容易です。また、解析プログラムをいくつも習得したり、データを変換したりする必要もありません。
オープンファイルフォーマットは、さらに高度なソフトウェアソリューションが今後開発される可能性を高め、業界内でますます普及し始めています。JSONオープン標準フレームワークをベースにしている.ndeフォーマットは、効率的なアクセスと他のソフトウェアプラットフォームへの統合が可能で、3Dイメージングと視覚化、レポート作成、コンピューター支援解析などに使用できます。共通のフレームワークをベースにしているため、他のNDTハードウェアプロバイダーが同じファイルフォーマットの導入を選択でき、それが業界全体の統一されたファイルフォーマットにつながります。
Q:既存のDICONDEファイルフォーマットを導入しないのはなぜですか?
.ndeファイルフォーマットには、DICONDEにはない利点があるためです。
データ解析を行う際に、MXUおよびOmniPC™ソフトウェアによってニーズがすべて満たされていて、他のNDTソフトウェアが必要ない場合は、このセクションをご覧ください。
Q:.ndeファイルフォーマットはワークフローにどのような影響を及ぼしますか?
何もありません。OmniScan X3探傷器を使用する場合、データ収集や操作に関するすべての機能はそのまま変わりません。データファイルの作成、保存、転送、解析は、引き続き通常どおり行える一方で、新しいデータファイルに伴い性能と機能は向上します。
Q:.odatデータファイルは5.11以降のバージョンでも開けますか?
はい。新しいバージョンのMXUおよびOmniPCソフトウェアでは、従来の.odatファイルを開けます。ただし、.ndeファイルフォーマット用に開発されたMXU 5.11以降の新しい解析機能は、.odatファイルでは機能しません。
Q:.odatファイルを.ndeに変換できますか?
いいえ。MXUおよびOmniPC 5.11を使用して.odatを.ndeに変換することはできません。ただし、.odatファイルのサポートは、将来のMXUおよびOmniPCソフトウェアバージョンで維持されます。
Q:以前のバージョンのMXUで作成した設定ファイルは有効ですか?
はい。OmniScanの.oset設定ファイルフォーマットは変更なく、.opsフォーマットは引き続きサポートされるので、以前のすべての設定は通常通り使用できます。.odatデータファイルからのデータ収集を再開することもできます。どちらの場合も、新たに収集されるデータは.ndeフォーマットで保存されます。
以下に示す質問と回答は、他のEvidentデータ解析ソフトウェア(WeldSight™ソフトウェアなど)を使用するお客様向けです。他のソフトウェアソリューションにデータをエクスポートまたは統合する機能を共通して使用しても、独自のカスタムソフトウェアの開発は行わない場合、このセクションに該当します。
Q:.odatファイルと同様に、.ndeファイルも他の解析ソフトウェアプラットフォームで開けますか?
5.11リリース時点では、.ndeデータファイルを開けるのはMXUおよびOmniPCソフトウェアのみですが、.ndeデータファイルを開く機能は、今後開発される他のEvident NDTソフトウェアにも導入される予定です。すべてのEvident解析プラットフォームで.ndeファイルフォーマットを共有することが目標です。
Q:C-スキャンとB-スキャンのエクスポート機能を使用して、引き続き.csvファイルを生成できますか?
はい。ただし、これらの既存の機能を使用するユーザーは、.ndeファイルフォーマットのカスタマイズ性を利用して、データに直接アクセスすることで同じ処理を自動化できるカスタムソフトウェアソリューションによって、ワークフローを改善できます。
Q:OpenView SDKで開発したカスタムソフトウェアを使用して、.ndeデータファイルにアクセスできますか?
はい。OpenView SDKを使用せずに直接ファイルにアクセスするためには、いくつか修正が必要です。この修正後は、.jsonフレームワークが単純なおかげで、新しいバージョンのMXUでデータを最新状態に保つのが容易になります。
Q:新しいファイルフォーマットでは、リモートデバイスコントロールはどのように処理されますか?
A:OpenView SDKは、FOCUS PXデータ収集装置などのコントロールデバイスに引き続き使用され、WeldSightソフトウェアは、WeldSight Remote Connectアプリ経由でOmniScan X3ユニットを制御できます。将来的には、新たに統一されたリモートコントロールソフトウェアシステムを装置で使用できるようになります。
さらにご質問がございましたら、お気軽にお問い合わせください。.ndeオープンファイルフォーマットに関する技術的なご質問は、以下のメールアドレス宛てに直接お問い合わせください:nde_support@evidentscientific.com
包括的な.ndeユーザー文書は、次のリンクのGitHubで公開されています。https://evident-industrial.github.io/NDE_Open_File_Format/